病室を訪れると
患者さんはぐっすり眠っていた
手や足が小さくブルっと震え
軽い痙攣がおき始めている
時折眉間に寄る皺は
痛みのためか 他の肉体的苦痛のためか
はたまた 嫌な辛い夢でも見ているのか
ベッドサイドの椅子に腰をかけた
部屋を見回した
次第に活動範囲が狭くなり
いまやこの空間が生活の全てとなってしまった患者さん
目覚めたときに何を考え 何を思うのか
天井を見て
体につながった管をみて
手を伸ばしてもすぐには届かない音楽プレーヤーを見て
部屋外から聞こえる音や声を聞いて
買い換えて間もないスマートフォンを見て
人の笑い声を聞いて
自身の状態にかかわらずただ変化する窓外の景色を見て
震える手を見て
そして次の一手を語ることのできなくなった医師を見て
いったい何を思うのか
10分ほど座っていたが目を覚ます気配はない
そのまま声をかけずに
部屋を後にした
患者さんはぐっすり眠っていた
手や足が小さくブルっと震え
軽い痙攣がおき始めている
時折眉間に寄る皺は
痛みのためか 他の肉体的苦痛のためか
はたまた 嫌な辛い夢でも見ているのか
ベッドサイドの椅子に腰をかけた
部屋を見回した
次第に活動範囲が狭くなり
いまやこの空間が生活の全てとなってしまった患者さん
目覚めたときに何を考え 何を思うのか
天井を見て
体につながった管をみて
手を伸ばしてもすぐには届かない音楽プレーヤーを見て
部屋外から聞こえる音や声を聞いて
買い換えて間もないスマートフォンを見て
人の笑い声を聞いて
自身の状態にかかわらずただ変化する窓外の景色を見て
震える手を見て
そして次の一手を語ることのできなくなった医師を見て
いったい何を思うのか
10分ほど座っていたが目を覚ます気配はない
そのまま声をかけずに
部屋を後にした