孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

感情労働の重圧・・

2016年05月29日 | 社会観察
職場のベテラン女子社員が、今月の連休明けからずっと休み続けている。

様々なデータ入力から、資料作成など事務系の業務なら大抵の業務をこなす50代のベテラン社員である。

休み始めた頃は、風邪らしいと聞いていたが、さすがに3週間も休みが続いていると、気になるので再度彼女と同じグループの事務員に、それとなく聞いてみた。

すると、彼女は、「どうもここらしいよ・・・。」と言いながら、右手で自分の胸をトントンと叩いた。

「肺炎?」と私が聞くと、ううんと頭を振って、「心みたい・・・」と言うのであった。

詳しく聞くと、どうも精神的に少し参ってしまって、出社できない状態に陥っているそうだ。それは、今年の2月頃から始った職場の業務再編成が影響していた。

定年でベテランの社員がグループから去り、補充がないまま残った人員で業務を割り振ったまでは良かったが、すぐその後に、人事部からの通達で、派遣社員の女性を一人別の関連会社に移すことに決ったのだった。

その結果、これまで定年間際のベテラン男性が担当してきた、客先からの部品補給の要求への対応や、客先からの問い合わせを一手に受け付ける担当になったのだった。それには、ある程度の専門知識が要求されるのと、顧客のわがままな要求を要領よくかわす会話テクニックが必要な業務であったという。

ところが、彼女の性格は几帳面で、曖昧な言い方を得意としない方であったそうだ。また、彼女のグループでは4月頃から、深刻な市場クレームの問題が発生していて、男性社員たちは、毎晩遅くまで残業していて、技術的な助言を頼むような状況ではなかった。

 頭脳労働から感情労働へ

そうこうしている内に、彼女の精神状態は次第に落ち込んでいき、連休前のある日、具合が悪いと言って昼過ぎから医務室で休んでいた事があったそうだ。

それまでの彼女の業務は、対外的に顧客との接触は皆無で、今回が初めての体験であった上に、上司からは顧客にはいい加減な回答は決してしないように、と強く釘を刺されていたそうだ。



頭脳労働に長いこと従事してきたベテラン社員が、ある日を境に自分の感情を押さえ込む必要のある感情労働に転向させられた結果の、実に不幸な出来事である。

職場のセクハラ、パワハラと同様、目に見えない職場の病理は今日本中に広がっているそうだ。

比較的私と近い世代であった所為か、気軽に話しかけてくれた彼女には、私もいろいろ分からないことを教えてもらった。燃え尽きることなく、明日から元気に出社してくれることを祈るばかりである。



東京も焼け野原にしたよな?

2016年05月29日 | 政治ネタ
ドイツに落としてやろうと開発したのだが、すでにドイツは降参していた。

瀕死の日本も降参しそうだから、その前に新型爆弾を完成させてソ連に見せ付けたかった米国は、1945年7月に完成したばかりの三発の一つをニューメキシコ州の砂漠で試した。

実験成功の報告を受けたトルーマン大統領は、7月24日に新型爆弾開発成功、日本に落とすとソ連のスターリンに伝えた。

8月5日にフィリピン東のサイパン島近くにあるテニアン島の基地において、B29爆撃機「エノラゲイ」にウラン型原子爆弾「リトルボーイ」を積み込んだ。そして、翌日8月6日にエノラゲイはテニアン基地を飛び立ち、日本時間の1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分に広島市に投下し数万人の命を一瞬に奪い、市内を焼け野原にしたのだった。

しかし、この5ヶ月前には、つまり原子爆弾がまだ完成していなかった1945年3月9日深夜から10日にかけて、米軍は首都の東京を奇襲して、2時間のうちに10万人の非戦闘員の命を奪い、被害者総数は100万人、女・子供・老人の住む東京の街を焼け野原にしたのだった。

 東京大空襲の成果


この東京の空襲にむけて、米国は事前にどうすれば東京を壊滅させることができるか、しかも最小の犠牲で・・・、と熱心に研究していたのだった。

ハワイから日系人を本土に呼び寄せ、日本家屋を造って中には障子やふすまを貼り、タンスや日本人が使う家具を揃えた「街」を完成させた。

 2時間の空襲の成果

関東大震災の被害状況なども参考にして、最も効率の良い東京撃滅方法を研究した結果、爆発力に頼らず、火災を起こして焼き尽くすのが効果的という結論に達し、「M69焼夷弾」を開発した。焼夷弾(しょういだん)とは、発火性の薬剤を詰めた爆弾である。

ナフサという石油精製物質に、ネバネバする、アブラ椰子から取ったパーム油を混ぜて主原料としているため、衣服や木材などに付くとその粘着性の為に取り難いという特徴があり、燃えると非常に高温で酸素を大量に消費するため、周囲を酸欠状態にしてしまうという効力もある。

ナフサとパーム油が原料なので、ナパーム弾と呼ばれているようだ。余談だが、ベトナム戦争を描いたコッポラ監督の「地獄の黙示録」という映画の中で、米軍がジャングルをナパーム弾で爆撃したとき、近くにいた米軍士官がその香りに恍惚となる、といったセリフを吐くシーンがあったのを記憶している。

この焼夷弾は、投下時には各容器が一つの束にまとめられており、投下後に空中で散弾のように各容器が分散するようにされていたため、「束ねる」という意味を込めて「クラスター焼夷弾」と呼ばれた。クラスター(cluster)とは、(ブドウの)房、集団、塊という意味の単語である。

8月になると毎年広島・長崎の原爆投下のことが話題になるが、その5ヶ月前の3月10日に起きた東京大空襲(ほとんど虐殺というものだったと思うのだが)については、まるで忘れられたようで私は不満である。

知れば知るほど、その悲惨さ、冷血さ、残酷さについては、原爆に勝るとも劣らないと思うのだ。










オバマのレガシー(業績)とは?

2016年05月29日 | テレビ・ラジオ
広島に出向いて平和記念公園で、キョロキョロ、パクパクの朗読をしたアメリカのオバマ大統領のことを、日曜日の朝の報道番組の出演者達は、感動した、中身が格調高かったなどなど絶賛していたのは、予想通りだった。まったくお目出度い国民である。

フジテレビの番組にゲスト出演していた民維新党の前原誠司氏まで、オバマ大統領の演説に「感動した!」と言っていたのには、噴出してしまった。

口先だけと揶揄される日本の政治家が、演説のみで大統領になり、演説でノーベル平和賞を受賞した、何の実績もない口先だけの大統領の朗読に「感動した」そうだ。



TBSの日曜朝の偏向番組でも、法政大学の学長という着物を着たオバ様が、「非常に格調の高いスピーチだった。」と英文原稿を引用して絶賛していたのには、少々意外だった。

それにしても、17分の朗読は長すぎなかったか?



一言、「安らかに眠ってください。私たちは過ちをくり返しませんから。」と言うだけで十分ではなかったか?

これは、謝罪ではない。あったことをありのままに言うだけである。これだけで十分オバマ大統領のレガシーとして、後世に語り継がれることになったのではないか。