ゴエモンのつぶやき

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等しく生きる 障害者差別解消法施行 第1部・社会へ/3 白沢繁樹さん(39) /鹿児島

2016年04月02日 03時27分17秒 | 障害者の自立

私たちの可能性は無限 白沢繁樹さん(39)=鹿児島市

 「come on HIFUMIYO BASE」。鹿児島市紫原の住宅街に、しゃれた看板の一軒家が見える。昨年10月に開所した障害者の就労継続支援の事業所「ひふみよベース紫原」。中に入ると最近の音楽が聞こえてきた。誰が利用者か職員かわからない。事業所代表の白沢繁樹さんは言う。「利用する人を利用者とは呼びません。一緒に仕事をするメンバーです」

  福祉の専門家ではない。経営コンサルタントをしていた2012年春、障害者の就労支援や生活介護などをしている社会福祉法人からコンサルティング依頼が来た。その事業所に行くと、職員の目が生き生きしていない。「何が楽しくて仕事をしているのだろう」。初めて福祉の世界に足を踏み入れて疑問が湧き、障害当事者と話すとさらに膨らんだ。

 工賃支給日に事業所を訪れると、知的障害のある利用者から「(工賃は)いくらぐらいと思う?」と尋ねられた。20〜23日間勤務したと聞いて10万円くらいと思ったが、実際は8000円だった。「これがまかり通っている世界があるんだな」

 白沢さんは新たな事業を提案したが、事業所側は「この子たちはできないからいいんです」と取り合わなかった。「疑問符がいっぱい頭に浮かんだ。事業が駄目だから工賃も低いのではないか。それなら、僕にも変えられるかもしれない」。そう思った。

 「ひふみよ」は、障害があるため一般企業への就職が困難な人に就労機会を提供し、知識・能力向上に必要な訓練などを行う「就労継続支援B型」の施設。作業は2種類ある。

 「CWS」(クリエーティブワークセクション)と呼ぶ作業部門は、インターネットでの情報収集や写真撮影、イラスト制作などを手がけ、鹿児島市内の美容室のロゴマークなどを制作した。「MWS」(マニュファクチャリングワークセクション)と呼ぶ作業部門は、自社商品のインスタントラーメンの包装や通販商品の発送などをしている。どちらもスキルアップできる仕組みで、得意な作業は何か、個々人に最適なやり方は何かを探る。障害者差別解消法でいう「合理的配慮」だ。

 県によると、14年度の就労継続支援B型の平均工賃は月額約1万4000円。ひふみよの1月時点の平均工賃(17人)は1万8413円で、今後さらに上げていくつもりだ。

 事業所には知的、精神、身体障害者や難病患者がいる。「あなたはできない」と言われてきた人が多いと、白沢さんは感じる。

 「周りから『できない』と言われたら、できない。可能性は無限で、限界を決めるのは自分だけ。自分のやったことが社会に影響を与えていると感じてほしい」

毎日新聞   2016年3月31日 地方版=随時掲載


WiCCが「障害者差別解消法 ICT活用プログラム」実施

2016年04月02日 03時21分03秒 | 障害者の自立

Windows クラスルーム協議会(WiCC)は、東京大学先端科学技術研究センター 人間支援工学分野と連携し、タブレット端末、高速Wi-Fiを貸与するなどして、ICTを活用した合理的配慮を推進する「障害者差別解消法 ICT活用プログラム」を18日から展開する。

「障害者差別解消法 ICT活用プログラム」では、Windows クラスルーム協議会は、学習などに困難のある児童生徒を支援するために、タブレット端末、高速Wi-Fi、学習や生活を支援するためのソフトウェア、アプリなどのICT環境を提供する。

東大先端研 人間支援工学分野は、ICTを活用するためのアドバイス、指導を実施。また、日本マイクロソフトは、Windows クラスルーム協議会の事務局として、同プログラムのプロジェクトマネジメントと、Windows、Office のソフトウェアとサービスの利活用の指導を行う。

実施期間は、2016年4月18日~2017年3月31日で、現在プログラムに参加する教育委員会、私立学校を募集している。

2016年4月1日    ICT教育ニュース


知的障害者の高齢・重度化に備える姿勢ケア 国立のぞみの園

2016年04月02日 03時11分56秒 | 障害者の自立

 利用者の高齢化・重度化が進む群馬県高崎市の国立重度知的障害者総合施設のぞみの園(遠藤浩理事長)は、個々に合った車いすを製作・調整するなどして安楽な姿勢ケア(シーティング)に努めている。コミュニケーションの取りづらさなど知的障害者ならではの難しさがあるというシーティング。声なき声にどう応えるかが大きな課題になっている。

