日本スポーツ振興センター(JSC)は13日、2020年東京五輪のメイン会場となる新国立競技場(東京都新宿区霞ケ丘町10の1)の整備事業で、18年2月に始める大屋根などの工事に向けて、実物大の部材を使った検証模型(モックアップ)を公開した。日本の伝統建築をデザインに取り込んだ独自性があるため、図面上ではイメージできない部分の収まりや大きさ、色味などを実物大で検証するのが目的。
模型は、△大屋根の天井部に当たる大庇(ひさし)と中層部の軒庇△観客席△スタンド出入り口-の3種類。大庇と軒庇は、長さ4.5m(実際の施工時は9m)、幅20cm、奥行き6cmの杉の集成材を集めたルーバーを上下に設置。競技場は空調がないため、夏季の風を取り込むルーバーは密に、冬季の風を受け流すルーバーを粗く配置している。
観客席は白・茶・緑・ベージュ・淡黄のアースカラーを使い、にぎわいを感じるよう工夫。勾配が34度の縦通路の段差や、前後の座席幅(815mm)なども確認できる。スタンド出入り口は、視覚障害者用のブロックや段差の先端の見え方のほか、手すりの安全性を確認する。
新国立競技場は現在、地上工事とスタンドを組み上げ、柱を立てる地上躯体工事が進められている。19年11月末までの施設の完成・引き渡しを目指している。
急勾配のスタンドの出入り口は手すりの位置を工夫
大屋根の天井部に当たる大庇と中層部の軒庇の見え方を再現
2017年10月16日 日刊建設工業新聞社
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