指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

内ゲバの馬鹿馬鹿しさの例

2021年05月29日 | 政治
先日、見た『君が死んだあとで』でも出てきたのが、中核と革マルの内ゲバ事件である。
他にも、革マルと解放派、あるいはブント内部のもあったが、主なものは中核と革マルのものである。
それは、両者が革命的共産主義者同盟という、思想グループだからだと思う。
ある思想が正しいか、間違っているかは、それに感化される人間の多さだろうと思うが、それには時間が掛かるので、短期的には論争と衝突に行き着く。
そして、その最後は殺し合いである。
思想のために殺し合うなど馬鹿馬鹿しさの極限だが、当事者には大問題である。

            
私の友人にも、内ゲバの被害にあった男がいる。
映画研究会にいたK君で、普通の映画ファンだった。
早稲田の文学部にいたので、いつの間にか革マル派の活動家になった。
そして、いつからか非公然の活動家になり、地下に潜伏したそうだ。
そこでなにをやっていたかは知らない。
その結果を聞いたのは、同じ映研のN君からである。

彼も、あるとき偶然にKと会ったそうだが、なんと彼の目は、上下についていたとのことでびっくりしたそうだ。
そりゃそうでしょう、普通、人間の目は左右に広がっているのだから。
Kは、革マルだったわけだが、ある日中核に襲われ、頭が割られてその結果、目が上下になってしまったのだそうだ。
なぜ、Kが中核の襲われたかと言えば、あるとき、孤独故からか実家に電話してしまったのだそうだ。
そこから、中核の部隊も捜索して、Kの居場所を突き止め、そして襲撃されたのだそうだ。
まことにバカバカしいことと言うしかない。
また、K君曰く、「日本では大都市、100万人以上の都市に住めば、絶対に知合いに会うことはない」そうで、彼も大都市のアジトを転々としていたそうだ。
日本の新左翼運動を潰したのは、この革マルの黒田寛一と、連合赤軍の永田洋子だったと私は思っている。


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