指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『原子力潜水艦浮上せず』

2020年04月21日 | 映画


1978年のアメリカ映画、原子力潜水艦がニューロンドンの基地に戻る途中に貨物船と衝突し船尾を破損し海底に沈んでいく。
当時、アメリカでは「災難映画」がヒットしていて、これも一種のデイザスターものである。
艦長のチャールストン。ヘストンは、これが最後の航海で、艦内ではそれを祝おうとしている時に、衝突が起き、皆艦内にたたきつけられる。
いろんな策を講ずるが、浮上できず、ついに潜水艦の救助船が西海岸から運ばれてくる。
だが、地滑りが起きて、さらに深く落ち、潜水艦は横倒しになり、ハッチも土砂に埋まってしまう。
ハッチの上の土砂をどけないと救助船が行ってもハッチを接合できず、救助できない。
そこで、持って来られるのが、二人乗りの小型潜水艦で、変人のデビット・キャラダインが操縦している。
ここに乗りこんでくる助手が、デブのネット・ビテイーなのがおかしい。
デビット・キャラダインとネット・ビテイーは、上手く操縦して土砂を取り除くが、再び地滑りが起きて、大きな岩が乗ってしまう。
すると、今度は爆弾を岩において爆破させて、艦を元に戻す。
そして、救助船が行き、乗務員は救助されるが、デビット・キャラダインの船は沈没してしまう。
この作品は、日本ではヒットせず、まさに沈没してしまったらしいが、中身は面白い。
このあの手、この手で救助へと攻防するのは、アメリカ映画的であり、大げさに言えば、アメリカ的発想だと思う。
シネフィルWOWOW