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ゴエモンのつぶやき

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障害者虐待:防止に手探り…自治体、労働局の課題浮き彫り

2013年03月26日 01時24分01秒 | 障害者の自立
 障害者を守るため自治体に窓口対応が義務づけられた障害者虐待防止法の施行から半年近く。新たな通報制度に基づき一線で働く市区町村の職員の多くは、専門職ではない一般職が担う。「経験が乏しい」「ノウハウも人手もない」。これまで水面下に沈んでいた恐れがある「実態」の告発にどう対応していくのか。課題も次々浮上している。

 さいたま市に住む知的障害の30代男性は父親に殴られ、通所施設で稼いだ工賃を奪われるなど、虐待が疑われた。同市の担当職員はヘルパーからの証言も得て、虐待をやめるよう再三伝えたが、父親は「しつけ」と主張し、なかなか改まらなかった。

 昨夏、男性は父親から激しく殴られて家出。ヘルパーが通報し、親族が捜索願を出したのを受け、同市は男性を一時保護し、「虐待」と認定した。

 昨年10月施行された防止法で市町村は、家庭内虐待について危険と判断すれば、家族の了解なしに家庭に立ち入り調査できるようになった。市は、今後はこの男性のようなケースで事実確認がよりスムーズになるとみている。また、防止法は「障害者の養護者」の支援も定めており、市は父親も高齢者施設で暮らせるように取り計らった。

 毎日新聞の調査では虐待と認定された8割以上を家庭内の虐待が占めた。「家族を罰するのでなく、本人も家族も暮らしやすいよう手助けするのが法の目的。だが、危険性や本人の心の傷は、特に知的障害の場合、確かめるのが難しい」と、さいたま市西区支援課の山田義明障害福祉係長は指摘する。

 一方、障害者の社会参加と絡む職場の虐待については多くの自治体が「労働局との連携」(千葉県、大阪府など)を課題に挙げた。

 防止法は、市町村が単独で調査できるのは家庭内の虐待だけで、施設は指導監督権限のある都道府県と協力しなければならず、職場については、厚生労働省が各都道府県に置く労働局と連携して調査することとされた。

 初期調査を市町村が行い、労働局は必要に応じて協力する形だが、近畿地方の自治体担当者は危惧を明かした。「何度も労働局に協力を求めたが、『通報の中身がよく分からない』『(調査することでかえって障害者の)雇用が切られないか』などと渋られる。強制的な調査権限のない我々に対しては、資料を隠される恐れもある。労働局側の協力がなければ、市町村側も、職場虐待の通報対応に消極的になってしまう」

 また、多くの自治体が「障害特性などに基づく対応のノウハウが不足している」「専門的人材の確保や限られた人員での対応が難しい」といった共通の悩みを抱える。一方で法施行から数カ月の実態を踏まえ、「まだまだ潜在事案がある」と指摘する担当者もいた。

 静岡県は施行直後から毎月の通報対応状況を公表。施行初日の施設虐待の通報を受け、25日後に改善勧告を出した千葉県の担当者は「防止法で通報に対応するルールが明確になり、『法律でこうだから』と調査に取り組みやすくもなった」と評価も語った。

毎日新聞 2013年03月21日 15時00分


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