学校法人「森友学園」が大阪地検特捜部に詐欺容疑などで家宅捜索を受けた事件で、大阪府から詐取した疑いのある幼稚園への「要支援児」の受け入れ補助金について、複数の園職員が「病状把握のために保護者から診断書などの提出を受けたが補助金自体を知らず、申請に使われるとは知らなかった」と府に説明していたことが20日、関係者への取材で分かった。
補助金申請には診断書や障害者手帳が必要で、園側の提出書類の多くには籠池泰典前理事長(64)の直筆とみられる署名があった。5月に府の告訴を受理した特捜部は園の関係者を任意聴取しており、籠池氏が不正受給を主導した可能性があるとみて押収資料の解析を進める。
府によると、問題があるとされるのは、学園が運営する大阪市淀川区の塚本幼稚園への補助金。今年3~4月、府は幼稚園に立ち入り調査し、平成23~28年度の経常費補助金のうち、教員が専任の場合のみ支給される人件費約3440万円が不正受給だったと結論付けた。
さらに、23~27年度に支給した、障害などで特別な支援が必要な要支援児の受け入れ補助金2744万円についても、不正な申請だったと認定。申請には保護者の同意も必要だが、元園児の保護者は取材に「毎年度、診断書の提出を求められたが、補助金に関する説明は全くなかった」と話している。
森友学園を巡っては、大阪府豊中市の旧国有地で開校を目指した小学校について、建築費の異なる3通の工事請負契約書の存在が判明。特捜部は実際の建築費より高く計上し、国から補助金を不正受給したとする補助金適正化法違反容疑でも捜査を進めている。
特捜部による大阪市淀川区の学園事務所への捜索は20日午前6時20分ごろに終了。約11時間に及んだ。籠池氏の自宅や系列保育園にも入った。
2017.6.20 産経ニュース
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