すでにご存知の方も多いかと思いますが、英国レスター大学の社会心理学分析の専門家、ホワイト教授がこのほど出した調査結果によると、世界一幸せな国はデンマークだそうです。(ちなみに日本は90位。)
これは主観的な幸福殿調査ということで、最も重視されたのが健康、ついで豊かさ、そして教育という順序になっています。ここで面白いのは、1位デンマーク、2位スイス、3位オーストリア、4位アイスランド、と上位を小国が占めていることです。
さて、なぜデンマークが世界一となるのか、ちょっと考えてみました。最初に思ったのは、デンマークは気候的にはあまり恵まれているとは言えず、しばしば悪天候の話題になったり、文句を言ったりするのが聞かれますが、意外とマイナス要素にはなっていないのですね。
世界最高の、といわれる福祉国、さすがに健康面ではデンマーク人は満足していると見えます。(日本人から見ると不満に思う点はあるけれど。)豊かさに関しても、デンマークにはホームレスの人はいませんし、社会保障や失業保険などが行き届いており、この点は日本人から見て羨ましい限りだと思います。日本人のように定年時にいくら貯金があれば、老後の暮らしは大丈夫なのだろうか、などと心配する必要はありません。教育に関しても終始無料で受けられ、また教育期間中は国からお小遣いがもらえるなど、日本では考えられないようなサービスもあります。こういったそれぞれの点から見てみると、確かに世界一というのは納得のいくことかと思います。
でもスウェーデンなどの北欧の国々も同じような状況ですし、どうしてデンマーク?という疑問が残ります。
私が思うに、デンマーク人にとって何より幸福度の基準として大きいのが、「自分達で国を作っている」という感覚なのではないでしょうか。政治は、日本のように単なるトップダウン式で、民主主義ではあるけれど、参加しているという感覚がないのとは違い、市民一人一人が「自分の意見を反映できる」、という認識を持っていると思います。政治システムも、学校などの運営システムもできるだけ個人の意見を吸い上げられるような仕組みであるよう努力されています。
またデンマークの近代史においては、市民の手で本当の民主主義を創り上げてきた軌跡が見られます。農業協同組合などを創り、意見を交わし、まとめ上げて、国に対して働きかけてきたのです。その後、いろいろな組合が発達し、また市民に最も近いコミューン(市)が個人に合わせたきめ細かいサービスを担当していますので、それだけ市民の声を反映しやすいことがあるようです。
こういった国の国民は自国を誇りに思い、本当の愛国心を持っているのではないでしょうか。もちろんきれいごとだけではない別の面もあるのでしょうが、彼らの根底にある、自分達が国を作っているという意識が、この世界一という結果に結びついたように私は思わずにはいられませんでした。そしてそういった自国への誇りを持てることをとても羨ましく感じました。
まあ、もしかしたら「Denmark is NO.1!」という、まるでどこかの国のような、妄想や過大評価も入っているのかもしれませんが・・・。
しかし対する日本の90位。これはどうしてなんでしょうね。最近は低収入時代やら、ニートやらという話もあることはありますし、健康保険も個人の負担額が大きいし、教育費も恐ろしいほどかかりますが、それにしても90位ほどではないはずなのですが・・・。世界は190ヵ国ほどですが(この調査参加国は178ヵ国)、真ん中くらいですか。
アメリカは23位、ドイツが35位、イギリスは41位、フランスは62位と他の国の順位を見ると、まあ、なんとなく日本の90位というのは納得できるような気もしてしまいますが、なんともさみしい日本の順位です。
これは主観的な幸福殿調査ということで、最も重視されたのが健康、ついで豊かさ、そして教育という順序になっています。ここで面白いのは、1位デンマーク、2位スイス、3位オーストリア、4位アイスランド、と上位を小国が占めていることです。
さて、なぜデンマークが世界一となるのか、ちょっと考えてみました。最初に思ったのは、デンマークは気候的にはあまり恵まれているとは言えず、しばしば悪天候の話題になったり、文句を言ったりするのが聞かれますが、意外とマイナス要素にはなっていないのですね。
世界最高の、といわれる福祉国、さすがに健康面ではデンマーク人は満足していると見えます。(日本人から見ると不満に思う点はあるけれど。)豊かさに関しても、デンマークにはホームレスの人はいませんし、社会保障や失業保険などが行き届いており、この点は日本人から見て羨ましい限りだと思います。日本人のように定年時にいくら貯金があれば、老後の暮らしは大丈夫なのだろうか、などと心配する必要はありません。教育に関しても終始無料で受けられ、また教育期間中は国からお小遣いがもらえるなど、日本では考えられないようなサービスもあります。こういったそれぞれの点から見てみると、確かに世界一というのは納得のいくことかと思います。
でもスウェーデンなどの北欧の国々も同じような状況ですし、どうしてデンマーク?という疑問が残ります。
私が思うに、デンマーク人にとって何より幸福度の基準として大きいのが、「自分達で国を作っている」という感覚なのではないでしょうか。政治は、日本のように単なるトップダウン式で、民主主義ではあるけれど、参加しているという感覚がないのとは違い、市民一人一人が「自分の意見を反映できる」、という認識を持っていると思います。政治システムも、学校などの運営システムもできるだけ個人の意見を吸い上げられるような仕組みであるよう努力されています。
またデンマークの近代史においては、市民の手で本当の民主主義を創り上げてきた軌跡が見られます。農業協同組合などを創り、意見を交わし、まとめ上げて、国に対して働きかけてきたのです。その後、いろいろな組合が発達し、また市民に最も近いコミューン(市)が個人に合わせたきめ細かいサービスを担当していますので、それだけ市民の声を反映しやすいことがあるようです。
こういった国の国民は自国を誇りに思い、本当の愛国心を持っているのではないでしょうか。もちろんきれいごとだけではない別の面もあるのでしょうが、彼らの根底にある、自分達が国を作っているという意識が、この世界一という結果に結びついたように私は思わずにはいられませんでした。そしてそういった自国への誇りを持てることをとても羨ましく感じました。
まあ、もしかしたら「Denmark is NO.1!」という、まるでどこかの国のような、妄想や過大評価も入っているのかもしれませんが・・・。
しかし対する日本の90位。これはどうしてなんでしょうね。最近は低収入時代やら、ニートやらという話もあることはありますし、健康保険も個人の負担額が大きいし、教育費も恐ろしいほどかかりますが、それにしても90位ほどではないはずなのですが・・・。世界は190ヵ国ほどですが(この調査参加国は178ヵ国)、真ん中くらいですか。
アメリカは23位、ドイツが35位、イギリスは41位、フランスは62位と他の国の順位を見ると、まあ、なんとなく日本の90位というのは納得できるような気もしてしまいますが、なんともさみしい日本の順位です。
デンマーク人の夫と2人の息子がいます。
実はデン人会のイベントで何度かお会いしたことがあるのですが、お分かりでしょうか??
以前からこちらは拝見していたのですが、今回の「世界一幸福な国」のトピックは私も丁度同時期に自分のブログで取り上げていたので、偶然でビックリしたので、思わずコメントさせていただきました。
halfkidsさんのご意見も興味深く拝見しました。これからもまた遊びにこさせて頂きたいと思っていますので今後ともどうぞよろしくお願い致します。
PSよろしければ遊びにいらしてくださいね。
http://ktrier.exblog.jp/
コメント、どうもありがとうございます!
ええ、覚えていますよ、最近デン人イベントがなかったので、こういう形で再開できてとても嬉しく思っています。
いつも子ども達がぎゃーぎゃーしちゃって、お会いしてもゆっくり話せなかったのですが、うちの子ども達と同じくらいの年齢のお子さんがいらっしゃるので、子どもの話などもしましたよね。
王子ママさんのブログ、拝見しました。すっごく素敵なお家なんですね。しかも憧れのウェグナーのチェアまであって、本当に素敵です。
私のブログを読んでいただくと分かると思いますが(ブログってばればれですね、いろいろと)、日本で数少ないデンマーク人とのハーフの子どもを育てるにあたって、孤独に(笑)、あれこれ考えていました。
同じような状況の王子ママさんにもぜひいろいろとお聞きしたいと思っています。もしよろしかったら、こちらのほうにメールをいただけたらとても嬉しく思います。halfkids@mail.goo.ne.jp
また王子ママさんのブログにもコメントさせていただきますね!
コメントいただけて、本当に嬉しかったです。ありがとうございます!
