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日本学術会議が否定する「ホメオパシー」とは

2010年08月25日 | 健康・病気
 今朝の朝日新聞の1面トップは、日本学術会議がホメオパシーの効果を否定したという談話についてだった。
 自分はホメオパシーを信奉する立場にはないが、いささかヒステリックな談話が気になった。
 
 まず、ホメオパシーとはどういうものか、簡単に説明しよう。
 一言でいえば、毒を極限まで水で薄めて直径2~3ミリほどの砂糖玉に染み込ませたものを使用する民間療法だ。
 患者の症状にあわせて、植物、昆虫、鉱物などから抽出した成分から調合するとされている。
 特定の人のために作られ、他の人が触れたものを服用してはならないと言われている。
 ガンなどの重大な病気を含め、あらゆる疾患に効果があるとされる。
 ヨーロッパでは200年以上の歴史があり、医療保険が適用されていた国もある。
 
 日本学術会議は、先頃新生児死亡事故(提訴中)が起きたことを受け、「科学的な根拠は明確に否定され、荒唐無稽」であるとして、医療従事者が治療に使わないように求める会長談話を発表した。
 このまま放置すれば、通常の医療から患者を遠ざける懸念があり、同様の事故が再発することを防ぎたいというのが、表向きの理由である。
 新生児の死亡事故とは助産婦が、一般に新生児に投与されるビタミンK2の代わりにホメオパシー療法を行い、死亡させてしまった件である。
 この他にも、通常医療を拒否した結果、悪化したり死亡した例が相次いでいるという。
 
 ちなみに、ぼく自身もかつて薦められて花粉症の治療に使ったことがあるが、好転も悪化もしなかった。
 ようするに、なんの効果もなかったのである。まあ、花粉症なので、悪化したからといってどうということはないが。
 
 最近、医療・健康関係の実用書を手がけていて感じるのだが、通常医療の組織(日本医師会など)の経済優先主義が大変目につく。
 ようするに、医者にとって患者は売上げのための「客」なのだ。
 これまでの医師会のありようから察するに、会長談話でいう「患者を遠ざける懸念」というのが、まるでデパートが客離れを恐れているかのように聞こえる。
 これまで、不快に思いつつも手を下せないでいた民間医療・代替医療を排除するいいチャンスと思ったのではないか。
 
 断っておくが、自分はこれまで、代替医療ではっきりとした効果があったという体験はない。したがって、自分には効かないと思っている。
 しかし、効果がある人もいるのだから、全否定は出来ない。病気というのは、いくら良い薬を使っても、自分に治りたいという強い気持がなければ直らない。逆に、強い意志があれば、治療がどうあれ治ることもある。
 ホメオパシーが、そうした治りたいという気持をサポートするものであるのなら、それも一種の薬なのだから否定することは適当でないと思う。
 プラシーボ(偽薬)ということもあるのだから。
 
 問題は、民間療法や代替医療を行っているグループに排他的な人々が多いということだ。通常医療で扱う医薬品はすべて毒だと言って排除し、手術もまったくするべきでないと言う。
 優れた代替医療の研究者は、通常医療も受け入れている。
 たとえば「痛みがひどくて耐えられないなら、痛み止めを使いなさい。代替医療に即効性はありませんから」という。
 
 つまり、何事も共存である。一方に偏り過ぎればバランスが崩れる。
 日本学術会議もヒステリックに全否定するのでなく、民間医療・代替医療の正しい使い方を教えるくらいの懐の大きさが欲しいものだと思うが、どうだろうか。
 
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