風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

社交家

2018-06-26 15:34:37 | 昭和つれづれ

   

 これも、自分の記憶というより、母から聞いた話である。

当時、五歳の私を頭に、三歳の妹、一歳の弟がいた。

母も忙しかったのだろう、わたしを馴染みの床屋へ連れて行った際、

終わったら来るからと言いのこして、いったんどこかへ行き、終わったころに迎えに来ると、

にこにこした床屋さんが、

「お嬢ちゃんはなかなかの社交家ですねえ、お話が上手でしたよ」と言われたそうである。

何を喋ったのかと思うと、恥ずかしくて顔が赤くなった、と母から何度もその話を聞かされた。

大人には大人の都合があるから、子供にべらべら喋られたら困ることでもあったのかしら。

 三つ子の魂百まで、と言うけど、社交家かどうかはともかくとして、

今もわたしはお喋りで、それを恥ずかしがるのは、今は母ではなく、息子になってしまった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