指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『火の鳥』

2007年04月15日 | 映画
伊藤整の小説の映画化。監督は井上梅次。
英国人との混血児月丘夢路は、その類稀な美貌から新劇女優として活躍する。
三橋達也、伊達信、仲代達矢、大坂志郎らとの恋愛遍歴の後、最後映画女優として自立して行く。
三橋との戦中期の戦争協力の巡回演劇での恋から始まり、薔薇座の演出家伊達信(この人は誰か分からず、岩下志麻の父の野々村潔かと思ったが調べると伊達だったが、早く亡くなったので作品が少ない)、若手映画男優で月丘が惚れてしまう仲代、さらに劇団の裏方の大坂からは密かな愛を打ち明けられるが、いずれとも別れる。
仲代が大学生で月丘との恋と共に、仲間の中原早苗と出来ていて、左翼で砂川事件で逮捕されたり等の挿話も面白い。
時々でロシア民謡が歌われるのが時代である。
この作品は、仲代の本格的映画出演作品としても有名であるが、この映画をきっかけに月丘夢路が監督の井上梅次と知り合い結婚した。
その後、井上は裕次郎映画で大ヒットを連発するが、何故か日活を追われる。
日活社長の堀久作が月丘に惚れていて、井上が月丘を取ったので怒ってクビにしたという噂がある。



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