猫じじいのブログ

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イスラエルがガザ攻撃を続けパレスチナ人を殺すのを許してよいのか

2023-12-15 22:20:52 | ガザ戦争・パレスチナ問題

きょうの朝日新聞は、12月13日にイスラエルの首相ベンヤミン・ネタニヤフが、「国際的な圧力に直面しても、我々を止めるものはない」と、ガザ軍事侵攻継続の決意を述べた、と報じた。これは、アメリカのバイデン大統領がその前日に、イスラエルが「無差別の爆撃によって世界からの支持を失い始めている」と異例の警告を発したことへの回答である。

ハマスを壊滅するためには、ガザ攻撃を継続し、住民を殺しまくることが、イスラエルにとって軍事的に正しい。しかも、イスラエルの潜在的な敵であるパレスチナ人の人口を減らす絶好の機会でもある。

しかし、人道上それは正しいのか。ホロコーストでユダヤ人が一方的に殺されたことを理由に、自分たちが生き残るために、歴史上ホロコーストに関与したことのないパレスチナ人を、ガザに閉じこめ、一方的にイスラエル軍が殺しまくるのは、人道的に正しいのか。ナチスと同じでないか。

私は子どものとき、『アンネの日記』を読んでユダヤ人少女のアンネに涙し、ハリウッド映画『栄光の脱出』を見て1948年のイスラエル建国に感動したのは、なんという愚かな誤りだったと、いま、思わずにいられない。

12月13日、アメリカのCNNは、「イスラエルがガザでの攻撃に使った2万9千発の空対地弾のうち、40~50%が無誘導弾だ」と報じた。「空対地弾」とは、戦闘機から地上の標的に発射するロケット弾である。無誘導弾ということは、標的を正確に狙うことができず、民間人を巻き添えにせざるをえないということだ。

しかし、それだけではない。イスラエル軍は、どこにハマスの拠点があるのか、どこにハマスの戦闘員がいるのか、わかっていないのではないか、と私は思う。どこが標的かわからないから、価格の安い無誘導弾を使えば良いということになったのだろう。

1週間前のTBSテレビ『報道1930』は、いま、イスラエル軍が毎日空爆の標的を200カ所 AIで生成していると、イスラエルの新聞が報じた、と言っていた。以前は、ハマス1人を殺すのに非戦闘員平均2人を殺してもかまわないとイスラエル政府は言っていたが、今回の戦闘では、ハマス1人につき、平均20~30人の非戦闘員を殺してかまわないと言っているという。

標的がわからないで攻撃するのだから、1対無限かもしれない。AIを使って標的を決めているのは、軍の誰もが、良心の呵責を感じたくないから、自分で毎日の標的を決めずに、機械まかせにしているのだろう。

さらに、地下トンネルにいるハマスの戦闘員を殺すため、人質になっているイスラエル人やアメリカ人がいるにもかかわらず、海水を地下トンネルに注入しはじめたと、12月12日、アメリカのメディアが一斉に報じた。

鶴見太郎の『イスラエルの起源』(講談社選書メチエ)を読んだ私には、「世界には敵か味方しかいない、生き残るために敵を殺すことこそが正しい」とするシオニストのネタニヤフが「国際的な圧力に直面しても、我々を止めるものはない」と言うことを予測できた。

イスラエルがこれまで軍事路線を続けてこれたのは、アメリカが、中東の石油資源確保のために、その先兵であるイスラエルを軍事的にも財政的にも支援していたからである。しかし、アメリカは中東の石油資源へのこだわりをいま捨て始めている。いずれ、アメリカは、人道に反してのイスラエル支援をしなくなるだろう。バイデンの発言は、その予兆かもしれない。

アメリカの支援がなくなるとすれば、イスラエルの軍事路線は自殺行為である。周囲の敵意を煽るだけである。

だとすれば、イスラエル国民が、自分たちの祖父祖母がパレスチナ人から土地を奪ってイスラエル国を建設したことを謝罪し、ネタニヤフ政権のパレスチナ人虐殺を止め、平和共存の道をさぐるしかない、と私は考える。



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