11月11日は酉の市です。
近所の天沼八幡でもささやかな酉の市が開かれました。
夕方、かみさんとのぞきに行きました。小雨が降っていて人出はいまいち。
屋台もほんのわずかで、たこ焼き、焼きそば、べっこう飴と熊手の屋台が一軒。
神楽殿では奉納舞踊が行われていました。出演者は近所のおばあさんたちです。
それでも、ふだんから練習を重ねているせいか、なかなか基本がしっかりしていて、たいしたもんです。
酉の市といえば熊手。屋台では人出が少ないわりにポツポツと売れています。
どうやら、熊手だけを買ったら雨のせいで長居せず、さっさと帰ってしまっている様子。
さて、酉の市。酉の市とは、鷲(おおとり)神社(大鳥神社)の祭神である日本武尊が、東征の祝勝を花畑の大鷲神社の地で行ったことにちなみ、日本武尊が亡くなった日とされる11月の酉の日に大酉祭が行われたのがはじまりです。
だから、初酉(最初の酉)が本命ですが、酉の日は12日に一回訪れますから、11月中には2~3回あります。
最初が一の酉、次が二の酉、三度目があるときは三の酉ということになります。
昔からの言い伝えで、三の酉まである年の冬は火事が多いといわれています。でも何の根拠もありません。
最も著名な酉の市は、浅草の鷲在山長国寺(じゅざいさん・ちょうこくじ)境内の鷲大明神社で行われる酉の市。
現在では、花園神社(東京都新宿区)、鷲神社(東京都大田区)、大鳥神社・市守神社(東京都八王子市)、大鷲神社(神奈川県横浜市南区)、鴻神社(埼玉県鴻巣市)、寂光院(群馬県桐生市)などで酉の市が行われています。
関東地方以外では浜松と素盞男(すさのお)神社(愛知県名古屋市中村区)、名古屋市大須の稲園山長福寺(七寺)で酉の市が行われています。
だから、天沼八幡で行われる酉の市は、便乗ですね。
縁起物の代表である熊手は、鷲が獲物をわしづかみすることになぞらえ、その爪を模したともいわれていて、福徳をかき集める、鷲づかむという意味が込められています。
せっかくですので、一本買って帰ることにしました。
「大きいのはみんな売れちゃってねえ」とテキ屋のお姉さん。
「小さいんでいいです。昔ばあちゃんがね、『お酉様の熊手は、一度買ったら年々大きいものにしていかないといけないから、大変だよ』っていって買わなかったんですよ。だから、うんと小さいのからはじめて時間かせぎ」
「へえ、そんな言い伝え聞いたことないわ。そりゃ大変だわ、毎年大きくしてったら」
ぼやぼやしていたら、雨が本降りになってきました。
家に帰ったらぼくもかみさんもびっしょり。
「水も滴る……」なんちゃって。
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