これも、自分の記憶というより、母から聞いた話である。
当時、五歳の私を頭に、三歳の妹、一歳の弟がいた。
母も忙しかったのだろう、わたしを馴染みの床屋へ連れて行った際、
終わったら来るからと言いのこして、いったんどこかへ行き、終わったころに迎えに来ると、
にこにこした床屋さんが、
「お嬢ちゃんはなかなかの社交家ですねえ、お話が上手でしたよ」と言われたそうである。
何を喋ったのかと思うと、恥ずかしくて顔が赤くなった、と母から何度もその話を聞かされた。
大人には大人の都合があるから、子供にべらべら喋られたら困ることでもあったのかしら。
三つ子の魂百まで、と言うけど、社交家かどうかはともかくとして、
今もわたしはお喋りで、それを恥ずかしがるのは、今は母ではなく、息子になってしまった。
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