HageOyaji通信

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第101話≪来春のセンター試験のポイント(毎日新聞より)≫

2005年08月17日 | 引用伝授
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、8月11日の毎日新聞に≪来春のセンター試験のポイントを聞く≫が掲載されていますが、読みましたか?
 読んでいない受験生のため、アドレスと全文をコピーしておきます。

          

    ≪来春のセンター試験のポイントを聞く≫

平成18年度大学入試センター試験は来年1月21、22の両日、全国700余りの試験場で行われる。今度のセンター試験は新学習指導要領に対応した初めての試験で、出題科目の変更とそれに伴う旧教育課程履修者のための経過措置、「英語」のリスニングテストの実施、時間割りの変更など改正事項が多く、受験生は注意が必要だ。9月に配布が始まる「受験案内」を熟読することが大事だが、その前にセンターの松浦功事業部長に、試験の概要や受験の注意点、ポイントを聞いた。【平野秋一郎】


 --新しい学習指導要領で学んだ高校生が受ける初めてのセンター試験です。試験の概要を教えて下さい。

 高等学校の必履修教科の「国語」「地理歴史」「公民」「数学」「理科」「外国語」の6教科で28科目を出題します。ただし、いわゆる浪人生のような旧教育課程で学んだ人がいるので、経過措置として旧教育課程の内容から出題する5科目を加え、トータルで33科目を出題します。

 --変更点はどこですか。

 学習指導要領の改訂に対応して科目が変わりました。「国語」は従前、「国語I」と「国語I・国語II」の2科目を出題していましたが、「国語」1科目になります。「理科」も「化学IA」「化学IB」がなくなって「化学I」になったように、科目構成が変わって「物理I」「化学I」「生物I」「地学I」「理科総合A」「理科総合B」という6科目になります。「外国語」では「英語」に「リスニングテスト」が加わります。

◇新と旧の違い

 --旧教育課程の内容を学んだいわゆる浪人の人たちは?

 平成18年度大学入試センター試験は、新教育課程の教科・科目の内容による試験問題を受験するのが原則ですが、いわゆる浪人の人たちがいるので、その人たちに対する経過措置を設けました。旧教育課程を履修した人で「希望する者」は、経過措置による科目や問題を解答することができます。

 --自分が学んだ内容の試験を受けられるのですか?

 2つのパターンがあって、1つは「総合理科」「物理IA」「化学IA」「生物IA」「地学IA」の旧教育課程の科目を1年だけ出題して、旧教育課程履修者で希望する人は受けてもよいことにしています。これが5科目あります。本来は新教育課程で受けてもらうのですが、それでは「無理だ」という受験生は旧教育課程の内容でも受けられるようにしたということです。例えば、理科(1)では「理科総合B」「生物I」のところに「総合理科」「生物IA」の問題も出します。問題は同じ冊子に入っています。新教育課程の「理科総合B」と「生物I」の問題と、旧教育課程の「総合理科」「生物IA」の問題を同じ冊子に載せています。受験生は問題を見て、選んで解答してもらいます。2つ目は科目名は変わらないが内容が変わった「数学I」「数学II」「数学II・数学B」と「地学I」で、新教育課程固有の範囲から出題する問題のほかに、旧教育課程の範囲から出題する問題を用意します。

 --それは問題冊子を見れば分るのですか?

 旧の「IA」科目には、試験問題の科目名の上に、「旧教育課程履修者だけが選択できる科目です」と注記し、解答用紙の科目チェック欄にも、「IA」科目のところには「旧教育課程科目」と表示して、網掛けもし、分りやすく区別しています。「数学」では、試験問題の最初のページで「新教育課程履修者」と「旧教育課程履修者」ごとに解答できる問題の別を示し、旧教育課程履修の受験生には別の問題を用意してあるので、そこから選ぶことができると、注意書きを記しています。

 --間違えたら、得点にならないのですね。

新、旧どちらの教育課程を履修しているか、間違えないように。志願票にも新旧の別を記入する欄がある。 自分は新なのか旧なのか、正確に理解してもらうことが大事ですね。「新教育課程履修者」とは高等学校に平成15年4月に入学し、新教育課程を履修して、平成18年3月に卒業見込みの者だけです。留年した人、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)合格者、外国の学校卒業の資格で出願する人などは、すべて「旧教育課程履修者」という区分けをしています。

◇リスニングテスト

 --今度の一番の注目はリスニングテストですね。

 リスニングテストは問題冊子、解答用紙、ICプレーヤー、イヤホン、音声メモリーを全員に配布して行います。試験時間は60分ですが、それはプレーヤーを配布する時間、機器の作動状況の確認や音量の調節を受験生本人に行ってもらう時間を取っているからで、実際の解答時間は30分間です。

 --ICプレーヤーの操作は簡単ですか?

