Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

病室

2011-07-29 | 想い・雑感
病室を訪れると
患者さんはぐっすり眠っていた

手や足が小さくブルっと震え
軽い痙攣がおき始めている

時折眉間に寄る皺は
痛みのためか 他の肉体的苦痛のためか
はたまた 嫌な辛い夢でも見ているのか

ベッドサイドの椅子に腰をかけた
部屋を見回した

次第に活動範囲が狭くなり
いまやこの空間が生活の全てとなってしまった患者さん
目覚めたときに何を考え 何を思うのか

天井を見て
体につながった管をみて
手を伸ばしてもすぐには届かない音楽プレーヤーを見て
部屋外から聞こえる音や声を聞いて
買い換えて間もないスマートフォンを見て
人の笑い声を聞いて
自身の状態にかかわらずただ変化する窓外の景色を見て
震える手を見て
そして次の一手を語ることのできなくなった医師を見て

いったい何を思うのか

10分ほど座っていたが目を覚ます気配はない

そのまま声をかけずに
部屋を後にした