  1971年に重度知的障害者などを終生保護する国立コロニーとして開所した、のぞみの園。2003年の独立行政法人への組織変更を契機に、知的障害や発達障害のある人の自立支援とそのための調査・研究を行い、成果を普及したり、支援者の養成・研修などをしたりする施設として生まれ変わった。530人いた利用者の地域移行も積極的に進めた。

  姿勢ケアの始まりは05年に就職した理学療法士(PT)の金子暁さんが、仙骨座りや褥瘡、拘縮などの2次障害が多い車いす使用者を見て「何とかしたい」と思ったこと。当時、60人が車いすを使っていたが、その大半が標準型とリクライニング型だった。

  その後、日本シーティング・コンサルタント(SC)協会の講演会などで姿勢ケアの重要性を学んだ金子さんは、10年に同協会のSC資格を取得。身体障害者の補装具制度を活用して、個々に合った車いすを製作し、クッションを調整するなど本格的に取り組んだ。

  すると褥瘡が治ったり、食事が1人でできるようになったり、作業活動が安定する人が続出。2次障害も予防でき、職員の負担も軽減された。そんな姿勢ケアの重要性は全職員に認識され、毎週1回交代でタイヤの空気圧やブレーキの効き具合などを点検・整備するまでになった。

多職種が連携して

  1月1日現在の利用者は253人(平均年齢62・2歳、平均障害支援区分5・8)。その大半が地域移行の難しい医療的支援が日常的に必要な人、高齢化などで身体的機能が著しく低下して常時介助が必要な人、自閉症・発達障害・行動障害が顕著で特別な支援が必要な人だ。車いす使用者は100人いる。

  車いす使用の判断は、3人のPTを中心に行う。のぞみの園は、加齢に伴い著しく機能が低下する知的障害者の特徴を考慮し機能訓練に力を入れており、ケガ防止用プロテクターを装着したり、靴を調製したりするなどして歩くことを可能な限りサポートしている。訓練内容はPTと生活支援員など多職種が参加するケースカンファレンスで決めており、歩行が限界になったときに車いすを使用する。

  製作はPTと市内の義肢製作会社の義肢装具士が個々の身長・座幅・膝下の長さ、肘・膝などの可動域、座位能力などを計測・評価し、オーダーメードで行う。最も大切にしているのは、安楽な姿勢を保持することだ。

  ベースとなるのは「かがまずに足でブレーキをかけられ腰部の負担が少ない」と生活支援員から好評価の㈱松永製作所のティルト・リクライニング型車いす「マイチルトシリーズ」で、座幅などを合わせ、座面を板に変えたり、横倒れ防止装置や転倒防止ベルトを付けたりする。クッションは㈱タカノのウレタン製や、㈱アクセス・インターナショナルのジェル系、エアータイプなど座位保持能力に合わせて選ぶ。

  欠かせないのが、生活状況の変化などを担当の生活支援員に確認することだ。「高齢・重度化した知的障害者は身体障害者や高齢者のように自ら痛みを訴えることも、車いすに座って何をしたいかも言えない。日々、状態に変動があり、可動域などの正確な計測も難しい。だからこそ多職種が連携し、声なき声をくみ取らないといけない」と金子さんは話す。

  また「知的障害者は不意に気を取られたり、歩いていた記憶があるため車いすから立ち上がろうとして転倒したりすることが多い。それを防ぐためにも保護者などの了解を得て車いすに転倒防止ベルトを付けている人が多い。やはり安全が第一。高齢者などとは違う難しさがある」という。

  コミュニケーションなどさまざまな困難さがあるために丁寧で慎重なシーティングが求められる高齢・重度化した知的障害者の姿勢ケア。毎日の積み重ねの中で培われたそのノウハウは、広く普及されるべきことだろう。

義肢装具士と一緒に身体状況・機能を評価する金子さん(左)

義肢装具士と一緒に身体状況・機能を評価する金子さん(左)

2016年0401日    福祉新聞編集部


今日から「障害者差別解消法」が施行!何がどう変わる?

