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福祉で注目の“射精介助” サービスの狙いを代表者に聞いた

2017年05月09日 09時54分55秒 | 障害者の自立

「射精介助」というサービスをご存じか。自力での射精が困難な男性身体障害者に対し、介護スタッフが射精を介助すること。あくまでも福祉業界のサービスで、介護用手袋をしたスタッフが陰部を刺激して、射精をうながすという。

 日本で(おそらく世界でも)唯一のサービスを行っているのは、新潟にある一般社団法人「ホワイトハンズ」。なぜ始めたのか。代表の坂爪真吾氏が言う。

「自慰行為は、男性にとって心身の健康を維持するために必要なこと。健常者ならいつでも、どこでも無料でできますが、障害がある方は、なかなかできません。人によっては、一生射精できずに終えることもあります。男性の“最低限の性に関する健康と権利”を守る仕組みが必要だと考え、立ち上げたのです」

 サービス開始は2008年。東北や関東、北陸、東海、近畿の5エリアで600人ほどが利用している。

 利用対象者は「二次障害の進行により、自力での射精が困難になった脳性まひの男性」または「難病による筋萎縮・拘縮・まひのために、自力での射精が困難になった男性」に限る。健常者あるいは他の障害を持っていても“自力で問題なくできる”人は対象外だ。

 サービスは、どんなふうに行われるのか。HPによると、湯で絞ったタオルでの清拭で、陰部を清潔にしてから、ローションで陰部周辺のマッサージ。血行が良くなって、勃起が確認されると、コンドームを装着して射精を介助する。その際、利用者の羞恥心を減らすなどの理由で陰部をバスタオルで覆うのが普通で、射精までの平均所要時間は10~15分程度だそうだ。

 全員女性のスタッフは現役の看護師や介護士。ただし医療行為や介護行為(車イスからベッドへの移乗など)は原則行わない。そして、スタッフが裸になったり、肌を触らせたりという行為はご法度。アダルトDVDや写真集を見るのもNGだという。

「あくまで介護行為なので、利用者の性的好奇心を満たす行為は一切行いません。視覚的刺激による性的興奮の喚起も同様です。ケアの具体的な方法についても、快感を最大化するような技術は教えていません」

 料金は30分で2800円。射精は原則1回だ。

 例えば、脳性まひの男性(52歳)は「モヤモヤ、体のだるさが嘘のよう」に軽くなり、同じく脳性まひの男性(53歳)は「(利用した翌朝の)目覚めが良く、数年ぶりに朝立ちした」という。

 メンタル面でも、アテトーゼ型脳性まひの男性(54歳)は「物理的にたまっていたものを出したという以上に、男子としての自信、人間としての尊厳、健全な健康と思考を得た」と語る。

「(法人としての)目標は射精介助を制度化して、食事・入浴介助同様、誰でも気軽に利用できるようにしたい」

 たかが射精、されど射精。ひとりでデキるって、実はすごくシアワセなことなのだ。

「ホワイトハンズ」代表の坂爪真吾氏(C)日刊ゲンダイ

  • 2017年5月8日    日刊ゲンダイ

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