 非常にシンプルにしています。再生機能だけで、巻き戻しも早送りも、一時停止もできません。決められた操作の順序でしか動きません。監督者の指示通りに操作して下さい。「電源ボタンを押して下さい」と言ったら、電源ボタンを押す、というように指示通りやってください。間違って違うボタンを押しても作動しません。ただし、音量調整はいつでもできます。

 --問題を聞いたら、すぐに解答するのですね。問題冊子に解答をメモしておいて、全部終わってから答案用紙に記入するというのはだめなのですね?

 受験案内に書いてありますが、「解答をとりあえず問題冊子に記入しておき、後でまとめて解答用紙に転記する時間は用意されていないので注意して下さい」ということです。音声問題は設問ごとに2回流れ、その都度、解答の間がありますので、1問ごとに解答を記入してして下さい。

 --ICプレーヤーが止まったりはしませんか。

 ICプレイヤーは試験を行う前に全部動くかどうかチェックをしていますし、受験生本人にも解答開始前に動くか確認してもらいますので、解答開始後、プレーヤーが壊れることはないと、私たちは確信しています。それでも、万が一、止まるなど故障があった場合は、試験当日、当初の試験が終わったあとに同じ試験問題で、止まった以降の問題を解答するという方法で再テストを行います。

 --安心していいですね。

 はい。父母、学校の先生にもご理解いただきたいのは、出来る限り条件を整えたということです。高校入試のリスニングテストでは1つのスピーカーから問題を流しています。戸外の音も聞こえます。しかし、センター試験のリスニングテストはどこの席でも同じ条件になるように、受験生1人1人にICプレーヤーを配付して実施します。しかも外部の音の影響を受けづらいようにイヤホンを使うし、自分で音量をいつでも変更することも出来ます。さらに、問題を2回読み上げます。そこまで条件を良くしているので、外の車の音とか、飛行機の音が聞こえても、そのことについては考慮しません。高校入試のリスニングテストよりは格段に良い条件でやっています。その点を是非ご理解いただきたい。

 --環境の音は仕方がないと?

 ただし、受験生には、携帯電話の着信音やバイブレーション、腕時計のアラームなど、音の出る機器は必ずオフにするようお願いしたい。鉛筆で机を叩いたり、足で床を蹴ったりという他人の迷惑になるような音を立てないでいただきたい。監督者も携帯電話を持ち込まないようにしたり、コツコツという音のしない靴を履くようにします。

◇時間割りの工夫

 --これまで初日の1時間目だった「外国語」が、一番後ろに来るなど、時間割りも変わりました。

リスニングテストのICプレーヤーについて説明する松浦部長。 時間割りについてはかなり工夫をしました。今回リスニングテストが入ります。リスニングテストは「英語」の試験ですが、音声を流すという試験の性質上、受験生は途中で席を立つことは出来ません。そこで、事前にトイレに行く時間を設けました。そのため、拘束時間が長くなります。そこで、拘束時間をいかに短くするかを考えました。リスニングテストで機器の故障などがあった場合、当日、リスニングテスト終了後、別のICプレーヤーで再テストを行います。そこでリスニングは1日目の最後に置きました。外国語は17年度の受験生が52万人で一番多く、しかも受験生の席は座席指定なので、「外国語」の前に、「外国語」の次に受験者数が多い50万人の「国語」を行い、その前に37万人の「地理歴史」を、そして31万人の「公民」としました。つまり受験生は朝、一斉に来なくていいことになります。「国語」と「外国語」だけを受ける受験生は午後から来ればいい、というように出来るだけ拘束時間を短くしました。

 --今までは「外国語」を最初に置いていましたね。

 従来の考え方は朝一番にたくさん集めて、終わったら帰ってもらうという考え方でした。だから1日目は「外国語」2日目は「国語」をトップに置いていました。平成18年度試験はリスニングテストを最後に持っていくしかないということで、受験生が徐々に増える方法を採用しました。

 --「理科」は「数学」の前後に分かれましたね。

 2日目については、16年度、17年度の試験で、「生物」の受験生が長時間待つという問題がありました。「物理」「化学」を受験しない「生物」の受験生の場合、「地理歴史」が終わるのが12:35、その次が「物理」「化学」なので待ち時間になり、「生物」の始まる17:20まで長時間、試験室の外で待つしかなかったのです。この点について、高等学校の先生方から「何とかしてほしい」と要望がありました。17年度試験では、「理科」を3科目受験した受験生は約2万7000人、「理科」全体の7%でした。そこで「理科」3科目を並べなくても、受験生の多い「数学」を真ん中に置いた方がいいと判断しました。その次に「理科」で一番受験生の多い「化学」を真ん中に置き、一番前と一番後ろに「生物」「物理」「地学」を置きました。そういう組み合わせにすると、「理科」3科目を受けない受験生は4コマ以下の受験で済みます。この方法が一番受験生の拘束時間を短く出来ると考えました。

◇受験票紛失 5000件

 --受験票を忘れたり、なくしたりする受験生が多いそうですが。

 はい、約5000件あります。

 --5000件ですか? なくしてしまうんですか。

 受験票を「なくした」と約5000件の再発行依頼が来ますが、多くの場合、センター試験が終わった後、「終わった~ッ」と捨ててしまうケースです。センター試験の受験を課している大学では、2次試験の出題や入学手続きに受験票が必要なんです。

 --なくしたという問い合わせには、どう答えるのですか。

 センターでは「受験案内に対処方法が書いてあるので、見て下さい」と言うのですが、「それも捨てちゃいました」と言う受験生が多いです。仕方がないので「センター試験を受けた大学に行くか、友達に見せてもらいなさい」と言います。そこでセンターでは「受験案内と受験票は入学手続きが終わるまで保管してして下さい」と呼びかけ、高等学校の先生方にも「学校で徹底して下さい」とお願いしています。

◇自分で確認を

 --問い合わせはほかにもありますか。

 2番目に多いのが、「受験科目をマークし忘れたかも知れない」「名前を書かなかったかも知れない」「どうしましょうか」という問い合わせです。試験後に1300件くらいあります

 --忘れた、書かないって、そんなに難しいことなのですか。

受験生のために「思いつく限りの工夫をしています」と語る松浦部長。 選択科目がある場合には、解答用紙に、どの科目を受けたかをマークする「解答科目欄」があります。同じ試験時間に、同じ解答用紙を使って複数の科目の試験が行われるので、正確にマークしないと、成績を評価できません。名前や受験番号を書く欄もあります。ところが、それを忘れたとか、忘れたかも知れないと聞いてこられるんです。だから、書き忘れが起きないように、工夫をしています。普通の試験では「始め」という指示があってから、名前、受験番号を書いて、解答を始めますね。しかしセンター試験では解答用紙を配ったら、まず、「受験番号を記入しなさい」「名前、試験場コードを記入して下さい」「受験科目にマークを正しくしなさい」と、試験前に必ず書くよう指示をしています。さらに、試験終了後にもう1度、「解答科目欄を正しくマークしているかどうか、確かめて下さい。違っていたり、書いてなかったりしたら、訂正を認めます」ということまで言っています。それでもなお、約1300件の問い合わせがきます。

 --どう答えるのですか。

 「あなたがマークした通り採点します」と答えます。選択科目をマークしていなければ、何の科目を解答したのか分らないので、零点になります。

 --受験生本人の問題ですね。

 そうです。自己責任です。センターは、試験の時間以外に必要事項を書き、確認する時間を設けています。それでも出来ない受験生がいます。

 --不注意とか、ケアレスミスのレベルではないですね。

 試験当日、試験場への道を間違えたとか、分らなくなった、どうしたらいいでしょう、と電話してくるケースも多いですね。「どうしたらいい?」と言われても、何とかして試験場に行ってもらうしかありません。受験案内には事前に道順や会場を下見してほしい旨を記載しています。そして1時間目は20分前、あとは10分前には入室しなさいと指示しています。それでも、交通機関のトラブルなどもないのに遅れて、受けられないという受験生がいます。間に合っても、息せき切っていては、十分なコンディションで受けられません。ぜひ、余裕を持って到着してほしいです。そのためには必ず試験会場と道順の下見をして下さいと言いたいですね。

