Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

タイミング

2011-04-23 | 想い・雑感
いよいよ医学的手段がなくなってきた消化器がん末期の方の病室で
椅子に座りお話をしていた

目指していた治療が難しくなったこと
検査結果の説明
おそらくお腹の中で起きているであろうことの説明
今後施行可能な治療の内容
などなどお話していた

その間テレビはついたままだった
二人ともあまり意識していなかった

ところがふと気が付くと
スーちゃんが亡くなったことが話題となっていた
最後は転移のために
治療ができなくなっていたことを伝えている

さすがに居心地が悪い
タイミングが悪い
それに対してコメントなんかできるわけもない

私は
右斜め後ろにあるそのテレビには
全く気が付かぬ素振りで
説明を切り上げ
部屋を出た

でも本人きっと気づいてますよね

出てこなかった方がよかったかなぁ…

延命?緩和?

2011-04-23 | 想い・雑感
消化器がんの末期には
腹膜へ転移した癌が小腸や大腸を巻き込み
イレウス(腸閉塞)となることがある
抗がん剤治療その他を組み合わせて
その状況が改善できることもあるが
結局薬剤ではどうしようもなくなる

そんな時
緩和外科として
バイパス術
胃瘻造設術
腸瘻造設術
人工肛門造設術
などを行えることもあるが
閉塞部位は複数であることが多かったりで
それもできないことが多い

次は腸液の分泌を抑える薬剤を
持続的に投与することになる

これらを行うことによって
症状を緩和できることはできる
症状緩和をすることにより
延命にもつながる
腸閉塞の状態を放置すればそれ自体命にかかわるわけだから

でもそれ以上のことは難しい
そして最後が近づき見守ることしかできなくなる


さあ
上記の緩和策
単なる延命治療と考えるか
緩和ケアの一環と考えるか
人によって思いは違うだろう

「延命治療お断り」
の一言では
なにも具体的なことは語っていないことになる
延命治療か否か
選択できる治療を受けるか否か
その疑問は常に具体的に突きつけられる