掛川市は、障害者の就労推進に向けた静岡県内初の条例を制定する。障害者が自立した生活を送れる地域社会の実現を目指し、行政や事業主、市民などのそれぞれの役割を明文化する。市議会2月定例会に条例案を提出する方針。同様の条例は大阪府や岡山県総社市などが制定しているが、全国では少数という。
掛川市がこれまでに市議会へ示した骨子によると、前文では障害者雇用をとりまく課題に、「協働」の理念が反映された掛川らしい形で対応していく姿勢を表現する。条文には市や事業主、経済団体、教育機関、市民の取り組みを記載する。
具体的には、市の役割として自らの障害者雇用や公共施設のバリアフリー化の強化を盛り込む。事業主には雇用機会の提供や職場環境の整備、教育機関には障害者福祉に関する教育の充実を促す。
市民に対しては障害者の特性について理解を深めるとともに、施策への協力を求める。
市は2013年度から16年度まで、障害者500人の新規就労を目標にしたサポート事業を展開している。15年4月には専門スタッフを置いた「500人サポート推進室」も開設。事業開始から15年10月末までの実績は322人となっている。
一方、同市を含むハローワーク掛川管内で障害者法定雇用率(2・0%)を達成している事業所の割合は52・9%にとどまっていて、市はさらなる改善の余地があるとみる。
市福祉課の担当者は「障害のある人の就労希望をかなえるためには、事業主や市民の意識向上が最も大きな課題」と指摘し、条例制定で地域の機運醸成を図りたいとしている。
2016/1/6 @S[アットエス] by 静岡新聞
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