今日22日、沖縄県議会は、検定意見の撤回と、教科書の記述を元に戻すことを求める意見書案を、全会一致で可決したそうです。自民党も含めてです。
意見書は、集団自決が「日本軍による関与なしでは起こりえなかった」としています。すなわち、直接的な命令があったかどうかではなく、軍が関与していたという点で、与野党が一致して認めたそうです。
昨日の記事に、「自由主義史観研究会」というところから、ホームページを見てくれというコメントが入りました。
「両方の意見を放送すると言って取材に来たのに、ほとんど放送されなかった。団体名すら紹介されない」とグチッてました。マスコミの取材ではよくあることです。べつにどこからか圧力があった訳ではないでしょう。
ようするに、彼らが言っているのは、梅沢、赤松の二人の将校は住民に直接自決命令を出してはいない、だから軍は集団自決に関与していない、ということです。
集団自決そのものがねつ造だ、などという、沖縄の人々の神経を逆撫でするような身勝手なコメントまでありました。
名を連ねるのは、藤岡、曽野、桜井、小林などなど、おなじみ軍国主義者の顔ぶれです。
一部でいわれているような、沖縄の人たちが、天皇のためお国のために自決するわけがありません。元々沖縄は琉球王国といって、日本とは別の国でした。ですから、日本の天皇は沖縄の天皇ではありません。
沖縄は昔から日本の盾にされてきた歴史を持ち、いまでも米軍基地に囲まれ、「基地の中に沖縄がある」とさえいわれています。
今でも、内地の人間を「ヤマトンチュ」、沖縄の人は自分たちを「ウチナンチュ」といって区別し、本土の人間に対して批判的な人が少なくありません。
沖縄は「皇民化教育」が行われていたから、忠君愛国が行き渡っていた、「死して虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓も学んでいた、だから、軍が関与しなくても住民は自ら命を絶った、という意見もあります。
ところが、「皇民化教育」を受けていたのは中学生以下です。一般の沖縄住民は「お国と天皇のために命を捧げる」なんて思っちゃいません。
もう一つ自決の引き金になったのは、「鬼畜米英」に対する恐怖心からであるが、それと日本軍は無関係だという意見です。しかし、「ひどい目にあうくらいなら自決した方がいい」と「日本兵から諭された」という証言が多数あります。
日本軍が宣伝しなければ、米兵に対する恐怖心は植え付けられませんでした。
沖縄住民は、狭い島で壕を掘ったり物資を運んだり、軍とともに行動しました。そのため、捕虜になった住民から情報が漏洩することを極端に恐れた日本軍は、住民に捕虜になることよりも死を選ばせたのです。
「これで死ね」と幼児を含む家族全員の分の青酸カリを、日本軍に渡されたという証言があります。
また、手榴弾を手渡されたという人は無数にいます。
当時、軍でなければ持ち得なかった青酸カリや手榴弾が、多数の住民に渡されたということは、軍の関与なしではありえないことです。
日本軍人は、白旗を掲げて投降を勧めにきた沖縄住民の首を切り落とし、米軍に投降しようとする人を後ろから銃殺しました。
このような事実があるにもかかわらず、軍の関与をぼかそうとする文科省および検定委員会のやりかたは、軍国主義の道を歩もうとする政府与党の方針に沿ったものといって間違いないでしょう。
沖縄をトカゲのしっぽとしか思っていない文科省が、沖縄県議会から意見書が出たからといって「はいそうですか」と検定意見を撤回するとは思えませんが、「つくる会」だけでなく、様々なところから歴史の改変が行われ始めていることに、危機感を覚えざるをえません。
文科省、さすがに「靖国DVD」は引っ込めたようですが。
ちなみに、軍国主義者というのは実際に戦闘行為を好む人のことだけではありません。戦争をする、あるいは戦争をしやすくすることによって私腹を肥やそうとする人や、過去の加害行為を否定したり、過去の戦争を正当化するような人々のことをいいます。
◆あなたの原稿を本にします◆
