風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

兄弟

2011-09-03 10:07:40 | ほのぼの
   親の代からの自転車屋の兄弟を、
  風子ばあさんは学生のころから知っている。
  卒業してすぐに、二人とも親と一緒に店で働いた。

   あれから40年、
  すでに親父さんは亡くなっているが、
  跡を継いだ二人は今も仲良く店にいる。

   穏やかな兄弟で、ほんとに仲が良い。
  しかし、ずうっと一緒にいて揉め事ってないのかしらんと
  下衆な風子ばあさんは勘ぐる。

  「ねえ、あなた達、正直に教えて。喧嘩することってないの?」
お客さんのいないときは結構やりあいますよ、とでも言うかと思ったら、
  「ないですねえ」
  ふたりとも即座に笑顔を見せる。

  「ほんとかなあ」
  風子ばあさんは疑り深い。
 
  「いや、ほんとですよ。なあ?」
  兄貴が弟を見る。

  「ええ、小さいころから、一度も喧嘩ってしたことがないんですよ。
   齢が離れているからでしょうかねえ」と弟。

  「いやあ、争うほどの財産がないからですよ」と兄貴。

   ほんとに爽やかだなあ。
  それに、二人ともすご~くハンサム、今風にいえばイケメンなのだ。
  売った自転車には、とにかく誠心誠意責任を持ってくれるし、おすすめ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする