例によって土曜は雑談です。――何だか最近、中国では鉱山事故のスマッシュヒットが続いているようで。
死にますねえ。炭鉱夫がコロコロ死んでいく。でも中国ではそれがデフォだから仕方ないですよねえ。
こういう事故が起きるたび、
「安全基準を満たしていない」
「無認可の」
「地元政府は見てみぬフリ」
といった報道がなされます。今回は中央政府における担当部門の長、国家安全生産監督管理総局の李毅中・局長が170名を超える死者を出した黒龍江省の鉱山に駆け付けて、責任者に対しその管理の甘さを指摘、
「お前らは民営の小型炭鉱以下だ!」
と吐き捨てるように怒っていました。でも人が死んでから怒号してみせても、もう遅いですよねえ。庶民派を偽装する温家宝首相の真似をするなら、まず遺族の肩を抱いてウソ泣きしてみせなないと。もちろん報道陣の前で(笑)。
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そもそも中国の定める安全基準が国際的水準にあるのか、という私の疑問には誰も答えてくれません。安全基準や機械化のレベルが国際標準に比べれば劣っていて、その足りない分は人命で埋め合わせる、という「人海戦術」をやっているのではないか、といつも思います。
結局、いちばん仕事をしていないのは李毅中やその配下の連中ではないでしょうか。
今回事故を起こした鉱山は安全面では折り紙付きとされていたそうです。そこでもこんな大事故が起きる。過去にも似たようなケースがいくつもあります。李毅中は「民営の小鉱山以下だ!」と怒号する前に、
「これが中国の国情なのです。申し訳ありません、運が悪かったと思って諦めて下さい」
と遺族に土下座して正直な言葉を吐くべきではないかと。
以前にも例に引きましたが、中国における生産活動中の事故死者数は1日平均で370名。殺人とか自殺とか生産活動とは無関係な交通事故を含めずに、毎日死者370名ですよ。これが昨年(2004年)の数字です。民度の低さとか安全観念の希薄さとか不注意の多さ……といった要因だけで説明できるレベルではないように思います。炭鉱だけでなく、様々な業界で「人海戦術」を前提としているからこうなるのではないかと。
そりゃ労働力は無尽蔵ですからねえ。死屍累々の様相を呈しても、代わりはいくらでもいますから使う方は痛くも痒くもありません。それに安全基準を強化したらコスト増が馬鹿にならない。機械化したら失業者がいよいよ増える。犠牲者の多くは出稼ぎ農民ですが、極端にいえば奴隷ですね。奴隷がコロコロ死ぬことで、上海が象徴するような「経済発展」を支えている。
果たしてそれは本当に「発展」なのかどうか。少なくとも国民レベルではそうではないでしょう。都市住民と農民の収入格差がまた拡大して、今年は都市:農村が「3.3:1」になる見通しだそうです。
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中共政権は発足してから30年くらいは政治運動の馬鹿踊りに熱中していますし、本来が馬鹿躍りしていられる民度ですから、経済的水準は多少発展したところで先進国に及ぶべくもありません。その代わり発展モデルとしては、先進国が発展する途上で遭遇した得失を教訓にしつつ進むことができる、いわば後出しジャンケンができるメリットがあります。
だからといって先進国によって固められている構造に割り込んでいくのは容易ではないでしょうし、何よりも国としてのスケールが大きすぎて巨大人口。公称13億人ですが、この連中が寝転がっているだけならまだしも、一丁前に飯も食えば水も飲むからシャレになりません。胡錦涛総書記も大変ですねえ。
大変といえばそろそろ浮上してくる問題だと思うのですが、愚民教育のジレンマ、これです。日本人が余りの環境の違いにストレスを蓄積し骨身を削りつつ縫製指導をすることで、ポロシャツ1枚満足に造れなかったこの国が、十数年経ったらユニクロで売ることのできる水準の商品を作ることができるようになりました。
