ひまわり博士のウンチク

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元日「正午浅草」

2016年01月02日 | 日記

 
 「正午浅草」とは、永井荷風が晩年、日記『断腸亭日乗』に連日のように記した言葉だ。浅草六区のストリップ劇場に毎日足を運び、楽屋に入り浸った。
 
 今年は昨年秋に義母が他界したことで喪中の正月になり、祝い事は行わない。正月らしいことは何もしないので、外に出て家族で食事をしようということになった。ところが、子どもたちはそれぞれ所用で揃う時間が昼過までしかない。長女などは浅草まで言って戻ってくる時間はないという。では食事は近場で済ませて、浅草には長男を含めて3人で出かけることにした。
 正午過ぎに浅草に着いたが、まさか家族でロック座というわけにもいかないので、仲見世でも冷やかそうというわけである。
(ロック座は浅草六区にある老舗のストリップ劇場。ここから多くのコメディアンが飛び立って行った。東八郎、大宮敏充(デンスケ)、コント55号、などなど。ストリップの合間にコントが行われ、コメディアンたちが活躍した)
 
 想像を絶する人出だった。地下鉄銀座線の浅草駅で降りるともう既に人込み。地上は機動隊の規制が張られ、DJポリスまで出ていて、雷門をくぐるだけで長蛇の列だった。門の中に余裕ができないと、道路を渡って仲見世に入ることはできない。
 仲見世巡りが目的のひとつだったのだが、それはあきらめて、周辺を散策することにした。
 
 驚いたのは、外国人の何と多いこと。周囲から聞こえてくる言葉は中国語、韓国語、英語にフランス語、それと東南アジアからの観光客だろうか、よくわからない言語も混じる。中東から来たと思われる家族も見かけた。石油成金かよほど金持ちなんだろう。
 
 歩きかけたところでスマホを家に置き忘れていたことに気づいた。充電しっぱなしでバッグに移すのを失念していたのだ。だから、写真はすべて息子に撮らせた。
 
 

 玉ねぎの漬け物の専門店。ワインだの味噌だの考えられるさまざまなもので、漬けるのは玉ねぎだけ。麹漬けのタマネギがうまかったので買って帰った。
 

 
 ブラシ専門店には、タワシで作ったアートが飾られている。店頭に、タワシでできた親亀の上に子亀を乗せて、子亀の上に孫亀を乗せてあった。店内にはタワシのワニや亀やうさぎや豚などがところ狭しと並んでいたが、店員が睨みをきかしているので息子に写真を撮れとはいえなかった。
 もちろん、タワシだけではなく、高級品の化粧用から塗装、清掃用まで、さまざまなブラシがところ狭しと陳列されている。
 
 ベルトの専門店、ステージ衣装の専門店など、浅草ならではの店が並ぶ。
 人がたくさんたかっているのでなにかと思えば、ビッグダディーの店。客を何やらからかっているが何を売っているのかよくわからない店だ。

 浅草は観光地だから、ガイドに従って浅草寺を中心とした名所を回るのも良いけれど、よそではあまり見かけない店を冷やかして歩くのも面白い。
 家族三人、舟和でお茶をして四時頃に浅草をあとにする。来たときよりも人が増えていた。雷門の前がフェンスでさらに規制され、地下鉄の駅の方向にまっすぐ横断できなくなっていた。まるで国会前のデモ規制みたいだ。
 正月に出かけるのはよしたほうがいい。


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