 --受験では下見、道順の確認は鉄則ですよね。万が一の場合の、別ルートも。

 受験票には最寄の駅は何線の何駅と書いてありますし、そこからのバスの路線、道順も記してあるんですが、思い込みで違うところに行ったりする受験生がいます。大学によってはキャンパスが複数あるので、思い込みで違うキャンパスに行くケースがあります。受験票をよく見れば間違えないのですが。

◇電話に応対して下さい

 --センターには大量の問い合わせ電話が来るんですね。大変ですね。

 こちらから問い合わせる場合も大変なんです。志願票には確認する時のために自宅、連絡先の電話番号を書いてもらいます。しかし、最近は携帯電話の番号を書く人が増えました。すると、センターから電話すると、自分の知らない電話番号だからと出ない。何回電話をしても出ないということがよくあります。だから、なるべく固定電話の番号を書くように言っていますが、下宿している生徒などは携帯電話の番号しか持っていないのが現状です。

 --センターの発信番号は。

 03-3465-8600と、受験案内の表紙にも書いてあるので、これを覚えておいていただきたい。

 --固定電話なら大丈夫ですか。

 ところが、固定電話でも問題があるんです。本人宛てに電話をすると、お母さんが出ることがあります。「大学入試センターですが…」と言うと、「うちはいりません」と切られてしまうんですよ。受験産業と間違えられることもあります。

 --そういう場合はどうするんですか?

 何回も電話します。もちろん伝言も残しますが、伝言を聞いて、折り返しかけてくれない限りは、何回でもかけるしかありません。

 --そこまでサービスしなくても?

 父母の皆さんには「電話を切らないで」とお願いしたいですね。もうひとつは、センターへの問い合わせは父母でなく、受験生本人にさせてほしいということをお願いしたいですね。父母が問い合わせてくると、要領を得ないことが多いんです。問い合わせの電話の横に受験生本人がいるようだったら、代わってもらいます。問い合わせは必ず本人にお願いしたいし、検定料の振り込みも本人にやってもらいたいと思います。というのは、親自身の名前で振り込む人が結構いるんです。志願票に親の名前が書かれているケースもあります。

◇受験案内をよく読んで

 --今までお話いただいたことは全部、「受験案内」に書いてあるんですね。「受験案内」もずい分、工夫されたそうですね。

 以前は、「受験案内」の文章中で注意すべきところは太い線をつけたり、下線を引いたりしていました。しかし、今年は、ゴシック表記や下線は極力避けました。重要な内容があまりに多く、視覚上の強調をすることで、かえって紙面が雑然として、読みづらくなりかねないと考えたからです。太線のところだけ読む受験生もいますし。受験生は、よく読んで自分で必要なところにはマーカーで印を付けたりしてもらいたいですね。また、裏表紙には、緊急事態の時の対処法が書かれたページの一覧を載せました。

◇8万人が監督

 --試験の監督者は?

 平成17年度試験では、712試験場、8438試験室で行い、運営、監督の教職員は8万人に上りました。大学の担当者には8月に全国7地区で説明会を実施し、12月にも東京で説明会を行います。この説明会を受け、各大学において監督者に説明会を実施します。試験室では10分くらいの時間で、用紙を配ったり、説明したりするので、要領よくやってもらい、指示すべきことが漏れないようにするため監督者のためのマニュアル「監督要領」を全監督者に配ります。「監督要領」には、入室時間や開始時間、受験生への指示の言葉がひとつひとつ記されています。監督者によって指示の言葉を違ったり、言葉のニュアンスの違いで不公平が生じたりしないようにするためです。

 --大変ですね。

 受験生のために思いつく限りの工夫をしています。受験生には、是非、受験案内をよく読んで、試験では実力を存分に発揮していただきたいと思います。

                

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