デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

子育ては最高に面白いプロジェクト

2007-10-03 00:17:40 | 母親業・主婦業
 前回のブログのしめくくりに書いた、自分の子供の教育の楽しさ、面白さについて書いてみたいと思います。

 そう、デンマーク人は子供の教育に熱心で、どういう教育がよいのかということに熱心だというのをどこかで読んで、私も最近、同じように思うようになってきました。子供の年齢が少し上がってきたからでしょうか。

 一般にデンマーク人には根底に自分の子どもを育てるのがとても面白い、エキサイティングなことだという気持ちがあるので、彼らが教育の現場に積極的にかかわったり意見したりするのかもしれません。

 教育と一言で言っても、いくつかの面があります。学校などでの勉強の教育、躾や人としての心を学ぶ教育、それから習い事などの違う世界を広げる教育、そして人との接触の中での教育などがあるでしょう。親がこういうことを総合的にコントロールしていけるのは悩みもしますが、楽しいものです。子どもは尊敬の念で親を見、信頼しきって親の言うことを聞きますから、その効果はわりとすぐに表れます。もちろん年齢とともに、どんどん子供の意思が出てきて、親はまた違う角度からのかかわり方になっていくことでしょう。それでも通常は18歳で大学進学が決まるあたりまでは、かなり親がかかわることになるのではないでしょうか。

 NatureかNurture(生まれつきか、養育か)という議論は悩ましいところですが、それでも後天的に養育された環境によって、人が左右されることは確かです。日々、親の感じ方や物事の受け止め方が子どもに伝わっていることを思うと、まずは親である私がハッピーで前向きでなくてはと思います。

 その上で、その子の性格や長所や短所を見極めつつ、子どもにいろいろと提案してみたり、やる気を出させたり、新しい世界を広げてあげたりすることは、これでよしということがないだけに、まさに親しだいという部分も大きいかと思います。それゆえ、もう本当に親は悩んでしまうのですけれど、こんなに面白いことはないのではないかとも思うのです。兄弟でもタイプが違っており、それぞれに合わせて、言い方を変えたり提案を変えたりしなくてはならないし、それぞれの得意分野も違って楽しいものです。

 最近、雑誌で「○○な子を育てる」というような特集が多くて、ちょっと驚いています。私達はなんでもマニュアル通りの世代であったのでしょうが、子育てまで雑誌に左右されるようになったのかもしれません。そのうち、「今年の習い事の流行は野球ボーイズ!」などという見出しで野球少年が増えたり、「お勉強部屋はグリーンで偏差値10ポイントUP!」などというフレーズで子ども部屋を皆がグリーンの壁に変えたりするのでしょうか? あるいは「賢い子どもは皆アンパンが好き!」という見出しで親が皆がアンパンを買いに走るとか、「国語の苦手な子どもがエリートになれる!」なんていうので、一気に国語を勉強しなくなったり・・・して!?

 そうではなくて、夢のある人生を作っていくこと、よい人間になれるようにすること、人生の幅を広げ楽しみをもたらす趣味をいくつか持つことなど、そういうことができるように親が育ててあげること、またどんな状況にも負けないで生きていけるような強さや知恵をつけてあげること、人に好感を持たれ、人のために何かする気持ちを育てること、そういうことが大切なのではないかと思います。同時に、その子供の個性を発見し、子どもに自信をつけてあげたいものです。

 「子育ては芸術よ、世界で一番の芸術」と私のおばが言っていましたが、今はその意味がわかるように思います。

 さて結果が出るのは20年後でしょうか。楽しみでもあり。怖くもあり。