でも、そこまでなんですよね。ミシンを踏んで廉価品を量産することはできても、その上の段階にグレードアップはできない。底辺の教育水準が低すぎるからです。欧米との繊維製品貿易摩擦を経験して「産業構造の転換を」なんて論調を中国メディアでよく目にしますが、一段階上に進むにはそれなりの民度がないとダメでしょう。現状のような、工作機械ひとつ満足に造れず日本からの輸入に頼っているようでは、グレードアップなどおぼつきません。それに機械化が進んだら失業問題も出てきてしまいます。
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それから、民度を起因とするもうひとつの問題。庶民に知恵をつけさせたら色々な権利を主張するようになるから面倒なことになります。いまだって土地収用から環境破壊に至る諸問題で農民が騒ぎ、準軍隊といえる武装警察を送り込んで鎮圧したりしているのですから。大きく騒いだらまた軍隊投入ですね。それで外国から経済制裁喰らって失血死。そういう光景、見てみたいものです。とりあえず血の弾圧プリーズです(笑)。
1989年の天安門事件の際、私は中国にいましたから中共が軍隊投入して実弾射撃して戦車走らせて、といったTV中継を観ていないのです(笑)。あれはナマでなくちゃ面白くありません。退避勧告が出て帰国させられたあと、録画したのを見たのですが現在進行形の映像ではありませんからインパクトもドキドキ感も全然ありませんでした(本当)。
まあ、つまるところ中共政権下の国民はそういう扱いだということです。少なくとも人間として尊重されてはいないように思います。政治的には党が法制を無視して思いのままに料理できる畜類同然の境遇。経済的にいえばその実態はむしろ家畜以下で、エネルギー。……石炭や石油や天然ガス、といったものと同列なのではないかと考えてしまいます。
炭鉱夫というエネルギーがひとり死んだら賠償金20万元。石炭や石油を使ったってその消費料金以外にカネをとられること(賠償金)はないのですから、炭鉱経営者は不条理を感じているかも知れません。李毅中にしても人海戦術に乗って現在のポストにまで出世したのです。でも「お前らは民営の小型炭鉱以下だ!」と吐き捨てることに後ろめたさを感じたりすることはないんでしょうね。
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さらにいえば、胡錦涛や温家宝の本音もそんなところではないかと。人命軽視が仕様の国ですから、住民の飲料水汚染による衛生問題なんかどうでもよくて、とりあえずそんな瑣末な事柄よりロシアの怒りをどう鎮めて賠償金を少なく済ませるかで頭が一杯でしょう。
松花江汚染に関する中国メディアの報道もいよいよ桜前線というかタマちゃんというか、まあそういうノリですね。ロシアとの国境線たる黒龍江(アムール川)への合流点が近付いてきました。もはやカウントダウン状態。記者連中はさぞや血が騒いでいることでしょう。
「松花江の魚は2カ月は食べてはいけない」
と中央から指示が出た、と香港の親中紙『香港文匯報』が報じていましたけど、たった2カ月で大丈夫なんですか?あのあたりの川は冬季に凍結するのではないかと思うのですが。……まあ食べるのは地元住民でしょうから知ったこっちゃないですけどね。
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僕は3年後の北京五輪の成功にはかなり悲観的です。現在の中国人の民度では五輪ほどの国際大会をまともに運営するのは難しいと思います。中共の愚民化教育はボディーブローのように中国自身に跳ね返っていくのではないでしょうか。
中国では以前は露天掘りが主だったはずですが、最近では露天を掘りつくして坑内堀りも増えてるようです。それでかっての日本のように事故多発になってきてるんではないかなー、と。
多分「今回事故を起こした鉱山は安全面では折り紙付きとされていたそうです。」というのは案外本当なのかもしれません。日本で閉山した炭鉱使って中国の炭鉱技術者の指導やったりしてますので。
でも、坑内掘りはどれだけ安全対策尽くしても露天掘りとは桁違いに危険ですし、日本が指導したとてそれをいつまでも徹底できないのが中国ですからねー。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051203i415.htm?from=main4
