指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

「小泉新党」の勝利

2005年09月13日 | 政治
今回、自民党が大勝した理由は、その中身はともかくとして、郵政反対派を公認せず、「刺客」をはじめ多くの新人を立て、自民党が「小泉新党」に見えたことである。
これに比べれば、ほとんどが前回と同様の候補者だった民主党は、旧党に見えた。
国民新党や新党日本もあったが、最大の新党は「小泉新党」だった。

蜷川幸雄は、小泉首相を「内容は別として、すごい演出家、役者」と評価している。
確かに劇や映画は、脚本と配役で70%は決まってしまうのだから、この「小泉劇場」のキャスティングは少なくともその新奇さで引き付けたと言うべきだろう。
この辺の演出は、日頃オペラや歌舞伎で遊んでいる小泉首相らしいところである。
民主党党首も、劇や映画を好きな人にすべきであろうか。

『放浪記』のいいシーン。

2005年09月13日 | 映画
映画『放浪記』で、林芙美子の無名時代、木賃宿(渋谷)で警察の臨検を受ける。刑事は、佐野・黄門さま・浅夫。

宿に逃げ込んできた娼婦(黄門さまは、「淫買」と言う)が連れて行かれるとき、反発した芙美子も同様に勾引される。
「君が行くことはない」と言う画家の小林桂樹(後に結婚する)に対し芙美子は、「これも経験よ」と堂々と一緒に行く。

当たり前だが、この時代の林をはじめ佐多稲子、平林たい子らの作家はやはり偉いね。
今の、室井夕月等のゴミ作家とは違うね。