2016年04月02日 02時59分17秒 | 障害者の自立
「内閣府」リーフレット
「内閣府」リーフレット

「障害者差別解消法」がスタートした。

障害による差別を禁止する法律が施行

今日2016年4月1日から「障害者差別解消法」がスタート。

会社やお店、ボランティアグループなどサービスを繰り返し継続する事業者を対象に、障害を理由とする「不当な差別的取扱い」が禁止され「合理的な配慮の提供」が求められる。

障害に関わらず住みやすい社会へ

障害者差別解消法は、障害によって平等な機会が奪われている現状を解消するのが目的だ。

「差別行為の禁止」などはすでに障害者基本法に定められているが、現在の日本にはまだまだ障害者の社会参加を妨げる壁があることが調査で明らかに。

「内閣府」リーフレット

「内閣府」リーフレット

障害の有無にかかわらずに安心して暮らせる社会をつくるためには、障害に基づく差別を禁止して平等なチャンスを保障する法律が必要とされ、2013年に成立した。

具体的にどのような行為が禁止に?

「不当な差別取扱い禁止」と「合理的配慮の提供」とは、具体的にはどのようなことなのだろうか?

内閣府は「不当な差別取扱い」の例として、次のようなケースをあげている。

  • 受付の対応を拒否
  • 本人を無視して介助者や支援者、付添人だけに話かける
  • 学校の受験や入学を拒否する
  • 障害者向け物件はないと言って、対応しない
  • 保護者や介助者が一緒にいないと入店できない

正当な理由なく、障害を理由にサービスの提供を拒否・制限したり、条件を付けることを禁止。正当な理由がある場合には、その理由を説明し、理解を得るように努める。

「合理的配慮」とは?

また、「合理的配慮」の具体例としては次のようなケースを紹介。

  • 講演などで、障害特性に応じて座席を決める
  • 代筆を頼まれた時は、問題のない書類の場合は代わりに書く
  • 意思を伝えあうために、絵や写真のカードやタブレット端末を使う
  • 段差がある場合に、スロープなどを使って補助する

内閣府は、障害の種別や生活シーンから合理的配慮の事例を探せる「合理的配慮サーチデータ集」をホームページ上で公表。

今後さらに具体例を集め、内容を充実させるとしている。

諸外国では、すでに法律化

障害者への差別を禁止し機会の平等を保障する法律は、欧米諸国やオーストラリア、韓国など多くの国ですでに施行されている。

ドイツでは2002年に「障害者同権法」が、2006年には「一般的平等取扱法」が制定。

2006年には国連で、障害者が社会の一員として尊厳をもって生活することを目的とした「障害者権利条約」がつくられた。

イギリスでは2010年に「性差別禁止法」や「障害者差別禁止法」を統合した「平等法」が制定。

日本でも、千葉県や北海道、熊本県などでは障害者の権利に関する条例がつくられ、障害を理由とした差別は禁止されている。


支援ボードのデジタル版公開=交通機関の円滑利用で

2016年04月02日 02時38分12秒 | 障害者の自立

 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団は31日、障害者や高齢者、日本語が分からない外国人らが交通機関を円滑に利用できるよう開発したサポートツール「コミュニケーション支援ボード デジタル版」を公開した。
 ソフト面(人的対応)のバリアフリー化を推進するモビリティ財団は、絵記号や図記号(ピクトグラム)を示して会話や案内をサポートする同支援ボードの紙版を2007年に作成し、交通機関や観光案内所などに配布している。利用者からタブレットやスマートフォンでも使用したいとのニーズが高まったため、まず案内する側の使用を想定した「デジタル版」を開発した。
 同デジタル版は、誰でも自由に利用できるよう、ソフトをダウンロードする必要がないブラウザ対応式を採用。紙版では日英中韓の4カ国語併記だった対応言語は、より多くの外国人を案内できるようにドイツ語やフランス語、タイ語など19カ国語に拡大した。「どういたしましたか?」で始まる質問に、「行きたい場所」「忘れ物」といった回答例を分かりやすいピクトグラムで表示し、選択回数が少なくて済むシンプルな構造になっている。
 また、障害者や高齢者に配慮した基本会話例や指で書ける「筆談ページ」を用意、路線図や遅延情報ページにリンクする便利機能も搭載した。
 2020年には東京五輪・パラリンピックが開催されることもあり、さらに訪日外国人の増加が予想されるため、同財団は「こうしたサポートツールの需要も増加していくのではないか。今回のデジタル版、配布している紙版を役立てていただければ」としている。
 「コミュニケーション支援ボード デジタル版」は同財団のほか、ヴァル研究所と時事通信社が共同で開発した。ウェブサイトはこちらへ。

「コミュニケーション支援ボード デジタル版」の画面表示例

「コミュニケーション支援ボード デジタル版」の画面表示例

2016/03/31    時事通信