風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

お猫さま

2012-09-12 22:45:13 | 猫および動物
             秋田県知事に、プーチン大統領からお猫さまが贈られるそうである。
               写真で見れば、さすがに見事な毛並みの猫である。

                  しかしなあ、相手は生き物。
                育てるのはさぞや気骨が折れることだろう。

                知事さんの奥さまがお育てになるのだろうか。
                  あるいは秘書官だろうか。
                 はたまたお抱えの獣医だろうか。

             風子ばあさんは、取りこし苦労のたちだから、気が気ではない。

               晩年、病気がちだったタマのことなど思いだす。
          大統領からのお猫さまとは比ぶべくもない、雑種の野良あがりだったが、賢くて、愛らしかった。
 
                 
                「見るだけのつもりの仔猫抱き帰る」
                素直に詠めていると、句会で特選にえらばれた。

                 「姫と名づけた愛する猫がサンマ獲る」
                  こちらは誰からも相手にされなかった。

               あとから注釈をつけるのは愚の骨頂だが、恥をしのんで注釈をつければ、
            あまりの愛らしさに、タマに「子」をつけ、「姫」をつけ、タマ子姫と命名したのだ。
        しかし野良猫あがりの姫はこちらの目を盗んで食卓の上のサンマをかっさらって逃げるのであった。

               氏より育ちというわけにはいかなかった。

           うちの息子が、今のヨメサンとその母親を初めて我が家に呼んだとき、
                風子は前もって念を押された。
            
           「お母さん、今日は、タマの自慢をしないでね」
           「息子の自慢が出来ないんだから、猫の自慢くらいするさ」
             と言ってやった。

              プーチンさんのお猫様のニュースから、
            久しぶりに我が愛猫、タマ子姫のことを思い出した。
              
                 あれは、いい猫だった。