障害者卓球の普及に向けて県障がい者卓球協会が四月一日に設立される。会長には県卓球協会副会長の寺谷義博さん(66)=福井市文京三=が就任する。寺谷さんは昨年の全国障害者スポーツ大会(障スポ)の選手強化に携わった経験を踏まえ「育成した選手や審判員は財産。その受け皿となる組織にしたい」と話す。
普及に取り組む種目は、肢体不自由や軽度の視覚障害、知的障害などの一般卓球と、視覚障害のサウンドテーブルテニス(STT)の二つ。いずれも年二十四回の練習会を予定する。
昨年の障スポでは、三年かけて県内選手を指導するとともに「選手は財産」と組織づくりに奔走。伊藤美誠選手や平野美宇選手らの活躍で「卓球ブームに乗って、競技人口の裾野を広げたい」と話す。しあわせ福井スポーツ協会から財政支援も得られた。
中学時代にバレーボール部の選手だった寺谷さんは、福井商業高校に進学後、小柄だったことから卓球部に転向した。部員は有力選手ぞろいだったが、練習に励んだ末、周囲からは「カットマン寺谷」と呼ばれ、インターハイに出場した。「球は小さくて回転が速い。上達の難しい球技だが奥が深くて面白い」と卓球の魅力を語る。
理事に就任する予定の永下尚也選手(27)=北陸電力、勝山市滝波町=は、来年の東京パラリンピックへの出場を目指す。「障がい者卓球が盛んになることを期待したい」と意欲を示している。
寺谷さんは「障がい者は家に引きこもりがち。卓球を通して、外出するきっかけにしてほしい」と協会への参加を呼び掛けている。
(問)寺谷さん=090(2030)7080
中日新聞 2019年4月1日
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