GSゲルマニウム原人の退屈な日々

見わたせば、気になることばかりなり・・

ブルースセッションでもどう?

春の匂い

2006年04月11日 08時44分30秒 | 徒然なるままに
何が好きって、グリーンピースご飯

私にとっての春の一品はグリーンピースの入ったご飯なわけだ。こればっかりはさやに入っているとかむいてあるとか、まぁようするに缶詰のではなくってフレッシュな奴でなくては美味しくないので、もう春限定。
うっすらと塩味でやや青い香りのグリーンピースがたくさん入っているともう幸せ♪

春は青々してほろ苦い蕗の薹とかたらのめとかの山野草を食べて、冬の間保存食品やビタミンの不足した食生活を改善しようとする為に知恵として食べてきたそうだけど、現代はそう言った意味はあまり必要ないのだろう。
ただ、それでも季節感を味わう山野草は人間が自由に栽培出来るという物でもないだろうし、出来た所でそれほど一年中需要があるという物でもなさそうなのでいまだに自生の物で十分に足りているのかも知れない。(例の旅館で土筆ん坊食べたなぁ)

実はそれほどその手の野草の天ぷらとかワラビゼンマイの煮た奴とかが好きではないからちゃんとした料理店で出されれば「あ~春だねぇ」とか一応の能書きは垂れたりはするけれど「お気に召しましたか?じゃぁおかわりを」なんて言われちゃうのも実は困ったりしてしまう。以前、バンド関係で行った所で大皿いっぱい山盛りでたらのめの天ぷらを出された事があるが、そう言った食べ物じゃぁないよな?東京の人間には一つ二つありがたそうに食べるので十分なのだ、土の臭いや緑の臭いとかほんの少しでいいんだ、満腹になるまで森の青い空気を吸いたくはない。

東京とかいわゆる都会に対して「自然て素敵!」な地域の人からは季節感はないし人間が多すぎて正しい人間の暮らす場所じゃないとかって言われそうだけど、生まれも育ちも代々東京で、東京こそが故郷の人間には「カチン」と来るわけだ。一時東京で暮らして、その後Uターンして「やっぱり田舎暮らしが良いわぁ」とかよく言われるけどね、こちとらだってたまに地方に行って2~3日は良いけど「やっぱ東京がいいや」って思うわけだよ。

30年40年前には春がやってくると近所の工場の寮には、坊主頭のリンゴみたいなほっぺたのあんちゃん達が大勢大きな荷物を持って学生服でやってきた。そして窓から顔を出して、東京の空を眺めていた。彼らは夏になると田舎に帰って笹団子やなんかをおみやげに持ってきてくれたりもした、秋になって冬になって次の春が来る頃には居なくなっている子も大勢いた、やっぱ、国に帰って東京は住みにくいねぇとか言ってるんだろうか。

工場の町でアスファルトに覆われた地べただけど、たぶん地方の人には解らないと思うけど工場の旋盤や切り子にも季節はあるんだよ、春先は機械の手触りとかも違うし、春は鉄まで匂うんだ、季節感は田舎の専売特許じゃないんだよ。そんな町じゅうが工場の地域に産まれた子供は鉄の臭い油の臭いが実はかなり好きだったりする。

オヤジが工場のシャッターをあけて、近所の工員達と立ち話をしている。そんな足元にだって春はやってきた、油まみれの作業着や安全靴、低い音を立ててうなっている電信柱のトランス、工場の黒板にチョークで書いた三角関数の計算式にだって春はもちろん、夏も秋も冬もちゃぁんとやってきた。その現れ方が山から吹いてくる風や小川の流れる音とのように分かりやすい絵に描いた様な物とは違うけど、東京には東京の工業地帯には工業地帯の季節感て言う物がちゃんとあるんだ。

東京もすっかり春です。そう、季節の感じ方って色々なんだよ。
コメント (9)
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