小児科医で、諫早市の重症心身障害児・者施設「みさかえの園むつみの家」診療部長を務める近藤達郎さん(52)が、ダウン症患者の家族の手記や専門医としての提言などをまとめた「ダウン症者・家族が幸せに暮らすために」を晃洋書房から出版した。自身が会長を務める染色体障害児・者を支える会(バンビの会)との共編。
ダウン症は染色体異常による先天性疾患で、発育や発達に遅れが見られる。長年、その診断に携わってきた近藤さんは、高齢出産の増加や医療水準の向上などに伴い、1975年に約930人に1人だった同症の出生率は今年、約340人に1人になると推測。「本書が障害者も地域社会の一員として幸せに暮らしていくにはどうしたらいいかを多くの人が考え、話し合う下地になればうれしい」と話している。
前半は1歳から58歳までの患者の両親ら21家族24人が実名で寄せた手記を掲載。同症と診断されて動揺しながらも、子どもの笑顔と生命力に勇気づけられ、掛け替えのない存在として受け入れていく心境の変化や、成長の喜び、家族の絆、命の貴さがつづられている。22歳の同症の娘を持つ母親は「結婚できる社会、障がいがあっても就職して、仕事をして、趣味を楽しみ、人生を全うできる社会をつくってやりたい」と多くの家族の思いを“代弁”した。
後半は、近藤さんが専門医の立場からダウン症の歴史や統計、合併症とその治療・予防、出生から老齢になるまでに直面する問題などを分かりやすく紹介。命の選別につながるとの指摘がある出生前診断の現状にも触れ、「本当にそのこと(出生前診断)が家族の幸せにつながっていくのかをよく考えてみる必要がある」と問題提起している。
四六判、276ページ。2310円。

ダウン症患者の家族の手記、提言などを本にまとめ出版した近藤さん=諫早市、みさかえの園むつみの家
長崎新聞
ダウン症は染色体異常による先天性疾患で、発育や発達に遅れが見られる。長年、その診断に携わってきた近藤さんは、高齢出産の増加や医療水準の向上などに伴い、1975年に約930人に1人だった同症の出生率は今年、約340人に1人になると推測。「本書が障害者も地域社会の一員として幸せに暮らしていくにはどうしたらいいかを多くの人が考え、話し合う下地になればうれしい」と話している。
前半は1歳から58歳までの患者の両親ら21家族24人が実名で寄せた手記を掲載。同症と診断されて動揺しながらも、子どもの笑顔と生命力に勇気づけられ、掛け替えのない存在として受け入れていく心境の変化や、成長の喜び、家族の絆、命の貴さがつづられている。22歳の同症の娘を持つ母親は「結婚できる社会、障がいがあっても就職して、仕事をして、趣味を楽しみ、人生を全うできる社会をつくってやりたい」と多くの家族の思いを“代弁”した。
後半は、近藤さんが専門医の立場からダウン症の歴史や統計、合併症とその治療・予防、出生から老齢になるまでに直面する問題などを分かりやすく紹介。命の選別につながるとの指摘がある出生前診断の現状にも触れ、「本当にそのこと(出生前診断)が家族の幸せにつながっていくのかをよく考えてみる必要がある」と問題提起している。
四六判、276ページ。2310円。

ダウン症患者の家族の手記、提言などを本にまとめ出版した近藤さん=諫早市、みさかえの園むつみの家
長崎新聞
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