どうしても行かれない二つの街

2012-04-08 20:52:29 | 日々思うこと
このあたりの櫻も満開に近づいた。

7年前の春、地元で櫻を堪能した後、温泉に行き、そこで夫が倒れ、救急搬送されて入院したのだった。

その温泉がある街はこの辺りより寒く、もう一度その地で桜を見ることとなった。

美しい櫻が駅前から続いていて美しくはあったけれど、もちろん櫻どころではなく辛い思いでその下を歩いていた。

川に面した病院は向こう岸に温泉旅館が並び、桜の季節を彩っていた。

私は毎年のように行っていたその温泉の町へどうしても行かれない。

その街が彼を奪ってしまったように思われてどんなに誘いを受けても心が拒否してしまう。

その街に何の責任もあるはずがないのだけれど。

もうひとつ、行ってみたいと思いつつなかなか足の向かない街がある。

その市で私たちは出会った。

初めは大して親しくもなかったもののお互いその地ではよそ者だった二人は実家のある県都の話題が共通で次第に

話すようになった。

懐かしい街だけれど、その頃のことを思うときっと涙が出るだろうと二の足を踏んでいる。
コメント
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