きのう、中国報道官が日本のトリチウム汚染水の海洋放出を皮肉った絵をツィッターに投稿したという。それを日本政府が抗議したという。
葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を使って、海洋放出をパロディ化したものだ。発想が面白い。どうして、日本人が先に、海洋放出のパロディを作らなかったのだろう。日本の誰かがこれを作っても、日本政府は抗議したのだろうか。
本来、日本政府が風刺にいちいち抗議するようなことではない。風刺は表現の自由の範囲だ。私が恐れるのは、トリチウム汚染水の海洋放出に反対する者は非国民だという風土を作るのために、わざと政府が抗議している、と感じるからだ。そうでなければ、何を抗議しているのか、わからない。著作権侵害にあたらない。
今回、葛飾北斎の波しぶきに、骸骨や赤ん坊や奇怪な生き物を埋め込んだのは、秀逸だと思う。よくできている。
不満なところは、北斎が富士山の上高く描いた人のような入道雲を、十字架のような雲にしたことだ。これは面白くない。もっと、人間のようで妖怪のような雲にすべきだった。
富士山を原発に置き換えたが、この原発はスリーマイル島原発で、福島第1原発と形が異なる。といっても、福島第1原発の原子炉建屋は四角い箱型なので、それでは造形的に面白くない。壊れた原子炉建屋にクレーンを描くの良いのではないか。あとは、むき出しの原子炉を描くのもある。
あと、防護服が黄土色になっていたのが、福島第1原発の事故処理では、白の防護服を使っている。
誰か、メイドイン日本のトリチウム汚染水の海洋放出パロディを作ってみませんか。