フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

直ぐそこにある災害

2011-03-11 | 日記

今日は、新車の6カ月点検の日だ。10時過ぎ、甲府にあるディーラーを目指して家を出る。昼食時に近くなったので以前から行ってみたいと思っていたインド料理レストラン「マサラ・アート」へ行く。


平日の昼は、ランチバイキングとなっている。店に入ると、人懐っこそうなインド人のコックさんが笑顔で「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。
料理は、3種類のカレールー、生野菜、ご飯、ナン、チャイが全てお代わり自由となっている。3種類のカレーは辛い、普通、甘いと言った味付け。普通のカレーはB級グルメにあやかった鳥モツが入っていた。

 

 

さすがインド料理の店とあって、カレーの味が豊かだ。お代わり自由の熱々のナンも美味しかった。チャイも甘くてなかなかだ。

ディーラーに行き、1時間で作業は終了。エンジンオイル、オイルエレメントを交換した。車は、室内の掃除したうえ車体も洗ってくれていた。

その後、折角甲府にきたので、「山梨県立美術館」へ寄ることにした。前から見たかったミレーの作品が展示されている。入り口では「県立文学館」とセットの入場券が売られていたので、それを買って入館する。

ミレーの「落ち穂拾い」「種まく人」は、子どものころから良く美術の本に出てきた作品だが、現物を見るのが初めてだ。「種まく人」の農民の躍動感は昔から好きな作品。もちろん岩波文庫の表紙にも使われていてなじみがある。この作品を観ると、特に関係があるわけではないが「播かぬ種は生えぬ」という言葉が口を衝いて出てくる。

ミレーの作品に見とれていると、妻が「揺れている」と言いだした。係の女性にそのことを言うと「そうですね」という返事。その後建物が揺れ出したので、係の女性から、「危険ですのでロビーに出てください」と誘導される。非常口がどこか分からない。ロビーは広い空間で「ここなら大丈夫ですね」と行っていると建物が大きく揺れ出した。揺れている時間はどれくらいあったのか、かなり長い間大きく揺れている、と感じられた。その後、主任の様な女性が顔を青くして、「安全のため、館外に退出してください」と言われる。どうも震源地は東北・宮城県のようだ。

館外の広場で待機していると、「館内を点検するのでしばらくここで待ってほしい」と言われたが、家のことが心配になったので、美術館見学を打ち切り、ただちに清里に帰ることにする。地元のAさんに携帯を入れても全くつながらない。

途中のラジオ放送を聞くと、岩手・宮城・福島沖でマグニチュード7.8の大きな地震が発生し、被害が広がっているとのことだ。中央道は通行止めになている。141号線に入ってからは、信号機が点灯しなくなった。停電したようだ。これは「やばい」と思っている矢先、強い雪も降り始めてきた。

アダージョの森に帰り、家の中を点検すると、特に被害はなかった。早速、ラジオのスイッチをいれて状況を確認する。北杜市全体が停電しているようだ。その間も断続的に余震があった。

早速、防災セットを用意する。飲料水、コッヘル、ガスバーナーと燃料、インスタントラーメン、お菓子、缶づめ、シート、ペーパー、タオル、懐中電灯、バンドエイドなど一式をリュックに詰める。

我が家は井戸などで、電気が止まると電磁調理機と水が使えなくなるのが痛い。水は、常に20Lの飲料水を備えているので、こんな時は安心だ。お風呂にも水を溜めているので、下水もしばらくは大丈夫だろう。調理は、ガスボンベを使う。灯りは、キャンプ用のランプを用意する。

5時30分を回ると暗くなってきたので、明るいうちに夕食を食べておくことにする。昨日作った粕汁と炊き込みオコワが残っているのでそれを食べる。


食後は、しばらくランプの灯を頼りにラジオを聞く。空前絶後の大規模な震災と繰り返し報道されているが、画像が見えないのでよくわからない。

停電はいつ復旧するか全く分からないので、明日に備え身体を休めておくため早々に床に着いた。外を見るといつもは見える道路の街灯はもちろん消えている。ニュージーランドで震災被害が起こったばかりだが、遠いよその国の話ではなく、まさに災害は直ぐそこにやってきたのだ。あたりにはまだ雪が残っていて、空には月と星が明るく輝いていた。


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