「この日の思い出」
2014年5月20日 箱根
当地に引っ越して来た時、初めて足を踏み入れた土地だった。
県都の中心街に結婚以来住んでいたが
定年を迎えた夫が畑仕事をしたいと言って
新たに家を建てることにした。
ここは母の持ち物である。
だから土地代はいらない。
ある日、見覚えのない男性が訪れた。
中学の同級生ですぐ近くに住んでいると言う。
やがて彼が仲間3人を誘って食事会をすることになつた。総勢5人,
わたくしは両手に花、花の会である。
やがて、彼らの夫人たちも加わって7人の会になつた。
毎月1回.コロナ禍まで150回あまり続いた。
その内、年に一度1泊旅行をしようと
7人で21人乗りの豪華観光バスをドライバー付きで借りていろんな所へ出かけた
もちろんドライバーの宿泊費も負担するので夫婦参加は相当な費用だけれど、
年金暮らしは我が家だけなので、(彼らは自営業)楽しみにしていた。
泊まる旅館はその地の一流旅館ばかり。
この年は箱根だったらしい。
わたくしは思いついたらすぐに何処へでも
旅だつのでどこへも自由に
行っているが
かれらはツアー専門はのでこういう自由な旅は楽しみだったようだ。
この時の7人の仲間のうち
3人がもういない。
年月をしみじみ思う。
相変わらず点滴を朝夕。
月曜日の血液検査の結果次第だけれど
良ければ火曜日に退院出来るらしい。
なんとか良い結果が出るようにと願っている。
病院は退屈だし与えられる睡眠導入剤ではなかなか寝つかれなくてイライラしてますます寝つかれない。
一旦寝ついたらぐっすりなのだけれど。
今日、ベッド傍に置かれていたコールマツトが外された。
そのかわりトイレに行くときは必ずコールするよう言われている。
冷蔵庫まではトイレより遠い。
いちいち煩わしい。
まぁ、でももう少しの辛抱!
点滴があるし、体を拭いてもらつたりはしててもテレビだけの生活は退屈。
急なことなのでKindleがない。
ベッドから降りるのがかなり厳しく監視される。
ベッドの前にコールマツトが置かれ、ちょっと踏むと呼び出しベルが鳴る。
トイレに行く時も付き添うという。
めんどくさい。
冷蔵庫まで冷えたお茶を1人で取りに行きたい。
外して欲しいといつたらトイレに行く度に
ナースコールを呼んでくれるなら外すと。
最近、転ぶ人が多いのだそうだ。
どちらかというと自立心が強いほうなので
すべて人を呼んでの動きは煩わしいが
病院にもそれなりの決まりがあるのだろう。
息子から見舞いに行くよと言って来たけれど、来ても誰にも会えないらしい。
外との関わりはスマホだけ。
でもたぶん来週には退院出来そうなので
おとなしく待つしかない。
食事にお魚がでるのは覚悟していたがやはり2回でた。
青魚。食べられない。
おたふく豆がたくさん。
枝豆以外のお豆は苦手。
こちらの偏食が悪いのだけれど。
5月15日 突然入院した、即日手術。
2.3日前から熱があり午後には下がっていた熱が下がらないのと嘔吐があるので
近所のかかりつけ医にでかけた。
するとエコーで調べて直行で総合病院に入院するという思いもかけない顛末。
ハンドバックひとつ持っただけで5万円入った財布とスマホだけ。
胆嚢に石があるのだとのこと。
点滴に繋がれて、横になっている。
個室を希望したら安い部屋が空いていないからと
この病院では最高の部屋らしい。
ワンルームマンションなみに広い。
テレビも2台ある。電子レンジまでついているが、無用なものばかり、
お風呂は自宅のお風呂が良い。
1週間ほどで出られそうらしいのでしばらくおとなしくして過ごす。
入院が伸びたりするのは真平ごめんだから。
とんでもない5月になつた。
お昼前ピンポーンが鳴って出てみると
クロネコさんが息子からの荷物を
届けてくれた。
母の日のお祝いにマスカット一粒を
求肥で包んだ珍しいお菓子である。
初めて口にする。初摘みのマスカット
で初物を食すると命が伸びると
書いてある。
フフフ・・箱根で黒卵も行くたびに食べたし
こうして長生きしてきたのかしらん。
つい先日誕生日祝いに食事をごちそうして
もらったばかりなのに。
6日が誕生日で12日が母の日。
今月14日から当市のベイシアという
スーパーが楽天とコラボしてネットスーパー
を始めるという。
すでにイオンとバローの両店を利用している
けれど配達料金が安そうなので早速14日
午前の配達で注文してみた。
するとバローからお知らせがきて配達料金
を購入額に応じて安くするらしい。
利用者にとってはありがたい。
友人がイオンの660円は「もう1品買える。
高い」という。
クロネコが運ぶのでやむを得ないとも
思っているのだけれど。
いずれにしても車を辞めたものとしては
ありがたい世になってきていると思っている。
家にいてなんでも手に入る。
人様の手を借りなくても今のところ自力
で買い物ができるということはうれしい。
それに決まった日に受け取りというコープの
システムも性に合わなかった。
気が向いたら天気予報を見てさっと旅に
出ていたわたくしには1週間先の制約は
困る。
何度も勧誘を受けたけれど断わり続けて
いまに至っている。
できるだけ自由でいたい。
きっとそのうち誰彼にお世話にならない
ではいられいときが来る。
その時まで何とか。
あなた いったい どうして・・・
旅先のホテルで夫が倒れた。
それから12年の年月が流れた。
わたくしは・・・