上田から長野新幹線で東京に戻ったのは10月20日のことです。
中央線で新宿に出て、時間があったのでサザンテラスにあるオサーンブランドのEB旗艦店をのぞいたら、辞めたと思っていた親しい店員さんが復活していて、喜んでちょっと買い物してから小田急線の特急電車に乗り込みました。
御殿場で下車して「ホテルルートイン御殿場駅南」にチェックインすると、霊峰富士がバーンと目の前にあって、上田から抱え込んでいた不愉快な気分がスーっと浄化されました。
富士山は、やっぱり良いです。
しかしながら、日没とともに雲が張り出してきて山頂部が定かでなくなってしまいました。
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私は予定通り、御殿場駅前で見つけた「はなの舞」御殿場駅前店へと足を運び、例によってMy焼酎マグで「黒霧島」のボトルを空にして帰りました。
ここの店長の松田充由さんは明朗快活かつ楽しい人で、まだ客の少ない時間帯だったので話相手になってくれました。私が「はなの舞」のメニューを見ずに注文できるので、ちょっと盛り上がったということもあります。
「はなの舞」の良いところは、店長と料理長のこだわりによる、手書きのオリジナルメニューがあることです。私が過去に訪れたいくつもの「はなの舞」の中で、それが最も充実していたのが先日OFF会を開いた「はなの舞」菊川店でした。この日の御殿場駅前店は生憎それが前日で終わってしまって手書きメニューはなかったのですが、代わりに「明日からはこれでいきますよ」と全店共通の秋冬メニューを見せてもらいました。
ちょうど親会社たるチムニー創業何周年だかのキャンペーンをやっていて、鍋をつつけたのは意外な収穫でした。
ところが。楽しく飲んで20時すぎに帰館したあと、私にとって「御殿場といえば、この人」である「麓人」さんからのコメントがブログに届きました。
●Unknown (麓人) 2010-10-20 23:22:34
御家人さん、こんばんは。
以前、御殿場駅前でフリチベTを着た人を捜してしまいそう・・・と書いた者です。
1年後、「着た人」には残念ながらお会いできなかったものの、フリチベ缶バッジに見事遭遇してしまいました!なんだか感無量でした。
明日、お忘れ物忘れずに取りにいらして下さいね。
お店の若いお兄さんが御家人さんの体調をとても気遣ってましたよ。
ぜひ今度また、お天気の良い日にあっぱれな富士山を見に来て下さいね!
そうなのです。私はジャケットをハンガーにかけたまま、そのことを忘れて帰途に就いてしまったようで。……てことを麓人さんが御存知ということは、「はなの舞」でニアミスをした、ということになります。惜しいことに突発OFFの機会を逸してしまいました。
そこで翌日も「もしかしたら麓人さんに会えるかも」と期待して「はなの舞」に出かけました。店に入ったら店長の松田さんが私の顔を見て「良かった良かった」と、ちょっと大袈裟なくらいに喜んでくれました。もちろん忘れ物の一件です。
何でも私がジャケットを忘れて帰ったあと、御殿場のホテルひとつひとつに電話して私の消息を尋ねてくれたそうです。
「丸刈りで黒いメガネをかけていて口ひげがあって……東京から来た人ですが、そんな人、泊まっていませんか?」
という口上で、これではホテル側も「ちょっとわかりません」と答えるしかなかったようです。
(カードで決済したのだから、その名前で当たればいいのに)
と思いつつ、松田店長の親切に感謝しました。東京の居酒屋では、一見客にそこまでしてくれるところなど、まずありません。
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ジャケットを受け取ったら、ポケットに麓人さんからの温かいメッセージが書かれた紙が入っていました。
私は平素、居酒屋といえば開店直後に飛び込んで、混んで来る前に飲むだけ飲んで退散します。この日も早々の入店だったのですが、突発OFF開催を期待して、珍しく4時間も粘りました。……が、残念ながら麓人さんとは遭遇できず。
しかしこの日も松田店長と話をすることができました。何でもこの「はなの舞」御殿場駅前店というのは、純益だと「はなの舞」の全国トップなのだとか。してみるとこの松田さん、単に明朗快活なお兄さんというだけでなく、凄腕店長という一面も持ち合わせているのでしょう。
ともあれ楽しく帰館することができました。松田さん、麓人さん、本当にありがとうございました。m(__)m
……で、肝心の富士山はチェックインの翌朝から雲に隠れて山頂部が見えずじまい。結局山麓を眺める二日間になってしまいました。
これは「御殿場にまた来い」という天意でしょうか。天意ならばその分の余命は与えられている筈です。麓人さん、もし次の機会があったときは、松田店長の「はなの舞」で突発OFFを是非。そのときは「あっぱれな富士山」も堪能することができるでしょう。
……てな訳で、本命の富士山には振られてしまいましたが、温かさに触れる二日間となりました。麓人さん、頂いたメモは、御殿場での思い出として大切に東京に持ち帰らせて頂きますね。m(__)m