家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

「建具の日」――職人の「仕事」を大切に

2006年04月10日 | 家について思ったことなど
4月10日は「建具の日」。
「4(よ:良)い10(と:戸)」という語呂合わせによる。


実は、かつて我が家の向かいには建具屋さん一家が住んでいた。その家には私と同級生の長男を筆頭に3人の男の子がいて良く一緒に遊んだ。
いつも木のにおいがした作業場は、私の原風景のひとつといえる。

その家の親父さんは働き盛りに亡くなり、建具屋さんは継がれなかった。やがて息子たちはそれぞれ巣立っていき、家はご近所の方が譲り受けた。

作業場は、今は倉庫として活用されている。
我が家づくりでは、ご近所の厚意にずいぶん助けられたが、この倉庫を家財の一時保管場所として使わせてもらえたのは特にありがたかった(関連エントリ)。

家財の中に、かつて商売をしていたときに使っていた大きな反物(たんもの)棚がある。それは、父が建具屋の親父さんに特別に頼んで作ってもらったものである。3人の息子たちの学習机をその親父さんが作ったことを知っていたこともあり、大体の家具は作れるだろうと頼んだものだ。

今から思えばこの反物棚が、かつての建具屋の作業場が使えるよう、とりなしてくれたのではないだろうか。

この反物棚は作られてからかれこれ30年は経っている。今となっては建具屋の親父さんの数少ない現存する「作品」ということになる。
大人4人がかりで運ばなければならないような大きさで、貧乏性を自認する我が家が簡単に捨てられるようなシロモノではなかった。どことなく「昭和のにおい」のような味わいもあり、はなから処分するという発想はなかった。
この反物棚は、現在は「ミシン室」にぴたりと収まっている。
設計段階ですでにそう決めていたことは言うまでもない。


<建具関連のエントリ>
古屋の「雪見障子」のこと
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/af01eeeccb0d56ff1016c4a3995baaff
山小屋の物置に旧家屋の戸を再利用したこと
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/18b552081bafed2ed4cd0acf3af1cbd7
新しい家には「ドア」がひとつもないこと
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/f0f6fea20b41aabc27d6d941cf93ef20

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2 コメント

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作品ですね (lunapapa)
2006-04-15 00:22:42
思い入れがある建具っていいですね。

最近では既製品が蔓延っていて建具屋さんの出番が少ないですが、やはり手作りの作品には味があります。



うちも建具が多いのですが、あまり愛想の良い職人さんではないので、言葉より早く作品を見てみたいです(笑)。

家にぴたりと収まることを期待しています。

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職人 (garaika)
2006-04-15 08:01:30
lunapapaさん、どうも。



>愛想の良い職人さんではない



いかにも職人っぽいじゃないですか(笑)。

返答はなくとも、期待していることはにじませましょう。

そして、作品が満足できる仕上がりだったら、喜んでいることを職人さんに伝えたいですね。

そういう人って内心すごく感激してくれるように思います。
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