でも、そう!デンマーク人は、自分たちで政治を動かしているという自負があると思います。賄賂なんて露呈したときには、それこそ国民の糾弾にあってあっという間に失墜しますからね。同僚が、ある市長選があったとき、政治的な裏工作が露呈して、本気で怒っていたときには、日本じゃありがちなこと、、なんてのどまで出掛かって恥ずかしくていえなかったですわ。
だからこそ、アナス・ラスムスンが首相になるしばらく前まで移民に対して一番優しい国だったのが、今やヨーロッパの中で一番厳しくなっていると言われていますからね。自分たちでつくりあげた社会を、ただベネフィットだけ得ようとする人たちに対する激しい感情があるのでしょう。
でも、デンマーク人にとっては居心地いい国でも、外国人にとってはどうなんでしょうかね。。大学の留学生なんて、みんなしてデンマークの悪口大会ですし。友達のユーゴ系彼氏など、「日本の生活の方が、ずっと楽しい。」といってますしね。
デンマーク人は、厳しい気候を、親しい友達や家族とのヒュッゲで乗り越えますが、家族のいない外国人にとっては、閉鎖的なデンマークはかなり酷な国と言えるかもしれません。
あとはこの調査もどこの誰をどのくらい対象にしているかって曖昧なので、言ったもん勝ち!なところもあるようですが…。
あとはやっぱり国を動かしていく上で、デンマークってちょうどいい大きさなんだろうなーって。大きすぎず、人も多すぎず、文句を言う外国人も多すぎず…。コンパクトで、そりゃー省エネでいけるさ、って。
そう、非常に面白いことに外から見たデンマークの高い評価とは別に、内側から見たデンマークはなかなかどうして低いのです。
デンマーク人の見方はこの調査通りなのかもしれませんが、外国人からの見方はおっしゃるとおりだと思います。
あるとき私が「デンマークに住みたいと思っているのだけど、どうかしら?」と在デン日本人に聞いたとき、その場にいたほぼ全員が「だめよ!絶対来ちゃだめ。来ないほうがいいってば!」と言ったのでした。たまたま集まったメンバーがそういう意見だったのかもしれませんが、例えばアメリカやフランス、イギリスなど他の国で同じ質問をしたらこんなに強く、今自分が住んでいる国の悪口(?)を言うだろうかと思いました。悪い面もいっぱいあるけど、でも住みやすいよ、とか、私は日本より楽、なんて意見が多く出るのではないかと思いました。
確かに外から見ていても、実際住むとなると一筋縄ではいかない国、という気がしています。アメリカなどは不都合はあるものの、なんとなく最初から馴染めるところがあるのですが・・・一体、何が違うのでしょうね。
でも私はデンマークをひとつの国としては尊敬しています。日本にはないよさがあり、見習うべき点も多いかと思っています。
このへんはこれからの私のもっとよく考えていきたい点です。
Kanaheiさん、
私も小さい国というのはコントロールのしやすい国だと思います。今回の調査の2位以下もどこも小さい国ですもんね。
日本の20分の1の人口や、端から端までがんばれば一日のドライブで行けるような国土の大きさというのは、やはり国民の意思疎通という点では違うと思う。
ただこういう自国に対する自信というものって強いなーと思っちゃいました。それだけ自分を厳しく見つめていることもあったと思うし、真剣に全員が考えているということもあるのかなと思いますが。日本は今、靖国問題で話題になっているけれど、明治以降、特に昭和の歴史を学校教育でおざなりにしているような国は、90位がせいぜいかな、と考えてしまいます。
言ったもん勝ち的なところは私もこの調査で感じるけれど、日本はうちの国に満足、と言えないところに、ちょっと情けなさを感じます・・・。
やはり、あれから考えてみたんですけど、わたしも居心地悪さを感じる一方で、尊敬できる面もあるな、、と。
それは、マイペースであること!(笑)
日本という小回りのきかない大国だからしょうがない面もあるけれど、みな社会に縛られすぎているところがあると思う。
だから、政治にしても、身近な事情にとらわれて、デンマークのように総合的判断ができないのではないかと。
基本的には、日本人はものすごくタレントもあるし、努力もしているのに、個人個人で方向性が違いすぎて、一方向に大きなベクトルを描けないのではないでしょうかね。
確かに、日本は恋しいけれど、デンマークは下手に個人的な事情にしばられない分、いきやすい社会かもしれません。