山田朗先生の『昭和天皇と皇弟たち』を聞いていると、非常にいろいろな発見がある。
その第一は、昭和天皇は、日本、世界のすべてを知っていたということだ。
多くの国民は、天皇は君側の奸によって日本国の実情から妨げられていて知らないと思っていたが、まったく逆だった。
この誤解の上でクーデターをやったのが、2・26事件の青年将校らだったわけで、実に悲劇的なことだった。
太平洋戦争期になるとそれは、さらに進み、ミッドウェー海戦の大敗北を、東條英樹首相が知らなかったのは有名で、そのために東條は、軍令も自分の手にいれた。
このために、「これでは東條幕府だ」と批判されたほどだ。
もちろん、昭和天皇はすべてを知っていて、ミッドウェー戦の直前の珊瑚海海戦は、ほぼ引き分けだったのだが、「こういう時は、徹底的に戦って勝つべきだった」と的確な指摘をしている。