前橋市は、バス・電車の利用や中長距離の歩行が難しい高齢者ら「移動困難者」を対象に、タクシーの利用運賃を補助する「でまんど相乗りタクシー(愛称・マイタク)」を来年一月二十三日から市内全域で運行させる。協力するタクシー会社を利用する際、二人以上の相乗りで一人一回最大五百円、一人だけでの乗車も運賃の半額(一回の支援額上限は千円でそれ以上は自己負担)を補助する。 (川田篤志)
車を持たなかったり、電車など公共交通機関の空白地帯に住んでいたりする高齢者や障害者らの外出を促す目的。民間タクシーを活用した新たな公共交通サービスで、人口減少や高齢化が進む中、人の流れを作ることで地域の活性化を図る。市によると、全国的にも珍しい取り組み。
対象は、市に住民登録がある上で▽七十五歳以上▽運転免許を持たない六十五歳以上▽障害者や要介護・要支援認定者、難病患者、妊産婦ら▽運転免許の自主返納者-のいずれかに該当する人。市の推計では、対象者は約九千人に上る。
利用は一人一日二回、年間百二十回の上限を設けた。乗車地か降車地のどちらかが市内であれば補助対象となる。二〇一四年から行ってきた社会実験で、近隣市町への買い物や通院ニーズがあることが分かり、条件を決めた。
本年度の総事業費は約千百九十万円。市は来年度以降も事業を継続する方針で、タクシーの運賃補助費は年間で約二千五百万~三千万円と見込む。担当者は「財源に限りがある中、事業の継続性や市民の公平性を考慮して制度設計をした」と説明している。
事前登録が必要で、登録証と利用券を発行する。十月一日から市役所や各地区支所などで申請書の配布や受け付けを始める。利用できるタクシーは前橋地区ハイヤー協議会に所属する全十社の車両で、「マイタク」のシールを貼ってもらう。利用できる時間は午前七時~午後六時で、運休日はない。
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