仕事により更新をサボってしまいすみませんでした。
私が身を置く業界には随分昔から使われている、いわば「古語」ともいうべき言葉があります。
「五窮六絶七翻身」
というのがそれでして、5月は商売に窮する月、6月は商売の絶える最も苦しい時期、そして7月は一転活況を呈する絶好期、というシーズンの波を示す言葉です。要するに「七翻身」をより実りのあるものにすべく、ブログにもソッポを向いて仕事に身を入れていたという訳です。……以上、言い訳終了(笑)。
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さて、4日休んだ間に少しは流れが変わるかと思いましたが、相変わらず騒乱(官民衝突など)続きのようですねえ。蘆溝橋事件の「七・七」も特に騒ぎも起こらず、「病状」がいよいよ進行していることを思わせて終わりました。
病とは「反日病」でも「自己肥大症」でもいいのですが、とにかく拠るべき自信(中華思想)と、カサブタをいきなり剥がされて塩を塗り込められる痛み(アヘン戦争以来のコンプレックス)、この2つが共鳴して発する奇妙な熱に浮かされて舞い上がり、踊り回る奇病です。
で、官民衝突に話を戻しますと、報道をみる限り、何だか連日のように新たな事件が発生しているかのようです。
中国国内メディアはともかく、香港や台湾のマスコミ、それに反体制系ニュースサイトがここを先途とばかり張り切っているせいもあるでしょう。「いまは官民衝突が旬」となれば、多少古いニュースでも引っ張ってきて紙面を賑やかにしようという側面もあると思います。
実際に多発しているという一面もあるでしょう。中国は広いですから似たようなケースの事件がいくら起こっても不思議ではありません。
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前回のコメント欄で「通りすがり」さんから御質問を頂きました。
「最近中国での暴動記事を目にすることが多くなりましたが、暴動が多くなったのか、今までも暴動があったにもかかわらず報道される事なく闇に葬られていたのか、どうなんでしょう」
……これには私も考えてしまったのですが、
「事件数自体が増えている一方、報道側の嗅覚も進化しつつある」
といったところではないでしょうか。
農村暴動自体は、私の知る限りでは1993年前後から「起きている」ことは香港・台湾メディアにより指摘されていました。その数が増えているのは、今年春の全人代(全国人民代表大会)での温家宝・首相による「政府活動報告」がわざわざこの種の事件に言及したことからもわかります。確かに増えている訳です。
あとは報道する側の嗅覚です。数年前と比べて、ネットの普及が何よりも大きいと思います。簡単にいえば誰でもタレ込み屋になれる状態ですから、ガセを含む未確認情報が乱れ飛ぶこともあれば、続いて現場写真などがupされて事件が事実だと証明されることもあります。その写真がそのまんま香港紙の紙面を飾ったりします。
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ああ本題を忘れていました。河北省・定州事件(2005/06/11)のことです。発電所建設に伴う用地収用をめぐって補償額で折り合いがつかず立ち退きを拒んでいた農民たちを、暴徒300名が黎明時を狙って襲撃し、6死48傷。しかもその映像が全世界に流されてしまった、あの事件です。もう1カ月になるんですねえ。
……今回のニュース、内容は標題そのまんまなのですが、これは新たに暴動が発生したくらいの価値はあると思います。
この事件では発生後ほどなく、定州市党委員会及び政府それぞれのトップ(党委書記と市長)が直ちに更迭されました。
「中共政権が連呼している『以民為本』(全ては民のために)というのは、バレてしまった事件については地元責任者のクビを速やかに切ること。中国肺炎(SARS)や炭坑事故のときも同じ」
ということを当時私は書きました。暴かれてしまった事件にだけはすぐトカゲの尻尾切りをやって「素早い対応」をみせて、中央が実行力ある庶民派なのだとアピールする。でもこれではもちろん諸悪の根治には至りません。要するにバレなけりゃいいと。
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今回の定州事件は全世界にバレてしまった(笑)からなのかどうかはわかりませんが、大きく踏み込んだ対応となりました。中央のお声掛かりがあったのでしょうが、定州市ではなく、その上の河北省がプロジェクトチームのようなものを設けて捜査を進めてきました。
そして、市長とともに更迭された和風・前定州市党委員会書記……つまり定州市のトップなのですが、この和風氏までが「刑事拘留」で取り調べ中、というのです。
逮捕されたのか、重要参考人として拘束されている段階なのかよくわかりませんが、いずれにせよ刑事事件容疑ですから尋常ではありません。何の嫌疑が気になりますねえ。他に定州市開元鎮の楊進凱・前党委書記が同じ扱いとなっています。
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ちなみに、中国国内メディアもこれを報じています。和風さん、こりゃ見せしめというか生け贄確定でしょうか。
●新華網
http://www.xinhuanet.com/chinanews/2005-07/10/content_4605232.htm
この事件、襲撃側の計画立案者、実行部隊の指揮者など主犯格は全てお縄になっており、他に事件現場である定州市縄油村の党支部書記ら3名が汚職により党籍剥奪となっています。このあたり法制(司法)と党規約が絡まってややこしいのですが、とりあえずこの記事において事件は、
「発電所開発業者が施工強行を目的にならず者を動員・組織して襲撃を行わせた深刻な暴力犯罪案件」
となっており、これが事件の「定性」(党による政治的評価=政治的に善か悪か)として確定しているのであれば、土地収用を拒否すべく現場に小屋掛けして警戒していた農民側の行為にはお咎めなしということになります。
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もう1カ月になるんですねえ、と上の方でつい嘆息してしまいましたが、それにしてもこの僅々1カ月の間によくもまあ随分色々な騒動が発生したものです。もちろん「流行」ではないんですけど、お天道様の顔色(社会状況)を反映した事件ということはいえるでしょう。である以上、こうした動き、まだまだ終息する気配はなさそうです。……というよりこれからが本番ですか。
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「病とは「反日病」でも「自己肥大症」でもいいのですが、~舞い上がり、踊り回る奇病です。」のくだりを読み、暗澹たる気持ちです。今の反日運動は日本への敵愾心を煽るつもりが、日本への恐怖心へと変化させてしまう危険性が非常に高いと思うのです。
恐怖に駆られた一部の無知な人民の皆様は、連日の反日報道により、自ら見たことも触れたこともない日本の姿に苛まされるのでしょうか。
人民に粗悪な燃料を供給し、他所様を巻き込んで自らを正当化しようとする中共のやり口には、どうしようもない国だという印象しかない。
チョンの場合は2-3000万人に一人くらいの確立で冷静かつ客観的な史観を持っている人間がいて、その言動ゆえに本国で迫害されたりしているわけですが、チャンコロの場合13億人もいるのにそのような人間を一人とて思いつきません。日本のTVの討論番組に出演しているチャンコロには怒りすら覚えます。海外の大学で教え、一次資料を扱っている筈の知識人でも日本に対し好意的もしくは中立な言動をする人間は皆無かと思われます。「牢記歴史」の根深さゆえでしょうか?
某巨大掲示板に載った話なのですが、「たかじんのそんなに言って委員会」と言う番組で出演者に中国のイメージについて書いてもらったところ、
舛添要一「被害妄想国」
金美齢「嘘つき国」
桂南光(落語家)「悪賢い国」
橋下弁護士「人治国家」
三宅久之(政治評論家)「人権抑圧国」
宮崎哲「破綻社会主義国」
江川達也「世界の中心で不満を叫ぶ国」
鴻池代議士「非常識理事国」
だったそうで、司会者が「いいところも書いて下さい」と言うほどこき下ろされたようです。
一般の番組でさえここまであからさまに中国を非難するのに、「右翼の扇動」があるから日本が右傾化している、と言う中国は本当に問題を分かっていないのか、分かっているが反日麻薬が止められないのかどちらなんでしょう。
しかし、あまり反日を煽ると却って日本に対する恐怖感を持たせて逆効果と思うのですが、それは私が日本人だからそういう思考になるのでしょうか。
この指摘は中国人に関する分析として秀逸です。さっそくメモさせていただきました(笑。
思うに、中国人はこのトラウマ(心的外傷)とコンプレックス(劣等感)の複合作用のため自家中毒から抜けられないのでしょう。
中華思想を捨て去るか、アヘン戦争以来の歴史を素直に認めるかすれば病状は改善するでしょうに。
そして彼等にそれを出来なくさせているのが、東アジアでいち早く近代化し、世界第二の経済大国にまでなってしまった「日本」なのでしょう。
「日本」が彼等の精神に重石としてのしかかっている限り、彼等は現状のままであり、我々は彼等を使い捨ての人間資源として利用できる・・という事でしょうか。
(中国、朝鮮のことを知れば知るほど、帝国主義者として思考する自分が居ます)
私はここ10年程大陸と関わり、知識層相手に仕事らしき事をしております。
今や親友とも言える40代後半の友人男性は、8年程前はっきりと
「日中戦争よりも俺たち国民同士で殺し合ってきた歴史の方が大問題だよ」
と言っております。私の反中共的発言は良く聞いてくれますが
「それ以上言うとアナタ逮捕されるよ」などと笑ってたりします。
前回の抗日遊行に関しては「あれは政府が学生の口を借りただけ」と
あっさり語り、また同じく別の友人は(30代後半)
「満州で残虐行為をしたのは日本軍の朝鮮人兵士だよ、俺は知ってる」
このような見解を示す人もいます。中国の民主化に関しては概ね否定的で
「まとまらない・・」と、悲しそうな顔をしていました。
文革を知る世代と知らない世代の世界観はかなり違うと思います。
ここ1~2年のことでしょうか…
でも「嗚呼やっぱりね」と妙に納得している自分が居ます
何年か前に、中国農村の惨状をルポしている人を紹介する確か毎日の記事を読んで
いたからかもしれません。
日本だったら行政相手に民事訴訟になったりするんでしょうが、そもそも中国の法制に行政相手に訴訟を起こせる制度になってるのでしょうか?
(上方人士なんて言ってるんだから無いんだろうなぁ)
江沢民の反日で誤魔化し政策のツケを現指導部は支払っている訳で、ちょっと気の毒にすら思えてくる。後は自業自得だとしか思ってないですけど。
あの国の日中戦争時のことを熱心に蒸し返す様を観て誰かを悪く言わないとプライドが保てない国に生まれなくて良かったと、しみじみと日本人である幸運を噛み締めております。同じ理由で朝鮮人でなくて良かったとも思ってますけど。どちらも過去しかネタがないからなおさら惨めに見える。自前の誇りの源を持たないが故の反日。指摘したらたぶん怒り狂って殺しにきそうだから言わないけど。
でも、今は抗日で何とか持たせようとしている共産党政権が倒れてもまた同じ展開になりそうな気がする。我が国がこんな惨状になったのは共産党の反日による誤魔化しに迎合していた日本にも責任があるとか言い出すんでしょうねえ。
でなければ生き残れない状況になったのもあるんでしょう
ね。
集団心理で、一方に一度流れるとどんどん先鋭化する
状況が止まらないのでしょう。
気の毒といえば気の毒ですが、独裁制はこうなるのが
わかっている訳で、自業自得と言わざるを得ないでしょう
ね。
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