詳しくは直接メールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで
意見書は、集団自決が「日本軍による関与なしでは起こりえなかった」としています。すなわち、直接的な命令があったかどうかではなく、軍が関与していたという点で、与野党が一致して認めたそうです。
昨日の記事に、「自由主義史観研究会」というところから、ホームページを見てくれというコメントが入りました。
「両方の意見を放送すると言って取材に来たのに、ほとんど放送されなかった。団体名すら紹介されない」とグチッてました。マスコミの取材ではよくあることです。べつにどこからか圧力があった訳ではないでしょう。
ようするに、彼らが言っているのは、梅沢、赤松の二人の将校は住民に直接自決命令を出してはいない、だから軍は集団自決に関与していない、ということです。
集団自決そのものがねつ造だ、などという、沖縄の人々の神経を逆撫でするような身勝手なコメントまでありました。
名を連ねるのは、藤岡、曽野、桜井、小林などなど、おなじみ軍国主義者の顔ぶれです。
一部でいわれているような、沖縄の人たちが、天皇のためお国のために自決するわけがありません。元々沖縄は琉球王国といって、日本とは別の国でした。ですから、日本の天皇は沖縄の天皇ではありません。
沖縄は昔から日本の盾にされてきた歴史を持ち、いまでも米軍基地に囲まれ、「基地の中に沖縄がある」とさえいわれています。
今でも、内地の人間を「ヤマトンチュ」、沖縄の人は自分たちを「ウチナンチュ」といって区別し、本土の人間に対して批判的な人が少なくありません。
沖縄は「皇民化教育」が行われていたから、忠君愛国が行き渡っていた、「死して虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓も学んでいた、だから、軍が関与しなくても住民は自ら命を絶った、という意見もあります。
ところが、「皇民化教育」を受けていたのは中学生以下です。一般の沖縄住民は「お国と天皇のために命を捧げる」なんて思っちゃいません。
もう一つ自決の引き金になったのは、「鬼畜米英」に対する恐怖心からであるが、それと日本軍は無関係だという意見です。しかし、「ひどい目にあうくらいなら自決した方がいい」と「日本兵から諭された」という証言が多数あります。
日本軍が宣伝しなければ、米兵に対する恐怖心は植え付けられませんでした。
沖縄住民は、狭い島で壕を掘ったり物資を運んだり、軍とともに行動しました。そのため、捕虜になった住民から情報が漏洩することを極端に恐れた日本軍は、住民に捕虜になることよりも死を選ばせたのです。
「これで死ね」と幼児を含む家族全員の分の青酸カリを、日本軍に渡されたという証言があります。
また、手榴弾を手渡されたという人は無数にいます。
当時、軍でなければ持ち得なかった青酸カリや手榴弾が、多数の住民に渡されたということは、軍の関与なしではありえないことです。
日本軍人は、白旗を掲げて投降を勧めにきた沖縄住民の首を切り落とし、米軍に投降しようとする人を後ろから銃殺しました。
このような事実があるにもかかわらず、軍の関与をぼかそうとする文科省および検定委員会のやりかたは、軍国主義の道を歩もうとする政府与党の方針に沿ったものといって間違いないでしょう。
沖縄をトカゲのしっぽとしか思っていない文科省が、沖縄県議会から意見書が出たからといって「はいそうですか」と検定意見を撤回するとは思えませんが、「つくる会」だけでなく、様々なところから歴史の改変が行われ始めていることに、危機感を覚えざるをえません。
文科省、さすがに「靖国DVD」は引っ込めたようですが。
ちなみに、軍国主義者というのは実際に戦闘行為を好む人のことだけではありません。戦争をする、あるいは戦争をしやすくすることによって私腹を肥やそうとする人や、過去の加害行為を否定したり、過去の戦争を正当化するような人々のことをいいます。
◆あなたの原稿を本にします◆
詳しくは直接メールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで