職場のベテラン女子社員が、今月の連休明けからずっと休み続けている。
様々なデータ入力から、資料作成など事務系の業務なら大抵の業務をこなす50代のベテラン社員である。
休み始めた頃は、風邪らしいと聞いていたが、さすがに3週間も休みが続いていると、気になるので再度彼女と同じグループの事務員に、それとなく聞いてみた。
すると、彼女は、「どうもここらしいよ・・・。」と言いながら、右手で自分の胸をトントンと叩いた。
「肺炎?」と私が聞くと、ううんと頭を振って、「心みたい・・・」と言うのであった。
詳しく聞くと、どうも精神的に少し参ってしまって、出社できない状態に陥っているそうだ。それは、今年の2月頃から始った職場の業務再編成が影響していた。
定年でベテランの社員がグループから去り、補充がないまま残った人員で業務を割り振ったまでは良かったが、すぐその後に、人事部からの通達で、派遣社員の女性を一人別の関連会社に移すことに決ったのだった。
その結果、これまで定年間際のベテラン男性が担当してきた、客先からの部品補給の要求への対応や、客先からの問い合わせを一手に受け付ける担当になったのだった。それには、ある程度の専門知識が要求されるのと、顧客のわがままな要求を要領よくかわす会話テクニックが必要な業務であったという。
ところが、彼女の性格は几帳面で、曖昧な言い方を得意としない方であったそうだ。また、彼女のグループでは4月頃から、深刻な市場クレームの問題が発生していて、男性社員たちは、毎晩遅くまで残業していて、技術的な助言を頼むような状況ではなかった。
頭脳労働から感情労働へ
そうこうしている内に、彼女の精神状態は次第に落ち込んでいき、連休前のある日、具合が悪いと言って昼過ぎから医務室で休んでいた事があったそうだ。
それまでの彼女の業務は、対外的に顧客との接触は皆無で、今回が初めての体験であった上に、上司からは顧客にはいい加減な回答は決してしないように、と強く釘を刺されていたそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/ed/4e7e70b54d9d6fee441702a54ca1daf8.jpg)
頭脳労働に長いこと従事してきたベテラン社員が、ある日を境に自分の感情を押さえ込む必要のある感情労働に転向させられた結果の、実に不幸な出来事である。
職場のセクハラ、パワハラと同様、目に見えない職場の病理は今日本中に広がっているそうだ。
比較的私と近い世代であった所為か、気軽に話しかけてくれた彼女には、私もいろいろ分からないことを教えてもらった。燃え尽きることなく、明日から元気に出社してくれることを祈るばかりである。
様々なデータ入力から、資料作成など事務系の業務なら大抵の業務をこなす50代のベテラン社員である。
休み始めた頃は、風邪らしいと聞いていたが、さすがに3週間も休みが続いていると、気になるので再度彼女と同じグループの事務員に、それとなく聞いてみた。
すると、彼女は、「どうもここらしいよ・・・。」と言いながら、右手で自分の胸をトントンと叩いた。
「肺炎?」と私が聞くと、ううんと頭を振って、「心みたい・・・」と言うのであった。
詳しく聞くと、どうも精神的に少し参ってしまって、出社できない状態に陥っているそうだ。それは、今年の2月頃から始った職場の業務再編成が影響していた。
定年でベテランの社員がグループから去り、補充がないまま残った人員で業務を割り振ったまでは良かったが、すぐその後に、人事部からの通達で、派遣社員の女性を一人別の関連会社に移すことに決ったのだった。
その結果、これまで定年間際のベテラン男性が担当してきた、客先からの部品補給の要求への対応や、客先からの問い合わせを一手に受け付ける担当になったのだった。それには、ある程度の専門知識が要求されるのと、顧客のわがままな要求を要領よくかわす会話テクニックが必要な業務であったという。
ところが、彼女の性格は几帳面で、曖昧な言い方を得意としない方であったそうだ。また、彼女のグループでは4月頃から、深刻な市場クレームの問題が発生していて、男性社員たちは、毎晩遅くまで残業していて、技術的な助言を頼むような状況ではなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/13/0dbcbb3e4095a8c0bee4d7d5c7c81701.jpg)
そうこうしている内に、彼女の精神状態は次第に落ち込んでいき、連休前のある日、具合が悪いと言って昼過ぎから医務室で休んでいた事があったそうだ。
それまでの彼女の業務は、対外的に顧客との接触は皆無で、今回が初めての体験であった上に、上司からは顧客にはいい加減な回答は決してしないように、と強く釘を刺されていたそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/ed/4e7e70b54d9d6fee441702a54ca1daf8.jpg)
頭脳労働に長いこと従事してきたベテラン社員が、ある日を境に自分の感情を押さえ込む必要のある感情労働に転向させられた結果の、実に不幸な出来事である。
職場のセクハラ、パワハラと同様、目に見えない職場の病理は今日本中に広がっているそうだ。
比較的私と近い世代であった所為か、気軽に話しかけてくれた彼女には、私もいろいろ分からないことを教えてもらった。燃え尽きることなく、明日から元気に出社してくれることを祈るばかりである。