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 漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

金は出しても口出すな 2

2009年12月31日 16時11分04秒 | トリシャン・カノ紳version.

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 同じく第2巻19章から。

 ウォルターは、帝王切開なら大脳も小脳も損傷しないという考えに到達。
この方法で誕生した史上の数々のヒーロー達もこの説に花を添え、
説得力を与えていた。

 だが、エリザベスの反応にウォルターは、
これについてはもう言わない方が良さそうだと判断。

 こんなように、出産方法の選択の話し合いが、
妻との間に何度も繰り返された挙句、妥協案が成立。
エリザベスのしたいようにさせるが、
有事の際にはスロップ医師に判断と処置を任せる。

 結局、難産でスロップ医師の出番となり、
鉗子分娩によって子供の鼻が潰れる。


 え~っ、また付け加えさせてもらうと、
子宮口が全開の10センチまで開き、
子供が骨盤内まで下がっている時に使わないと、
子供の体に損傷を与え、引きちぎってしまう事も
あったと。

 母体もズタズタに引き裂いて傷付け、
もちろん麻酔無しなので、現場はやはり阿鼻叫喚の凄まじい状況。

 産婦からは、この方法も胎児転位法と同じく恐れられていたそうです。 

 

金は出しても口出すな 1

2009年12月31日 15時32分00秒 | トリシャン・カノ紳version.

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 第2巻19章から。

 ウォルターは、人間の霊魂が小脳の中に宿るという説の支持者で、
出産の際に、子供が頭を下にして出て来た場合、
産道の圧迫で大脳が小脳に押し付けられて小脳が損傷を受けると
信じ込んでいた。

 胎児転位法で足から引き出すなら、
これが防げると言うので、ウォルターはこの施術ができる上に、
この方法を推奨 ( ただしウォルターとは別の理由で ) している
スロップ医師に任せようとしたのだが、
エリザベスは抵抗する。


  え~っ、付け加えますと、ちなみに 「 足転位 」 というのは、
難産の際に、医師が産婦の子宮内に手を入れて、
胎児を回転させた後、足から引きずり出すようにする方法です。

 産科でエーテルやクロロホルムが使用されたのは1848年からで、
( 漫画の年代は1718年。 ) それまでは無麻酔で行われたため激痛を伴い、
産婦は 「 どうかわたしを殺して! 」 と絶叫し、
家族や親せきもつらくていたたまれないといった状態。

 医師ですら、現代で言う所のPTSD=心的外傷後ストレス障害になった者もいたほどであったと。