デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

「小1プロブレム」への品川区の対策・・・

2009-03-26 14:04:06 | 思ったこと・気づいたこと
 今朝の新聞で、品川区が「小1プロブレム(座って先生の話を聞けず、授業中立ち歩いたりするなど。授業にならないという状況がしばしば見られる)への対策として、独自の「幼児教育要綱」を作成し、幼稚園・保育園と小学校の一環教育を行うという発表がありました。集団生活のルールや初歩的な読み書き、計算などを教えるカリキュラムで、スムーズに小学校の授業や集団生活が行えるよう、導入していくそうです。

 私自身、小学校に授業参観に行くたびに、立ち歩いている子、授業などおかまいなしに好きなようにしている子、そしてそれを注意しない先生がいたりして、この小1プロブレムとやらには本当にびっくりしていました。私が小学生だったころも、授業中にお喋りや笑いが止まらなかったりして先生に怒られる、廊下に立たされるなどということはありましたが、私たちはとりあえず「いけないこと」をしていることはわかっていた、でも、今の子どもたちはそういう意識がないように見えます。赤ちゃんが好きなようにしている、その延長のような感じがします。

 今回の品川区はこうした状況を見かねての、自治体としては非常に熱心な取り組みだと思います。デンマークでも保育園の後、小学校に入学しますが、初年度は0年生と言って保育園と小学校の中間のような1年が存在します。保育園がひたすら遊びの毎日だったのに対して、秩序を持って学ぶことにスムーズに移行できるようにという配慮です。そこで子どもも学校というものに慣れ、教師もその子がどんな子か見ることができ、その後の1年生につながります。クラスはマックスで27人、教師は担任と副担任の2人がつきます。

 ただ、ちょっとここで思うのが、そもそもそういう問題なのかな?ということです。3学期に図工の時間を参観したときに、男の子の数名が後ろのほうでぶらついたり、ふざけたり、あげくに喧嘩っぽくなったりしていました。私はもう少しで「何やってんのよ!」と怒りそうになったのだけど、私のすぐ横でその子のお母さんがニコニコしているのを見て固まってしまいました・・・。さすがにその子の親の前で他人の私が注意するわけにもいかず黙っていましたが、私が思うに、小1プロブレムはこういう問題なのではないかということです。

 国や地方自治体が教育の問題に取り組むことは、私たちの時代以上に熱心になってきているように思います。一方で、親たちはどうなのでしょう?厳しければいいとも思いませんけれど、学校に上がる前に、いろいろと躾けておくことについて、今一度、私たち親は考えてみる必要があるように思います。もし、それができないというのなら、品川区のせっかくの試みも期待するほどの効果が出ないかもしれません・・・。

 授業中なのにガムをかんでいる、先生のやりかたに教室内で小声で文句を言う、先生がちゃんと座っていない子を注意しているのを見て舌打ちして「うるっせんだよ」と言う、親子で運動するリクリエーションなのに動きやすい服装ではなくてミニスカートで来る、行事のときに平気で通路に自分の荷物を置く・・・。これらのことはこの一年で私が見聞きしたことです。ねえ、これ、親がやっているんですよー。子どもたちじゃなくて、親がこういう感じなのですよ・・・。


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2 コメント

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Unknown (els910)
2009-03-27 05:53:05
デンマークでは、最初の保護者会のときに配られたプリントに、「保護者の協力なくして、学校だけで子供の教育は保障できません。」とビシリと一文がありましたからね、、、
こないだ行った講演会でも、ある保護者が高い税金払っているんだから学校が子供の教育に責任があるのが当然と言ったけれど、責任の所在がどうとかではなく、意識せずとも保護者は子供の発達に絶対的な影響をもっていることを自覚しなければならない、と言ってましたよ。
だから、自治体だけが熱心になってもどうなんだろう?親の意識が変わらない限り、子供の問題は減らないと思います。たとえば、極端な例だけれど、義務教育だからと給食費を払うのを拒否した親をもつ子供ってどう育つんだろうと思いますよ。やはり、親と同じように自分の権利だけ主張して社会全体をみれなくなるのではないでしょうか。
それと、教育関係に携わった人と話したときに、最近は親が子供の味方になってしまって、学校との連携がとりにくくなってきているとのこと。親が学校に文句をいうから、子供も同じように学校を尊重しなくなってきているそうです。
わたし自身、娘がわたしの影響を受けていることを実感しますからね、、、たとえば夫に文句いうと、娘も夫を尊敬しなくなるというか、、反省しなければならないことも多々ですが、、、
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Unknown (halfkids)
2009-03-31 07:01:50
elsさん、

学校はそもそも何だろうと考えると(デンマーク的にね・笑)、その国が欲しい人材を作るところだと思うの。どんな国民が欲しいのか、優秀な人材がいい国を作るのだから、そういった国民を作るところじゃないかと。それと家では学べないこと、集団で何かすること、他人と協力すること、一人ではできないことをすること、ではないかと思います。
一方、家では人間としてどうあって欲しいかというところを教育するのだと思います。明るくて楽しい子になって欲しい、思いやりのある思慮深い子になって欲しい、どこに行ってもきちんと行動できる判断力のある子になって欲しい・・・そういう思いをもって、その子が少しでも気持ちよい人生を送れるように、その子にいろいろと身につけさせるという考えが基本になっていなくてはならないと思うのだけど、そういう思いをどれだけ親がちゃんと考えて日々実行しているかというところが心もとないよね。

先生と親、一緒になって心を込めて悩みながら子どもたちを育てていけたらいいな、と本当に思います。
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