家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

「建てずに死ねるか! 建築家住宅」

2005年01月06日 | 家について思ったことなど
建築家と一口に言っても、その信条・形態・仕事ぶりは様々だ。
一方、建築家を探す施主の方も要望が多様である。そのため、ミスマッチが時に悲劇を呼ぶ。
ゆえに依頼先選びは慎重にやらなければならないが、困ったことに建築に関して素人の施主は、自分にあった建築家を選ぶ確たる自信はない。まさに暗中模索といった感がある。
 施主にとってのそんな暗闇に薄明かりをもたらす本がある。
 それが、「建てずに死ねるか! 建築家住宅」(大島健二著 エクスナレッジ社)である。

もっとも、この本を読んだ時は、逆に徒手空拳で建築家探しをするリスクを思い知らされた。
私にとっては恐ろしい建築家、「家」に関する考え方が相当な角度で違っている建築家、スキルが不安な建築家がごろごろいる。暗闇で全然見えない怖さもあるが、うっすら見えるゆえに怖い、ということもあるのである。
前進するのであればリスクは見えた方がいい。リスクを避ける手段を考えることができるからだ。そういう意味で有用な本である。そしてリスクに抗しきれない人は違う手段で家を建てることになるのだろう。

 この本では、「絶対に『建築家』に頼んではいけない人」なる章がある。そこを読んで、幸いにして私はおおまかに「頼んでもいい人」の範疇にあるらしいと判断できた。建築家を探すという自分の行為に変な安心感も得た。

 建築家をいろいろなジャンルに区分けしているのが、この本のいいところ。しかし・・・。
建築家を決めた後、どのあたりにカテゴライズされるのか、改めて見てみたが、なんとなくここかなと思えるジャンルはあるものの、しっくりこない。経歴パターンもかなり違う。
それだけ建築家の分類は難しいのだ。「薄明かり」という認識をそのときにしたのだった。

私はこの本、税金を払って読んだ(図書館で借りた)のだが、蔵書にしてもおかしくはないくらいためになった。未読の施主のために目次の大見出しのみ以下に紹介。
・これが「建築家住宅」だ!
・「建築家」とは何ぞや?
・建築家住宅の謎
・「建築家」にもいろいろいる
・「建築家」はどこにいる?
・建築雑誌の読み方
・絶対に「建築家」に頼んではいけない人
・建築家、その使用上の注意
・建築家住宅に住む覚悟
・「建築家住宅」の未来