今話の冒頭にあった、ハリソンさんが
無花果と卵をどうやって宿というか、下宿に持って帰ったのかの謎
が、クレールさんに明かされる事となりますが、
それは第22話までお待ち下さい。
そして、クレールさんが 「 先生 」 と言っているのは、
やっぱりデュポン先生の事なんでしょうか?
確かに、デュポン先生、第9話で、
「 トリストラム・シャンディ 」 7巻の部分訳をテキストに、
英語教室の生徒への授業をしていて、
マー坊も特別聴講していましたが。
それから、しばらくペンディング状態だった、
ハリソンさんとアラベラさんとの関係がどうなって行ったのか、
それも出て来るかもしれません。
今まで、漫画の中では描かれて来なかった、
マー坊の特技も、22話か23話で突如として描かれる事となります。
実は、その当時、技術的にとても難しいとされていたある事が、
マー坊にはスラスラとできたんです。
ところで、昨日、 「 むすんでひらいて 」 が 「 ルソー作曲 」 と教材関係に堂々と書いてあった、
― と、書いたのですが、作者が使用したヴァイオリン教則本の第1巻には、
作曲者の名前の記述が無い事を確認しました。
…複雑な事情を考慮して、無記入となったんでしょうか?
ルソーさんについては、「 トリストラム・シャンディ 」 第9巻の17章中にも一箇所、
ほんのちょびっとだけ言及があるのでした。
シャンディさん、ルソーさんを凌ぐ程の慎ましい暮らしぶりをしていると、
冗談半分で自慢しているんですが。
作者、ルソーさんについて調べれば調べる程、
ルソーさんの気高さに尊敬の念を持つようになって来ました。
一番凄いのは、この物語の頃には逆風が吹き荒れていて、
少なくとも欧米中には敵だらけで、
いじめやいじりを受けまくっていたというのに、
自らの思想を曲げず、
でも命を絶ったり、処刑されたりもせずに、
生き抜いたという事です。
ルソーさんをからかった側の代表者である、
ウォルポールさんのモデルとなった人の全ての肖像画を見ましたが、
例え生まれや育ちや身なりが良くっても、
いかにもロココっちい軽やかさで、
ルソーさんが放つ普遍的な高貴さには及びません。
絵にはどちらかと言えば、製作者の性質の方が色濃く出る物ですし、
しかも、それぞれの肖像画の作者は別々の人なのですが、
― それを差し引いてもです。
まあ、でも少なくともこの話の中のルソーさん、
この話の中のウォルポールさんに対しては、
ハリソンさんがほとんどホラーな方法で仇を取ってくれますので。
第22話はまた出来次第となります。