デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

中年国際結婚カップルの悩み(?)

2007-10-24 07:48:43 | 国際結婚
 先日、国際結婚カップルが3組集まってのこと。夫たちはお庭で飲みながら談笑し、妻達は食卓で手巻き寿司を食べながらおしゃべり、そして子供達は家中を走り回りながら子供達だけで遊んでいました。

 この私達3人の妻達には共通点がたくさんありました。まず年齢が四捨五入すると皆40歳であること、外国人と結婚しているが夫の出身地が英語圏でないこと(ドイツ、ケベック、そしてデンマーク)、夫の国の言語ができないこと(一組は英語で会話している)、子供がいること、夫達がエキスパートではなく、ローカル(日本採用)であること、日本で出会って結婚したこと、などです。

 そうして私達はお決まりのトピック、これからどこに住むか?という話になりました。「夫は子供の教育のために自分の国に戻りたいと言ってるけどね」と中トロをパクパク、「でもいろいろ考えると難しいよね」とサーモンをパクパク、「そうそう、老後のこととかも考えなくちゃいけないでしょう?」「いっそのこと、第3国(夫の国でも自分の国でもない、3つめの国)に住むのが一番家族としてはよいと思うけどね、でもそれもまた難しいものね」パクパク、パクパク・・・。

 だいたい私達の意見をまとめてみると、
・エキスパートとして2-3年だけ住むのであれば、喜んで行く。
・相手国で私達が仕事を見つけるのは難しいだろう。
・これから移住となると年金をどうするのか。夫の国で受給できるのだろうか。
・英語圏ならともかく、それ以外の言語を40歳位から習得するのはかなり難しい。
・子供が日本語ができなくなるのも困る。
・すでに私達は落ち着きたい年齢になってきており、今から国境を越えて移住するようなアドベンチャーは果たして堪えられるだろうか、と守りに入っている。
・老後、夫に先立たれたらどうしたらいいのか。あるいは離婚したら?そのときに帰る場所を日本に確保できるだろうか。子供達はやはり日本に帰らないのではないか。
などというものでした。

 一世代上の国際結婚はまだ少なく、結婚する際に彼女達はそれ相当の覚悟を決めて、相手国に骨をうずめるつもりで移り住んだことと思います。が、私達の世代はそんな覚悟を決めずとも国際結婚をする時代となり、そしてバブル時代を経験してきた私達は今、中年となり、すでにかなりの冒険心をなくして弱気になっているのだと思います。これが20代で結婚するために移住するというのであれば、また少し違ったことでしょう。そこに情熱があるというものです。そして夫達はときに自国に帰りたいことをほのめかし(うちはあまりありませんが)、生ぬるくそれなりに快適な日本から出ることを妻達は恐れているわけです。

 我が家は日本在住と決めています。それでも私の心の隅で、デンマークに住んでみたいという思いがあるのは確かです。でも住むのならやはり骨をうずめる覚悟がないと、家族で自分達の意思で移住するのは大変なことです。それでももしそういうことになれば、それはそれで楽しんで生きていくのかもしれませんが。(友人のブラジル移住1世のご両親のように、日本語で暮らして、日本人のみと交流して・・・となるのかな?)

 住まないことで失っているものの大きさを思いつつ、やっぱりなかなか日本にしがみついてしまう自分を、なんだか私もずいぶん落ち着いてしまったなぁとさみしくも感じますが、子供を持つ今は守るべきものがあるのだから仕方ないとも思います。

 逆に相手国に住む夫達が、今後、年を取るのとともにどういうストレスを抱えていくのか、そして私達が先に死んでしまった後どうするのかなど、これから年と共に向き合っていかないといけない問題も多々ありそうです。また、夫ができるだけ日本で幸せになるように、あるいは、夫の心の中にいつか自分の国に帰りたいという思いが頭をもたげてきたときに私は何をしてあげられるだろうか、そういったことに私も向き合っていくことになりそうです。