【羆嵐（くまあらし） 吉村昭／新潮文庫】
大正四年に起こった日本害獣史上最大の惨事を描くドキュメンタリー長編。
野生動物の怖さを認識させられる作品でありました。
怖いもの見たさで買ってしまったが、これから独りでは山奥の林道とか行けなくなっちゃいそうな気がします。
本州の熊は月の輪しかいないらしいが、確か別の本で羆と月の輪を一緒の檻に入れると月の輪が牛耳るとあったな。
いずれにしても鉢合わせする前に熊に気付いてもらえるよう鈴でも自転車に付けようかしら。
でも人が持ってる食糧に味を占めた熊は意図的に人を探してくるとも山歩きの人に聞いたこともあるぞ。
う～ん困ったなあ。
吉村昭は「漂流」を読んだことがあります。
リアリティ豊かな小説だったと記憶しています。
この「羆嵐」も相当に生々しそうです。
捕食描写の生々しさがちと・・・
一匹の羆に翻弄され恐怖に呑み込まれていく人々と熊撃ち猟師の人間ドラマでもありました。
テーマがテーマなだけに重いですわ。