五能線への旅 その2

2008-06-08 12:00:22 | 日々思うこと
五所川原で降りて、津軽鉄道で金木へ。
この列車は一輌、ワンマンカー。何気なく見ていたら運転席の傍に本立てがあり、25冊ほどの本が並んでいる。
隣にいる地元の女性に「あの本、借りて読めるのですか」と聞いたら、「そうです。どうぞ読んでください」と言うことだった。20分ほどで金木に到着。
早速、太宰治の生家「斜陽舘」に向かう。駅前のタクシーに「近いから歩いて行ったほうがよい」と断られたので。
なるほど、近かった。

「リゾートしらかみ」の乗車証明を持っていると、500円のところ100円引き。
さすが贅を尽くした、大邸宅だ。
ここで六男として生まれた太宰(修治)は39歳のとき、玉川上水で入水心中。
短い一生だった。

金木から五所川原に戻って、駅近くのホテルへ。
この町も駅前通などシャッターの下りている店も多く、人気がほとんどなかった。
歩いている人がいない。まだ5時を少し過ぎたばかりの時間なのに。
どこも町がさびれていく。寂しいことだ。

岩木山は見る場所によってずいぶん姿を変えた。なだらかな裾野をひく富士山のように見える岩木山。片側だけごつごつと尖った形を現した姿。五所川原から青森への車窓から変わり行く姿を楽しんだが、金木で見た岩木山が太宰が書いているようにとても美しかった。

青森から「つがる」に乗って八戸へ。途中あなたと泊まった浅虫を通る。駅近くの温泉旅館「ホテル松園」の前を列車がゆっくり発車していく。懐かしい。
ここから函館へ向かったのだった。函館と湯の川温泉、小樽などとゆっくり泊まりながら、帰りは札幌からトワイライトエキスプレスだったよね。
この列車に乗りたくて、あんなに無理して取ってもらったトワイライトの二人部屋もごっとんごっとん、踏み切りのチンチンという音で余り眠れなかったけれど、とにかく何もかにもあなたとした旅が懐かしくて、思い出すと哀しい。

そして線路に沿って大きな姿を見せる三沢の古牧温泉、昨年下北へ行くとき、宿泊した温泉。
こうしてみるとよく旅行をしているものだと自分ながら少々あきれる。

この旅でかねてから行きたいと思っていたところを片付けたと言う感じだ。
何か目標を失った思い。
7,8月は花を枯れさせられないので、一泊位ならばいいけれど長い旅行はできないので、また9月にでもなったら考えることにしよう。
コメント
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