日本のタクシーは恐らく世界一安全で快適な交通手段ではないかと思ったのは、シンガポールに赴任していたときのことだった。日本では私は一度も経験したことがない、「乗車拒否」を一体何度されたことか分からない。
特に、運転手たちのシフトが変わる時間帯は、家に帰りたい運転手が行き先を選ぶため、帰宅方向でない乗客はまず断るそうだ。カミさんがシンガポールに旅行に来るというので、飛行場に迎えにいったときのことだった。到着時間が午後4時ころだったので、少し早めに飛行場に着いていようと、2時半頃通りに出て、タクシー乗り場に行った。
飛行場までタクシーで30分もかからないだろうから、十分間に合うと考えてのことだったが、この考えが甘かった。タクシーは通るのだが、こちらが手を上げても無視して通過していく。たまにスピードを落として近寄って来ても、運転席の窓を開けて行き先を聞いてくる。
チャンギ空港まで、と伝えると首を横に振って窓を閉め行ってしまうのだ。何台も何台も同じことを繰り返し、時間だけが過ぎていった。場所が悪いのかと思い、50mほど先にある別のタクシー乗り場に移動してみたが、結果は同じで、そこでも3台ほどに乗車拒否された。
一体この国はどうなってるんだ!!怒りばかりがこみ上げてきて、やりきれない気持ちになってきた。私のほかにもタクシーを待つ人は後ろに並び始め、タクシーが近づいてきて、運転手が窓を開けると、一斉に行き先を告げるようになってきた。
結局タクシーを拾うのに1時間以上費やし、なんとか「親切でありがたい」タクシーにめぐり合えた時は、私の背中は汗でびっしょりだった。悪いことは重なるもので、カミさんの乗った飛行機は予定より15分ほど早く到着して、到着ロビーに私が着いたときは、カミさんが一人ポツンと座って不安そうな顔で私を待っていた。
何でも便利で、快適な暮らしを味わえるシンガポールというイメージを抱く人が多いと思うが、どうも私にはソリが合わなかった国だ。昼休みにヤフーのニュースを見ていて、「シンガポールの建国の父が危篤状態」という速報を見ていて、当時のタクシーの乗車拒否経験を思い出してしまった。
特に、運転手たちのシフトが変わる時間帯は、家に帰りたい運転手が行き先を選ぶため、帰宅方向でない乗客はまず断るそうだ。カミさんがシンガポールに旅行に来るというので、飛行場に迎えにいったときのことだった。到着時間が午後4時ころだったので、少し早めに飛行場に着いていようと、2時半頃通りに出て、タクシー乗り場に行った。
飛行場までタクシーで30分もかからないだろうから、十分間に合うと考えてのことだったが、この考えが甘かった。タクシーは通るのだが、こちらが手を上げても無視して通過していく。たまにスピードを落として近寄って来ても、運転席の窓を開けて行き先を聞いてくる。
チャンギ空港まで、と伝えると首を横に振って窓を閉め行ってしまうのだ。何台も何台も同じことを繰り返し、時間だけが過ぎていった。場所が悪いのかと思い、50mほど先にある別のタクシー乗り場に移動してみたが、結果は同じで、そこでも3台ほどに乗車拒否された。
一体この国はどうなってるんだ!!怒りばかりがこみ上げてきて、やりきれない気持ちになってきた。私のほかにもタクシーを待つ人は後ろに並び始め、タクシーが近づいてきて、運転手が窓を開けると、一斉に行き先を告げるようになってきた。
結局タクシーを拾うのに1時間以上費やし、なんとか「親切でありがたい」タクシーにめぐり合えた時は、私の背中は汗でびっしょりだった。悪いことは重なるもので、カミさんの乗った飛行機は予定より15分ほど早く到着して、到着ロビーに私が着いたときは、カミさんが一人ポツンと座って不安そうな顔で私を待っていた。
何でも便利で、快適な暮らしを味わえるシンガポールというイメージを抱く人が多いと思うが、どうも私にはソリが合わなかった国だ。昼休みにヤフーのニュースを見ていて、「シンガポールの建国の父が危篤状態」という速報を見ていて、当時のタクシーの乗車拒否経験を思い出してしまった。