こんな本を見つけました。
『白地も赤く百円ライター??知花昌一 新・非国民事情』
下嶋哲朗 著
著者はすでにこのブログで紹介した、『生き残る??沖縄・チビチリガマの戦争』と同じ下嶋さんです。
タイトルからしてスゴイ。「日の丸」の「白地“も”赤く」したらどうなるか。ものの見事に赤旗ですね。
知花昌一さんが日の丸を百円ライターで赤旗に変えてしまった、という話です。
一九八七年一〇月二六日、読谷村(よみたんそん)の沖縄“国体”男子ソフトボール試合会場に翻る「日の丸」が燃え上がりました。日の丸転じて“火の丸”。
おわかりでしょうが、ここでいう「国体」は国民体育大会であって、天皇を中心とした国の体制を意味する「国体」ではありません。
沖縄県読谷村は大勢の“自決”者を出したチビチリガマを持つ村で、日の丸を掲げた日本軍に裏切られ、天皇の国日本本土によって抑圧され続けた体験から、沖縄が日本に復帰した後も一貫して公の場に「日の丸」を掲げたことはありませんでした。
その読谷村に復帰後初めて「日の丸」が揚がったのです。
「日の丸を揚げなければ国体の会場を変更する」と脅迫同様の通告をされ、村は外圧に屈指て、「日の丸」はそのシンボルともいえるものでした。
「日の丸」を引きずり降ろす知花昌一さん。
日の丸を焼いた本人、知花昌一さんが逮捕されることはあり得たとしても、友人の知花盛康さんまで逮捕。ことはそれだけにとどまらず、右翼・暴力団による報復事件が相次ぎました。
知花昌一さんが経営するスーパーが深夜放火され、さらにその6日後、白昼お客さんのいるスーパーに殴り込みがかけられ、バールやハンマーで店内はむちゃくちゃにされました。
また、チビチリガマの集団自決を追悼する「世代を結ぶ平和の像」がやはり右翼によって打ち壊されました。破壊された平和の像の前には「国旗燃ヤス村ニ平和ワ早スギル天誅下ス」と書かれたビラと手描きの粗末な「日の丸」が鉄でできたモリにくくりつけられて、地面に突き立てられていました。
右翼にとっては、「日の丸」をこのように扱うことに対しては「良し」とされるようです。雑な扱いにしか見えませんが。
知花昌一さんはたった230円で有名人になりました。旗のロープを切ったカッターが130円、ライターが100円です。
沖縄地裁前で報告する知花昌一さん。
「日の丸」はただの旗ではありません。日本の国の中にはこの旗のもとに天皇に従うことを強制され、悲惨な戦争で家族を失った人が大勢いますし、それ以上にかつて植民地であった国々にとっては「侵略」のシンボルです。
もしドイツがいまだにハーケンクロイツ(鉤十字)を国旗に掲げていたら、世界の国々はどう感じるでしょうか。「日の丸」はナチスドイツのハーケンクロイツと同じ意味なのです。
この本には革新の星と言われた山内徳信村長の苦悩と、逮捕され、村長の告訴によって裁判にかけられる村長の教え子、知花昌一さんとの間に横たわる矛盾がありのまま書かれています。
そしてその矛盾は、読谷村だけの問題ではなく、沖縄全体の、いえ、それ以上に日本という国がかかえる矛盾でもあると思うのです。
下嶋さんの本はとても読みやすくて調査もしっかりしています。しかし残念ながらこの本、絶版です。興味のある人は古本屋で探しましょう。
もう一冊、同じ下嶋さんの『 沖縄「旗めいわく」裁判記』は知花昌一さんの裁判奮闘記で、これはただいま取り寄せ中。これも残念ながら絶版。
◆◆◆◆◆
買いそこなっていたボジョレー・ヌーヴォーの「ヴィラージュ」が家にやってまいりました。
アシのYが地元船橋のマックスバリューで入手。買って来てくれました。
しかし、そのアシのYは、今体調を崩して食事制限中。せっかく買って来たボジョレー・ヌーヴォーを飲むことができません。
残念!
◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆
◆あなたの原稿を本にします◆
詳しくはメールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで
『白地も赤く百円ライター??知花昌一 新・非国民事情』
下嶋哲朗 著
著者はすでにこのブログで紹介した、『生き残る??沖縄・チビチリガマの戦争』と同じ下嶋さんです。
タイトルからしてスゴイ。「日の丸」の「白地“も”赤く」したらどうなるか。ものの見事に赤旗ですね。
知花昌一さんが日の丸を百円ライターで赤旗に変えてしまった、という話です。
一九八七年一〇月二六日、読谷村(よみたんそん)の沖縄“国体”男子ソフトボール試合会場に翻る「日の丸」が燃え上がりました。日の丸転じて“火の丸”。
おわかりでしょうが、ここでいう「国体」は国民体育大会であって、天皇を中心とした国の体制を意味する「国体」ではありません。
沖縄県読谷村は大勢の“自決”者を出したチビチリガマを持つ村で、日の丸を掲げた日本軍に裏切られ、天皇の国日本本土によって抑圧され続けた体験から、沖縄が日本に復帰した後も一貫して公の場に「日の丸」を掲げたことはありませんでした。
その読谷村に復帰後初めて「日の丸」が揚がったのです。
「日の丸を揚げなければ国体の会場を変更する」と脅迫同様の通告をされ、村は外圧に屈指て、「日の丸」はそのシンボルともいえるものでした。
「日の丸」を引きずり降ろす知花昌一さん。
日の丸を焼いた本人、知花昌一さんが逮捕されることはあり得たとしても、友人の知花盛康さんまで逮捕。ことはそれだけにとどまらず、右翼・暴力団による報復事件が相次ぎました。
知花昌一さんが経営するスーパーが深夜放火され、さらにその6日後、白昼お客さんのいるスーパーに殴り込みがかけられ、バールやハンマーで店内はむちゃくちゃにされました。
また、チビチリガマの集団自決を追悼する「世代を結ぶ平和の像」がやはり右翼によって打ち壊されました。破壊された平和の像の前には「国旗燃ヤス村ニ平和ワ早スギル天誅下ス」と書かれたビラと手描きの粗末な「日の丸」が鉄でできたモリにくくりつけられて、地面に突き立てられていました。
右翼にとっては、「日の丸」をこのように扱うことに対しては「良し」とされるようです。雑な扱いにしか見えませんが。
知花昌一さんはたった230円で有名人になりました。旗のロープを切ったカッターが130円、ライターが100円です。
沖縄地裁前で報告する知花昌一さん。
「日の丸」はただの旗ではありません。日本の国の中にはこの旗のもとに天皇に従うことを強制され、悲惨な戦争で家族を失った人が大勢いますし、それ以上にかつて植民地であった国々にとっては「侵略」のシンボルです。
もしドイツがいまだにハーケンクロイツ(鉤十字)を国旗に掲げていたら、世界の国々はどう感じるでしょうか。「日の丸」はナチスドイツのハーケンクロイツと同じ意味なのです。
この本には革新の星と言われた山内徳信村長の苦悩と、逮捕され、村長の告訴によって裁判にかけられる村長の教え子、知花昌一さんとの間に横たわる矛盾がありのまま書かれています。
そしてその矛盾は、読谷村だけの問題ではなく、沖縄全体の、いえ、それ以上に日本という国がかかえる矛盾でもあると思うのです。
下嶋さんの本はとても読みやすくて調査もしっかりしています。しかし残念ながらこの本、絶版です。興味のある人は古本屋で探しましょう。
もう一冊、同じ下嶋さんの『 沖縄「旗めいわく」裁判記』は知花昌一さんの裁判奮闘記で、これはただいま取り寄せ中。これも残念ながら絶版。
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アシのYが地元船橋のマックスバリューで入手。買って来てくれました。
しかし、そのアシのYは、今体調を崩して食事制限中。せっかく買って来たボジョレー・ヌーヴォーを飲むことができません。
残念!
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