大河ドラマ「平清盛」を楽しみにしているという友だちに誘われ、
雨の降る昨日、「龍国寺」へ行った。
清盛の長男、重盛の娘婿が創建したという糸島半島の禅寺である。
雨に濡れた寺の風情も、庭の緑もなかなかのものだった。
お住職は、丁度ご法事の最中で、奥さまが案内してくれた。
話の途中で、この奥さんが、チェルノブイリ事故いらい、20何年も前から、
原発いらない……活動を続けてきたことを聞いた。
「まだ、まにあうのなら」という冊子も著している。
ずっとずっと、心配してきたことが、福島でおこったと憂いていた。
寺の周囲の田圃を工業団地化されるのも直前で知り、
これも孤軍奮闘して未然に防いだそうである。
堂内の廊下、障子の桟、塵ひとつなく拭きあげ、住職を助け、かつ、こうした活動に取り組む、
偉いひとがいるもんだと感心しながら辞去しようとしたら、
いつの間にか、お嫁さんらしい若い女性と、孫娘らしい小学生が三人並んで正座して
三つ指ついてお辞儀をしてくれた。
石段を下りて、山門を仰ぐと、
上の式台のところでまだ三人が正座のままでこちらを見送ってくれていた。
なにやら、ひどく恐縮。