ゴエモンのつぶやき

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「介護者同伴」福祉パス矛盾

2012年06月02日 02時01分52秒 | 障害者の自立
 障害者の公共交通料金を免除する神戸市の福祉乗車証(福祉パス)=◇=の利用説明書に、2年前から、介護者同伴での乗車を義務づける記述が登場し、車いす利用者らを困惑させている。実際にはそんなルールは存在せず、市民から抗議を受けた市は、記述の削除を決めた。



 「ポートライナー・六甲ライナーを介護付乗車証でご利用の場合は、必ず介護者とともに乗車してください」
 毎年4月に利用者がパスを更新する際、各区役所の窓口で渡される利用案内のチラシには、こう記されている。
 市によると、介護付乗車証とは重い障害がある第1種身体障害者などに交付されるパスで、障害者本人と、付きそう介護者の料金が免除される。障害者が単独で乗車する場合も有効で、本来、同伴は義務づけられていない。
 ところが、2010年版のチラシから突然「必ず~」の記述が登場した。
 きっかけは、両路線を運行する神戸新交通の要望。説明書の更新内容を話し合う毎年の協議の中で「無人駅が多いので必ず介護者を同伴させて欲しい」と市に文案を示した。特に何か事故があったわけではなく、「万一に備えて」ということだったという。
 この要望に、市が本来の運用との整合性を吟味しないまま応じた。記述に気づいた一部の利用者が困惑。長年、街のバリアフリー化運動を続けてきた西区の車いす生活者の男性(47)のもとには、「もう1人じゃ使えないの?」と心配する車いす生活者からの相談が、昨春は2、3件、今春は7、8件寄せられたという。
 この男性は5月中旬、「障害者の外出を妨げる記述で、福祉行政の理念に反している」と市に指摘。市は新交通と協議の上、記述の削除を決めた。
 市保健福祉局と新交通は「単独使用禁止と誤解されかねない表現だった」として、5月23日、削除の告知をそれぞれのホームページに掲載した。
 新交通によると、両路線の大部分の駅には地上、改札、ホームを結ぶエレベーターがあり、多くの車いす利用者らが単独で利用している。一部の駅はエレベーターがないが、電話連絡すれば、有人駅から駅員が昇降器具を持って介助に来ることになっているという。
 市によると、介護付乗車証は今年3月時点で約2万9千人の市民に交付している。昨年の更新時にも、区役所の担当者から同課へ「介護者同伴の必要性について利用者にどう説明すればいいのか」との相談が寄せられていたという。


車いすでポートライナーに乗り込む利用者。「ポートアイランドの市民病院へ1人で通う人も多い」という=神戸市中央区

◇福祉乗車証 神戸市が市内在住の身体障害者や知的障害者に交付しているバスや地下鉄などの共通乗車証。障害の程度に応じて、障害者本人のみ無料になる単独乗車証と、介護者も一緒に無料になる介護付乗車証の2種類がある。

朝日新聞 - 2012年06月01日


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