指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

移行職員

2020年03月24日 | 政治
先週、その手記を発表し、二年前に自殺された元近畿財務局の赤木氏は、「移行職員」だったそうだ。
移行職員とは、国鉄の分割民営化の際、国や地方公共団体、民間企業が受け入れた前国鉄職員のことである。
当時は、まだ日本全体に国鉄を辞めざるを得なくなった人たちを受け入れてあげようという心があったのだ。
小泉・竹中以後の日本社会にはなくなった「日本の心」である。

この時、私は横浜市港湾局にいたが、港営課の職員として、若い人が来てまじめにやっていた。
隣の係で、直接の関係はなかったが、非常にひたむきな性向の好青年だった。
その後、すぐに私は、横浜国際会議場会社、つまり私がネーミングを担当することになるパシフィコ横浜に異動したので、彼がどうなったかは知らないが、きちんと横浜市職員としての務めを果たしいただろうと推測する。

この時、国鉄から総務省に来て、安倍晋三君に気に入られた男に井上義行がいる。
北朝鮮問題を担当し、安倍晋三に気に入られ、無所属で小田原市等の選挙区から出る。
その後、みんなの党に移行したが、今も落選中のようだ。
人の動きは様々だが、赤木氏は、近畿財務局で「問題案件処理」を担当させられた果ての自殺らしい。
ある意味、外から来た者へのいじめのような感じもする。
実に、おぞましいというか、ひどいことだというしかない。

                       

こういうことに胸の痛まない安倍晋三や麻生太郎は、『破れ傘刀舟』の萬屋錦之助の台詞でいえば、
「てめえたちは人間じゃねえ!」となる。