民度の低いところに反日風味満点の愛国主義教育を叩き込まれ、しかも社会状況が悪化しているとああなりますね。私は1989年の民主化運動で嫌というほどデモをみましたけど、今春のような統制のとれていないひどいデモに出くわしたことは1回もありませんでした。4月の時点では荒れさせたところでブレーキをかけた党中央ですが、10月の靖国参拝では当局が市民の自由な抗議行動を封殺しましたね。あれは印象的でした。僅々半年で封殺しなければならないほど社会状況の悪化が進んでいるのだと思います。
>>在中国2さん
>>fooさん
予想された結果とはいえ民進党は情けなさ過ぎます。前にも書きましたが李登輝氏が築き上げた預金を取り崩しているばかりといった観があります。
>>■□ Neon □■さん
御指摘の通り、技術指導をしてもそれを徹底できているかという問題もあります。日本レベルの装備・設備が導入されているかも疑問です。最大の疑問は、中共のいう「安全基準」が日本や米国と同レベルかということです。他国からみて劣悪な「安全基準」は、炭鉱だけでなく野菜とか魚の衛生面にも及びますからシャレになりませんね。
黒龍江の炭鉱、現時点では死者169名で行方不明2名とのこと。これは久々の大戦果となりそうですね。寒さを忘れて取材に駆け回る記者の喜ぶ顔が見えるかのようですw
ttp://news.xinhuanet.com/politics/2005-12/03/content_3873053.htm
いつもながら鋭いご指摘と感じました、じっさい、
毛沢東も言っています。「死は結構なことだ。土地が肥える」(1958.12.9)。そこで農民は死人を埋葬した上に作物を植えるように命じられた。by「マオ 下」p191ユン・チアン
マオを生んだ土壌とマオの遺産はなお健在なのですねえ
現在の我々はデモクラシーの意思決定の遅さ・賄賂・政党内部の利権争いはデモクラシー特有の物だと思っています。しかし、他の軍部独裁体制や共産党独裁等と比べればデモクラシーは遥かにマシだと知っています。
チャーチル曰く、デモクラシーはひどい政治体制だが他の政治体制に比べれば遥かにマシだ、ということです。
恐らく何度もデモクラシーと強権政治を繰り返した上でデモクラシーは定着していくのでしょう。
台湾には李登輝・陳が最初の民主主義でした。デモクラシーとの初デートがそのまま結婚に繋がることはありません。国民党の人気はないですが、少なくとも少数与党の民進党と違い政策の実行・実行速度の速さは折り紙つきです。
台湾人は一回は浮気をするでしょう。しかし、原啓デモクラシーから離れた民意が次の強権政治に嫌気が差し再びデモクラシーに戻り大正デモクラシーを作ったように、やはり国民党の強権的体質・中国よりの態勢に反発し台湾デモクラシー路線に舵を切ってくると思います。
台湾に必要なのは政党政治を一貫して主張し自由民権運動の火を消さずに守ってきた板垣退助でしょう。
台湾の民進党はデモクラシーの不甲斐なさで一度は去るが、これでデモクラシーの火を消し去ることはいけないのです。
日本の鉛中毒の基準:血中濃度で60マイクログラム。30マイクログラムに引き下げ検討中(2004年)
アメリカの鉛中毒の基準:血中濃度で30マイクログラム。10マイクログラムに引き下げ検討中(2004年)
100マイクログラム以上の含有は、「軽度の鉛中毒」に相当する。(中国)
検査方法などで左右されますが。
13億という人口は莫迦になりません。
実際、中国の食肉量が増えた影響で、内蒙古辺りの草原の沙漠化が無惨なほどに進行しております。
民度が上がった場合、生活水準の改善を要求するのは不思議でも何でもなく……その場合、途中で地球資源が完全に枯渇する可能性も大です。
そう考えると……人海戦術、というのは『地球にやさしい』手段なのかもしれません。無論皮肉を込めてですが。
政治体制で、分配の機能が担保されてます
けど、シナは....ってなところでしょうか。
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