高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!
みなさん、昨日(22日土曜日)にNHK総合で、ナビゲーション「自分以外は駄目なやつ」という「現代若者気質を考える」番組を見られた人も多かったでしょう。
その中で、「仮想的有能感」という聞きなれない言葉が出ていましたね。これは、速水敏彦氏(名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授)の著書「他人を見下す若者たち」にて提唱された概念です。
HageOyajiも「他人を見下す若者たち」のキャッチコピー「自分以外はバカ」の時代!」と書かれた帯を見て、興味が湧いてきて読んでみました。
≪仮想的有能感≫とは、
過去の実績や経験に基づくことなく、他者の能力を低く見積もることによって生じる本物ではない有能感。自分への満足感や自信が低いのがこのタイプで、上手にできず有能とは認められないにもかかわらず、その失敗の原因を自分以外のせいにし、また、劣等感が強いので周りの人の失敗には敏感で、その機会を捉えて、相手を批判することを通して自分の有能さを回復させたり誇示しようとする仮想タイプ。
その対比語の、
≪現実的無能感≫とは、
仮想的有能感もないが自信もないのがこのタイプで、失敗を全て自分のせいにしてしまい劣等感に苛まれることの方が多い萎縮型タイプ。
著書「他人を見下す若者たち」目次は、
第1章 感情が変わった
第2章 やる気が低下する若者たち
-子どもや若者に蔓延する欝ー
第3章 他者を軽視する人々
-「自分以外はバカ」の時代ー
第4章 自己肯定感を求めて
-「並み以上の感覚
第5章 人々の心に潜む仮想的有能感
-下方比較で安心する
第6章 自分に満足できない人・できる人
第7章 日本人の心はどうなるか
NHK映像の中でも「仮想的有能感」を解説していましたが、簡単にいうと、「自分に肯定的評価をできない自己評価の低い者が、他者をこき下ろすことによって相対的有能感を得る」という現象のことです。こういう現象は確かにあると思います。
しかしこの現象は、若者だけではなく、現代人は自分の体面を保つために、周囲の見知らぬ他者の能力や実力を、いとも簡単に否定する(KM用語で「能弁の罠」)傾向があります。世の連中はつまらない奴らばかりだ、という感覚をいつのまにか自分の身に染み込ませているように思われるます。そのような他者軽視を取ることで、現代人は自分への有能感で満足している可能性があります。瞬間的に、自分に対する誇り、プライドを味わっているのです。
現代人は誰でもそういう感情は持ち合わせているはずですね。 「仮想的有能感」を一種の思いあがりとして解釈すると、自己自身に期待を抱くことで動機づけが高まるように、それがよい方向に作用することもあります。複雑な現代社会の中で自分を確立していくためには、明らかに自己主張が必要なときもあります。このような時、相手への説得を強め、自分の意見を通そうとすればするほど人は他者軽視に直面せざるをえないでしょう。特に動機づけを考えると、ある程度「仮想的有能感」を抱いたほうが行動の推進力が高まるとも言えるかもしれませんね。
この図書を読まれたみなさん、「仮想的有能感」をどのように捉えたでしょうか?
HageOyajiは、今までに進路指導を通してみなさんのような若者と接してきましたが、既に「生きる力」「生き切る力」を持った多くの生徒たちにも出くわしてきました。それ故、逆に「若者を見上げる大人たち」「若者を見直す大人たち」も大変多くいた・・・ことを忘れないで欲しい。
最後に、速水敏彦氏がある雑誌に、「心理学で読み解く若者たちの変化」を記載してますので以下に抜粋しておきます。
≪若者とは摩訶不思議で捉えがたいものだ。彼らは現象的には相反するような二つの顔をもって我々の前に登場するからである。
一つの顔は膨張した自己である。現代の若者はよく言えば物怖じしない、悪く言えば傲慢とも思えるような行動をとる。地下鉄の優先席を目掛けてプラットホームから突進してくるのは、誰よりも壮健にみえる運動部所属の高校生だったり、派手な衣装に身を包んだコンサート帰りの少女たちだったりする。彼らは自分の前に老人が苦しそうな顔をして立っていても平然としている。殺人事件で「人を殺してみたかったから」などと顔色を変えないで言う若者が出現したのも近年のことである。高校がほぼ全入のような世の中になったが、高校中退者もそれに呼応して増大している。しかし、彼らは中退という現実に直面してもあまり動じることなく、「自分には他に良い面があるはずだ」とか「世の中に出れば何とかやっていける」と言ってのける。
他方、彼らのもう一つの顔は萎縮した自己である。昔に比べて今の若者たちは夢をもたない。大金持ちになりたいとか、社長や国会議員になりたいなどという若者は少なくなり、現実的に将来は中小企業で働くだろうと考える人が多くなっていると聞く。さらに、国際比較の心理学的調査でも、自尊感情や有能感といった、自信や自分への満足感を意味する心理傾向は、日本の若者は外国の若者に比べて低い。
さて、どちらが本物の日本の若者像なのか。同じ人物が二つの顔を取り替え引き替え、目の前に現れるとわけがわからなくなってしまいそうになる。≫
みなさん、昨日(22日土曜日)にNHK総合で、ナビゲーション「自分以外は駄目なやつ」という「現代若者気質を考える」番組を見られた人も多かったでしょう。
その中で、「仮想的有能感」という聞きなれない言葉が出ていましたね。これは、速水敏彦氏(名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授)の著書「他人を見下す若者たち」にて提唱された概念です。
HageOyajiも「他人を見下す若者たち」のキャッチコピー「自分以外はバカ」の時代!」と書かれた帯を見て、興味が湧いてきて読んでみました。
≪仮想的有能感≫とは、
過去の実績や経験に基づくことなく、他者の能力を低く見積もることによって生じる本物ではない有能感。自分への満足感や自信が低いのがこのタイプで、上手にできず有能とは認められないにもかかわらず、その失敗の原因を自分以外のせいにし、また、劣等感が強いので周りの人の失敗には敏感で、その機会を捉えて、相手を批判することを通して自分の有能さを回復させたり誇示しようとする仮想タイプ。
その対比語の、
≪現実的無能感≫とは、
仮想的有能感もないが自信もないのがこのタイプで、失敗を全て自分のせいにしてしまい劣等感に苛まれることの方が多い萎縮型タイプ。
著書「他人を見下す若者たち」目次は、
第1章 感情が変わった
第2章 やる気が低下する若者たち
-子どもや若者に蔓延する欝ー
第3章 他者を軽視する人々
-「自分以外はバカ」の時代ー
第4章 自己肯定感を求めて
-「並み以上の感覚
第5章 人々の心に潜む仮想的有能感
-下方比較で安心する
第6章 自分に満足できない人・できる人
第7章 日本人の心はどうなるか
NHK映像の中でも「仮想的有能感」を解説していましたが、簡単にいうと、「自分に肯定的評価をできない自己評価の低い者が、他者をこき下ろすことによって相対的有能感を得る」という現象のことです。こういう現象は確かにあると思います。
しかしこの現象は、若者だけではなく、現代人は自分の体面を保つために、周囲の見知らぬ他者の能力や実力を、いとも簡単に否定する(KM用語で「能弁の罠」)傾向があります。世の連中はつまらない奴らばかりだ、という感覚をいつのまにか自分の身に染み込ませているように思われるます。そのような他者軽視を取ることで、現代人は自分への有能感で満足している可能性があります。瞬間的に、自分に対する誇り、プライドを味わっているのです。
現代人は誰でもそういう感情は持ち合わせているはずですね。 「仮想的有能感」を一種の思いあがりとして解釈すると、自己自身に期待を抱くことで動機づけが高まるように、それがよい方向に作用することもあります。複雑な現代社会の中で自分を確立していくためには、明らかに自己主張が必要なときもあります。このような時、相手への説得を強め、自分の意見を通そうとすればするほど人は他者軽視に直面せざるをえないでしょう。特に動機づけを考えると、ある程度「仮想的有能感」を抱いたほうが行動の推進力が高まるとも言えるかもしれませんね。
この図書を読まれたみなさん、「仮想的有能感」をどのように捉えたでしょうか?
HageOyajiは、今までに進路指導を通してみなさんのような若者と接してきましたが、既に「生きる力」「生き切る力」を持った多くの生徒たちにも出くわしてきました。それ故、逆に「若者を見上げる大人たち」「若者を見直す大人たち」も大変多くいた・・・ことを忘れないで欲しい。
最後に、速水敏彦氏がある雑誌に、「心理学で読み解く若者たちの変化」を記載してますので以下に抜粋しておきます。
≪若者とは摩訶不思議で捉えがたいものだ。彼らは現象的には相反するような二つの顔をもって我々の前に登場するからである。
一つの顔は膨張した自己である。現代の若者はよく言えば物怖じしない、悪く言えば傲慢とも思えるような行動をとる。地下鉄の優先席を目掛けてプラットホームから突進してくるのは、誰よりも壮健にみえる運動部所属の高校生だったり、派手な衣装に身を包んだコンサート帰りの少女たちだったりする。彼らは自分の前に老人が苦しそうな顔をして立っていても平然としている。殺人事件で「人を殺してみたかったから」などと顔色を変えないで言う若者が出現したのも近年のことである。高校がほぼ全入のような世の中になったが、高校中退者もそれに呼応して増大している。しかし、彼らは中退という現実に直面してもあまり動じることなく、「自分には他に良い面があるはずだ」とか「世の中に出れば何とかやっていける」と言ってのける。
他方、彼らのもう一つの顔は萎縮した自己である。昔に比べて今の若者たちは夢をもたない。大金持ちになりたいとか、社長や国会議員になりたいなどという若者は少なくなり、現実的に将来は中小企業で働くだろうと考える人が多くなっていると聞く。さらに、国際比較の心理学的調査でも、自尊感情や有能感といった、自信や自分への満足感を意味する心理傾向は、日本の若者は外国の若者に比べて低い。
さて、どちらが本物の日本の若者像なのか。同じ人物が二つの顔を取り替え引き替え、目の前に現れるとわけがわからなくなってしまいそうになる。≫